エンゼルスのアンソニー・レンドン【写真:ロイター】

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「ジ・アスレチック」のサム・ブラム記者が怒りのコラムを掲載

 米大リーグ・エンゼルスで故障により離脱が続いているアンソニー・レンドン内野手が米メディアの取材に応じた。これまで取材に応じることがなかったことや、怪我の真相が明るみに出なかったことの経緯を語ったが、米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のエンゼルス番サム・ブラム記者はレンドンに痛烈な皮肉を込めた記事を特集。本人がここ数年、引退が視野に入れているとの発言を歓迎し、大谷翔平投手との誠実さの違いを訴えた。

 7月4日(日本時間5日)の試合で左膝付近に自打球を当てて離脱して以降、時に「英語が話せない」とスペイン語で答え、“取材拒否”のスタンスで状態について話してこなかったレンドン。しかし、14日(同15日)になって数週間前に左腓骨骨折と診断されたことを明かした。ブラム記者は、同僚やフロント球団内では良好な関係が保たれているとした一方で「しかし、この過程の彼の対処の仕方は、フラストレーションも生み出している」と指摘した。

 今回、引退を検討しているか問われたレンドンは「ここ10年間それについて熟考してきたよ」と即答したという。これを受け、ブラム記者は「もしレンドンが引退するなら、それは球団にとってギフトだ。彼の年俸を払うことはエンゼルスの支出を妨げはしない。しかし、彼の契約が帳簿から外れることはロースターを築くにあたってかなりの柔軟性をもたらす。彼の契約はMLBの歴史上最悪の1つを形作っている」と7年総額360億円の高給取りに対する痛烈な皮肉を込めた。

 すでにトス練習などを再開し、復帰の意向を持っているレンドンは、復帰を歓迎しない批判的な論調について「全貌を知ることなく、憶測を続ければいい。俺は気にしない。彼らは事実を知らない。好きなように書き続ければいい」と言い放ったという。しかし、これにブラム記者は「これらのコメントでレンドンが気付いていないのは、この疑念に満ちた空間の責任は彼にあるということだ」と噛みついた。

「球団の最高年俸選手の1人であることの一部は、チームの顔の一人としての責任を果たすことにある。ショウヘイ・オオタニも同様にメディアを回避している。しかし、彼は同様の詮索を受けることはない」と同じチームの顔でありながら故障で離脱中、取材対応をしてこなかった大谷との違いを指摘する。

「なぜなら、彼が勝てるチームの一員になるべくできる限り全てのことしているのは明らかだからだ。彼は話そうが話さまいが、疑いは残さない」と選手としての誠実さの違いを強調。「レンドンがプレーすることを気にしているかどうかは彼しか分からないことだ。しかし、彼の行動が、全員に認知を形成することを許している。これは自業自得だ」とし、自らへのバッシングはすべて自分で蒔いた種であると斬り捨てた。

(THE ANSWER編集部)