「バリー・スポーツ・ウェスト」実況のパトリック・オニール氏

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「バリー・スポーツ・ウェスト」のパトリック・オニール氏にインタビュー

 米大リーグで今季も二刀流の躍動を続けるエンゼルス大谷翔平投手。地元中継局「バリー・スポーツ・ウェスト」の放送席で飛び交う「日本語実況」もすっかりお馴染みに。「スゴイ!」など二刀流の活躍を盛り上げている実況のパトリック・オニール氏は、現地で「THE ANSWER」のインタビューに応じた。なぜ米国の視聴者に大谷の凄みを日本語で伝えるのか――。

「コンニチハ、パトリックデス」

 エンゼルスタジアムのダグアウトで日本語の挨拶が自然に飛び出すのが、名物実況のオニール氏だ。大谷が三振やホームランを奪った際に「スゴイ!」など日本語実況で二刀流の躍動を伝えている。

「去年は100試合以上実況したけど、今年は20試合程度。試合後のポストゲームショーが今のメインの出番だけど、エンゼルス戦の中継は大好きなので、もっと実況したいというのが本音なんだ。実況はすごく興奮するんだよ。ショウヘイの二刀流試合の担当は僕の夢が叶う瞬間なんだ。メジャーで最高選手、球史で最高の選手の実況なのだから、僕なりの最大の敬意を示したい。そういう意味で始めたのが日本語を交えた実況なんだ」

 大谷が8勝目を挙げた21日(日本時間22日)のパイレーツ戦で久々の実況を務めたオニール氏はこう語った。

 父親は有名なハリウッド俳優のライアン・オニール氏。夫人は長野出身でカリフォルニア育ちの日本人。夫人の実家の長野県を訪問するために6月には人生2度目の日本旅行を楽しんだ。来日中も日本語での会話に果敢に挑戦したという。

日本語を真剣に学ぶ理由は「ショウヘイとの出会いが大きかった」

「自宅での会話は日本語? いやいや、全く。妻と知り合ってずいぶん経つけど、私が日本語の勉強に真剣に取り組み始めたのは最近。とにかくショウヘイとの出会いが大きかった。今は日本語のボキャブラリーを増やしつつ、文法を頑張っているよ。日本人講師のオンライン授業を受けながら、日本語の構文について真剣に取り組んでいる。僕が間違えると、妻からは指導が入るんだ。日本語は英語と全然違うので難しい。でも、着実に伸びている実感はあるよ」

 人気映画「ダイハード2」に出演するなど、俳優としてのキャリアを持つ55歳。実況などの忙しい仕事の合間に、日本語習得という新たな挑戦に取り組んでいる日々だという。

「いろいろな日本語を吸収しているけど、日本語を使うタイミングに関して、あまりやりすぎにならないように気を付けているね。三振を奪った直後、長打を打った後に限っている。次の担当試合でショウヘイがホームランを打った時には、『カッコイイ!』と叫ぶよ。英語でCoolという意味だよね」

 二刀流の活躍を彩る名物実況。予告した新たな日本語実況も日本でバズるかもしれない。

(THE ANSWER編集部)