Mozillaが開発するウェブブラウザ・Firefox 115のリリースに合わせて、メールソフト「Thunderbird 115」が2023年7月11日(太平洋標準時)に公開されます。Thunderbird 115は新しいUI「Supernova」を採用しているのが特徴で、リリースに先んじて、どのようにUIが刷新されたのかをMozillaが一部公開しています。

What’s New in Thunderbird 115 - Thunderbird

https://www.thunderbird.net/en-US/thunderbird/115.0/whatsnew/

Supernovaでどれだけユーザーインターフェースが変わったのかは、以下の画像を見るとわかります。左が記事作成時点で最新バージョンとなるThunderbird v102で、右がSupernovaを採用するThunderbird 115です。中央にあるスライドバーを左右に動かすことで、見比べることが可能です。



Supernovaの大きな特徴の1つは「Dynamic Unified Toolbar(動的で統合されたツールバー)」で、アクティブになっているタブやスペースに応じて頻繁に使われるオプションなどが表示されます。ツールバーやウィンドウレイアウトをカスタマイズする事で、ワークフローを完全にコントロールすることができるそうです。



さらに、アイコンのデザインも一新されました。Mozillaは「新しいアイコンのデザインはどんな密度設定でもシャープでピクセルパーフェクトを実現します」とコメント。



密度設定やフォントサイズはアプリメニューからワンクリックで設定できます。



アプリのメニュー画面にはキーボードからアクセス可能。サブメニューは少なくなり、アイコンは統一され、より直感的に操作できるようになったとのこと。



Supernovaでは、並べ替え可能なフォルダモードを導入し、メールの管理がしやすくなったとのこと。フォルダの表示のオン・オフを切り替えたり、お気に入りのフォルダを上位に持って来たりすることで、スクロールを減らして生産性を向上させることができるとのこと。また、フォルダペインに色分けされたタグカテゴリーが追加されるので、メッセージの検索やフィルタリングがより素早く行えるようになります。



また、Supernovaユーザーインターフェースではアクセシビリティ向上も図られており、特にTabキーや矢印キーなどでコンテンツを移動できる機能も強化されているとのこと。



メール一覧は、ウェブメールのようにすっきりとシンプルなカードビュー形式。



連絡先のアドレス帳はThunderibird 102から引き継ぎ可能で、デザインはこんな感じ。



そして、2022年11月に発表された通り、カレンダーもユーザーインターフェースのデザインが大きく見直されています。



なお、Thunderbird 115のシステム要件は以下となっています。

◆Windows

・Windows 7以降

・1GHz以上のIntel/AMDプロセッサ

・1GB以上のRAM、64bit版は2GB

・250MBのストレージ空き容量

・メールストレージ用の追加ストレージ容量

◆Mac

・macOS 10.12以降

・Intel x86あるいはApple Siliconプロセッサ搭載のMac

・1GBのRAM

・500MB以上のストレージ空き容量

・メールストレージ用の追加ストレージ容量

◆GNU/LINUX

GNU/Linux環境下でThunderbird 115を使用するためには以下のライブラリが必要だとのこと。

・glibc 2.17以降

・GTK+ 3.14以降

・libdbus-glib 0.6.0以降

・libglib 2.42以降

・libstdc++ 4.8.1以降

・libxtst 1.2.3以降

・X.Org 1.0以上(1.7以上推奨)

また、最適な機能を得るには以下のライブラリやパッケージを追加することが推奨されています。

・DBus 1.0以降

・NetworkManager 0.7以降

・PulseAudio