教育費と老後資金、優先すべきはどっち!?【平野ノラさんが回答/老後の4K】

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超高齢社会を迎え、「人生100年時代」といわれる現代。
だからこそ、考えだしたら不安でたまらない、家族や自分の老後の生活。
各分野のスペシャリストが、そんなあなたの不安にそっと寄り添います。

今回のお悩み/お金


教育費と老後資金、
どちらを優先すればいいのでしょうか。


中学生、高校生の子どもが3人います。ここから大学までの学費と塾代、そしてこのところの物価高もあり、子どもにかかる費用はかさむ一方。自分たちの老後資金も貯めなければと思いつつも、子どもにはできるかぎりのことはしてやりたいと思う親心もあり。中学生になった長男は、サッカーのクラブチームに入りたいと言っているのですが、月謝や遠征費などがかかるため、金額によってはあきらめさせたほうがいいのか……。子どもの教育費と自分たちの老後資金、どちらを優先したらいいのか悩みます。
(43歳・女性)

平野ノラさんの回答


優先順位はあえてつけず、「同時進行」できればベスト。家族でお金について話し合ってみても。



お悩み回答者
平野ノラさん
私も娘がいますが、かけようと思えばいくらでもかけることができるのが教育費※1ですよね。子どもの可能性や将来のことを考えると、親としてなんとかしたくなる気持ちもすごくよくわかります。でも、やっと子どもが巣立ったと思ったら、自分たちの老後資金がない、なんてことになったら、それはそれで困りますよね……。

答えになっていないかもしれませんが、どちらかを優先するというよりも、どちらも同じくらい大切だと思うんです。まずは、これからお子さんにかかる教育費を概算してみて、「ここまでなら出せる」という上限を決める。それと同時進行で老後資金もコツコツ貯めていく。毎月少しずつでも、40代なら時間を味方につけて確実に貯めることができます。

お子さんたちも中・高校生ですから、率直に家計事情について話してみるのもいいかも しれません。「お金がないからダメ」ではなく、「本当にやりたいことなら、お父さんとお母さんは全力で応援するよ」というスタンスで。もしくは、「なぜサッカークラブに入りたいのか」「なぜこの大学に入りたいのか」など、お子さんたちにプレゼンしてもらうのもいいと思います! お子さんの〈本気度〉もわかりますし、「両親も応援してくれている」と思うと、より真剣に取り組んでくれるのではないでしょうか。

世の中的にも厳しい経済情勢だからこそ、家族で足並みをそろえて、お互い協力しあうことが大切な気がします。

※1 キーワード:教育費の平均総額
幼稚園〜高等学校
文部科学省「子供の学習費調査」(令和3年度)によると、子ども1人あたり、幼稚園から高校までの教育費の総額(習い事や塾なども含む)は、すべて公立の場合は約570万円、すべて私立の場合は約1800万円。

大学
日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」(令和3年度)によると、大学4年間の教育費は、国公立で約480万円、私立文系で約690万円、私立理系で約820万円。

平野ノラさん
芸人/タレント。1978年、東京都生まれ。2014年「バブリー芸人」としてブレイクし、さまざまなメディアで活躍中。21 年に長女を出産。著書に『部屋を片づけたら人生のミラーボールが輝きだした。』(KADOKAWA)がある。YouTubeでは、片づけをテーマにした動画が大人気。
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(『オレンジページ』2023年6月2日号より)