新築でマンションを購入して18年。当時、小学生と中学生を育てていたというライフオーガナイザーの田川瑞枝さんも、今は60代となりました。これまでを振り返って、マンションのオプションで採用してよかったものについて語ります。

4万円のオプションで廊下にニッチを増設

マンション購入前のこと。雑貨を飾るのが好きだった筆者にとって、壁の厚みをくぼませたニッチは、憧れの存在でした。インテリア雑誌を眺めては、好みのデザインのものを切り抜き、新居に向けてアイデアをふくらませていました。

この住まいの図面を見た際に、オプションとして、ニッチをつけたいと要望。業者との打ち合わせには、これまで集めた切り抜きも持参し、イメージを伝えました。

当初希望したのは、上部はR型に丸くしたナチュラルテイストのニッチ。オプション価格は4万円です。

ただ、打ち合わせを重ねていくうちに、考えが変わってきました。

この先何十年も住み続ける家です。今の好みが将来は変わっているかもしれない。そのとき、デザイン重視のニッチがデメリットになっているかも…。ここはシンプルに、ストレートなデザインでいこう。

結局、価格はそのままに、上部がフラットなニッチを設置することに。そして、予想は当たりました。18年たった今、筆者が好むデザインはシンプルなもの。ストレートなデザインにして正解でした。

 

こちらが、実際にできあがったニッチの様子。大きさは、幅80×高さ130×奥行15cmほど。ニッチがあるおかげで、廊下が実際の面積よりも広いように思えます。

 

引っ越し当初は、私のお気に入りの雑貨を飾るのが目的の場所でした。シーズンに合わせて飾る雑貨を変えることで、季節の移ろいを感じていました。そのうち、子どもたちの学校でつくった作品を展示するスペースに。

子どもが成人して家を出たあとは、帰省に合わせて、お正月には書初め、3月にはひな祭りの作品を飾ったこともあります。自分たちの作品を見た子どもと、「懐かしい! こんなときもあったね」と盛り上がったことも。

ニッチは暮らしと親子のつながりを感じられる、今も大事なスペースです。

リビングにオプションの調光式ダウンライトを追加

照明は「リビングとダイニングに1か所ずつにシーリングライトがある」というのが、わが家のマンションの標準装備でした。

夜に明るすぎる照明は、目に負担がかかり、リラックスするには向きません。標準のシーリングライトは調光タイプではなかったので、光量を変えるのは不可。

そこで、シーリングライトにオプションの調光式ダウンライトを追加。部屋の明るさを調節できるようにしました。

使い方は、こんな感じ。夕方から食事中は、シーリングライトの十分な明かりを使います。そのあとの就寝までのリラックスタイムを、ダウンライトだけで過ごします。

当時、「照明にここまでお金をかけるべき?」とは思いました。しかし、実際に18年間暮らしてみて大正解。しかも、住んでからのリフォームと異なり、施工前だからこそ安価で設置できたのだと思います。

 

ちなみにオプションの工事価格は、1灯目は割高ですが、2灯目以降は1個につき1万円の定額。ダウンライトを壁沿いに4個、オプションで設置しています。

家族は深夜まで帰ってこないのに、照明を煌々(こうこう)とつけているのは電気代がもったいない。かといって真っ暗な部屋はさみしい。そんなとき、ちょっと暗いぐらいの柔らかい光にダウンライトを調整して過ごすことが、筆者にはお気に入り。光量を調節できるのは魅力ですね。

 

わが家のダウンライトは、夕食後のひとときを過ごす灯りとして最適です。

じつは現在、ダウンライトの電球を、白熱球からLEDに変更しています。取り替えたのは、8年ほど前のこと。

白熱球は寿命が短く、交換を定期的にする必要があります。筆者が脚立に乗って交換するのは、どうしても不安でした。この先、10年、20年と取り替え続けるのなら、思いきって寿命の長いLEDに代えてしまおうと判断したのです。

 

おかげで今のところ、一度も交換の必要はなし。ちなみに、あまりにも快適なので、現在では、寝室、廊下、浴室、トイレとほぼすべての照明をLEDに取り替えてしまいました。LEDなので、電気代の節約にもなっています。

 

洗面台にオプションでガラスタイルを採用

洗面所にも、オプションを採用しました。それは、カウンターとつり下げ収納間の壁に、タイルを張ったことです。

標準装備では、この部位は鏡となっていました。この低い位置では、水しぶきがかかって、鏡の手入れが面倒そう…。筆者はそう考えて、タイル張りに変更したのです。

 

後日、同じマンションに住む方が遊びに来たときのこと。「ここの鏡の掃除が大変なのよ。変更できたのね」と話してくれました。

一方わが家では、18年たった今も、ここの掃除はさっとふくだけ。とても助かっています。

コンセントを使いやすい場所に移動

コンセント計画は、綿密に行いました。筆者は、使うものや場面をイメージしコンセント位置を確認。また、図面は素人にとってわかりにくいものなので、打合せもしっかりしています。

 

変更をしたのは、キッチンのカウンター周りにあるコンセントの場所。図面では、カウンターの下に設置することになっていました。

これだと、カウンターに置いた家電から、カウンター下へとコードがぶら下がって見栄えが悪くなります。そこで、カウンターの上に設置をするよう、変更依頼を打合せの際にしました。

 

実際の様子がこちら。筆者はカウンターにコンパクトオーディオ置いて使っています。本体裏にコンセントもコードも隠れてしまうので、見た目がスッキリ。

ちなみにこの件は、小さな変更ということだったので、追加料金は発生しませんでした。

以下は余談となりますが…。オプションで追加しようとして、結局追加しなかったものもあります。それは、子ども部屋のインターネット情報コンセント。「これからの時代は、子どもがインターネットを利用するので必要になる」と業者から説明されました。

標準装備では、LDKの1か所にあるだけです。しかし、家族ひとりに1台のパソコンというのがわが家には現実的でなく(当時はデスクトップパソコンを家族で共用していた)、増設は実施しませんでした。

 

18年たち、大抵の家庭がそうであるように、現在わが家ではWi-Fiでインターネットを使用します。使うパソコンはノート型に。結果的に、LDKの情報コンセントひとつでたりています。

 

ルーターはカゴの中に隠して、見た目をスッキリと。とはいえ、どうせなら、情報コンセントはもっと目立たない場所に設置しておけばよかったと、少しだけ後悔もしています。