木曜21時からオンエア中のドラマ『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系・木曜21時〜)。過去回はTVerやNetflixにて配信中です。物語も終盤に差しかかり、さまざまな謎が明らかになりつつあります。最終回を前に、第8話を振り返ります。

『ハヤブサ消防団』第8話見どころ。ハヤブサは教団始まりの場所だった

池井戸潤氏の同名小説が原作。主人公は、亡くなった父の故郷であるハヤブサ地区に引っ越してきたスランプ中の作家・三馬太郎(中村倫也さん)。地元の消防団「ハヤブサ消防団」に加入するものの、連続放火事件が起こり、団員たちとその犯人捜しに乗り出します。

東京から移住してきた映像ディレクター・立木彩(川口春奈さん)との交際が始まったり、消防団員という仲間ができたり…と中盤では温かな雰囲気にもなりましたが、第7話からは一気に不穏な空気が漂い始めます。

消防団の研修旅行先である東京で、じつは連続放火犯は消防団員の徳田(岡部たかしさん)だと明らかにした三馬。しかし、徳田は犯人であることを指摘された直後に亡くなってしまいます。

●アビゲイル騎士団の目的

さらに、ハヤブサに戻った三馬たちは、“アビゲイル騎士団”の信者たちが押し寄せる様子を目の当たりにすることに。観光としてだけではなく、移住も開始している信者たち。太陽光発電企業・ルミナスソーラーに買収された土地には、信者のための施設が建てられるのだとか。

三馬は慌てて彩のもとに向かいますが、そこに現れたのは教団の弁護士・杉森(浜田信也さん)。彩はもう三馬には会わないと宣言します。

アビゲイル騎士団に町を奪われてはならない、と焦る消防団の面々でしたが、教団側は何年もかけて準備をしていました。どんどん侵食されていく様子は、そこはかとない恐怖が感じられます。

●信じていたものを捨てることの難しさ

しかし、なぜハヤブサ地区なのか。それは三馬の家にあった女性の写真にヒントがありました。その女性の名前は山原展子(小林涼子さん)。アビゲイル騎士団の聖母で、ハヤブサは聖母生誕の地だったのです。つまり、ハヤブサは信者たちにとって、非常に大切な場所だということ。

さらに、これまで三馬たちの放火犯探しにも協力してくれていた随明寺の住職・江西(麿赤兒さん)が、展子の兄であることも発覚。町長の不倫相手も実は信者でしたし、まさに八方ふさがり。

そして、彩は聖母の後継者だと言われていることも分かりました。彩にとって、つらいときに助けてくれたのはアビゲイル教団でした。信じるべき存在で、守らなければならないものが教団。こういった場合、「洗脳」という言葉が使われますが、教団側が意図して信じさせた部分はあるにせよ、助けてくれた人、生きる希望を与えてくれた存在というものに人間は弱いのかもしれません。そして信じることより、信じていたものを捨てることのほうが大変なのだということを感じます。

ハヤブサを守るために、三馬はどのような行動をとるのか…。次回、最終話。ハヤブサは守られるのでしょうか。そして、アビゲイル騎士団の行方がどうなるのかも注目です。