閉経前後に訪れる、心身ともにゆらぐ更年期。対処法を知って、女性ホルモンのアップダウンによる波を上手に乗りこなしましょう。産婦人科専門医の高尾美穂先生、鍼灸院院長の柳本真弓先生、アロマセラピストの藤田めぐみさんに、更年期の上手な乗りこなし方を教えてもらいました。今回は疲れ・だるさについてです。

疲れるのは、むしろ当たり前。スローペースでOK

「女性ホルモンが減少し、自律神経が乱れることに加え、加齢により消化器官など体の機能が低下。代謝が落ち、休息しても疲れから回復しにくくなります」(高尾先生)

また、女性ホルモンの減少はメンタルダウンにも関係します。やる気がなかなか出ず、こうした精神的なストレスがだるさを助長することも。

「疲れやすくなるのは、加齢現象で仕方がないこと。基本的なことですが、睡眠をしっかりとる、疲れたら無理をしないで休むこと。“昔のようにできなくて当たり前”とのんびり構え、つらいときは周囲に助けてもらってくださいね」

更年期と間違えやすい病気

・うつ病など→精神科・心療内科
・そのほか内臓の機能低下→内科・消化器科など

●発汗を促すジュニパーベリーの香りをプラスしたお湯につかる

疲労回復効果にはヒノキ科の針葉樹の実であるジュニパーベリーを。ジンの材料としても有名です。「透きとおるような爽快な香りで、森林浴の気分に。排泄や発汗を促すと同時に活力を与えてくれます」(藤田さん)

●コーヒーフレッシュ×精油でお手軽ミルクバス

市販のコーヒーフレッシュ1個につきジュニパーベリーの精油を1滴たらしたものを湯船へ。「3個分入れれば、すがすがしい香りいっぱいのリッチなミルクバスを楽しめます」(藤田さん)

市販の入浴料を使う手も

ワコルダー(ジュニパー)配合の入浴料。

・グーテエアホールングバスソルト ウィンターグリーン&ワコルダーの香り〈医薬部外品〉850g \2640(クナイプ)

●時間がないときは足浴や手浴もおすすめ

お湯をはった洗面器に上記のバスミルクや入浴料を入れ、手や足をつける部分浴で末端を温めるのも疲労回復に◎。「手浴は手のこわばりの緩和にもなっておすすめ」(藤田さん)

●体の気が集まる「気海(きかい)」を優しくマッサージ

生命力の源である「腎」の機能が弱ると全身が冷えて、疲れやすくなります。「そんなときは『気』が湧き出るツボ・気海を優しく刺激しましょう。さすったり、温めることで元気が湧きます」(柳本さん)

 

ツボ押しやヨガ、アロマセラピーなどを行う場合、妊娠中やその可能性がある方、持病のある方は事前に医師と相談してください。また、試してみて痛みや不調があるときは、すぐに中断してください。

西洋医学に基づかない鍼灸やマッサージ、アロマセラピーは体質改善を目指すものであり、効果・効能には個人差があります。