日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「夫をもう男としては見られないです」と語るのは主婦の貴代さん(仮名・47歳)。仲がよかった夫婦がすれ違ってしまったきっかけとは? パートをしながらワンオペ育児に奮闘した頃を振り返っていただきました。

あのとき夫に「別れよう」って言えばよかった…

神奈川県に住む主婦の貴代さんは、夫と高校生になる息子との3人暮らし。週末には家族そろって食事へ出かけるのが恒例になっています。

傍から見たらとても幸せそうな家族ですが、貴代さんは10年後、夫が定年を迎えるタイミングで「離婚」をきり出そうとしているといいます。その理由は「レス」…。

●転勤ですべてが変わってしまった

「結婚したのは30歳のときです。すぐに子どもを授かって、夫も大喜び。愛おしい息子の育児に2人で右往左往した新婚時代だけが、今となっては輝いています」と貴代さん。

夫とレスになったのは、お子さんが幼稚園に上がろうかという時期。都内の一流企業で営業職をしていた夫が、地方へ転勤になってしまったことがきっかけでした。

「子どもの教育や習い事を考えると、なかなか地方へ一家で移住するという選択肢はなくて…」と振り返る貴代さん。夫は羽田から飛行機と車で2時間以上かかる地方の都市で、単身赴任をすることになりました。

●余裕がなかった2人。夫婦らしい会話もなくなっていた

「とにかくアクセスの悪い辺鄙な場所。夫が帰省するのは2か月に1回あるかないか。それまでは普通に夫婦生活もあったのですが、結局体の距離が開いて、心の距離までどんどん離れてしまったんですよね。たまに帰ってきても、子どもの話とか事務的な報告ばかりで、あまり夫婦らしい会話はできなくなっていました。当時、私はワンオペ育児をしながらパート勤務もしていて、自分に余裕がなかったんです。それは慣れないひとり暮らしを始めた夫も一緒だったのかも。このときにちゃんと話し合えればよかったのですけれど、お互いにすれ違ってしまって…」

夫の転勤がきっかけであっという間にレスに陥った貴代さん夫婦ですが、心が離れた背景には、夫の女性関係も影を落としていたといいます。

●単身赴任中の夫が夜のお店に通っていても

「夫は営業職だし、接待で夜のお店へ行っていることも知っていました。相手はプロの女性だし、浮気をされているというよりは、自分で性の欲求をお金払って解消してくれているならいいかなという程度の感覚です。私は産後からずっとホルモンバランスの影響なのか、それほどしたいという欲求はなかったので、ラクになって助かったなと思っていたくらいです」

けれど、このときは既に夫に対しての愛が薄らいでいたのかも…と貴代さん。

家の駐車場に落ちていたゴミを拾ったら…

ある日、レスになってから5、6年が経過した頃でした。貴代さんは家の駐車場で折りたたまれた厚紙のようなゴミを発見。なにかと思って拾ってみると、夜のお店の女性の名刺。

そこには「ご家庭の悩み、またいつでも聞きます。うちでもホテルでもOKなのでゆっくり一緒に寝ましょうね」という手書きのメッセージまで添えられていました。

●夫への感情が“無”になった

「浮気されて悲しいとか、相手の女性への嫉妬とか、そういう感情がもう自分のなかで沸いてこなかったんですよね。お店以外でも会う関係なのねとは思ったけれど、折れ曲がって落ちていたカードを手に取ってなにも感じませんでした」

貴代さんは、携帯で写真を撮って、そのまま夫に送りつけたそう。メールの件名もメッセージも空白で。

「よくいう『夫婦の会話がない』とかいう状況を通り越したなと思いました。夫に対して、好きどころか嫌いという感情もない。今になって思えば、この時点で『もう別れよう』ときり出していれば別の人生があったかもしれません」と貴代さん。

数時間後、夫からは「捨てといてください」と一言だけ返信がきておしまい。貴代さんからそれ以上問い詰めることもなければ、夫が謝ることもなかったといいます。これが決定打となり、貴代さん自身の心は完全に夫から離れ、ほかの男性に癒やしを求めてしまったお話はまた次回したいと思います。