つくばエクスプレス延伸はチャリダーに朗報? 「土浦駅」が“自転車の駅”化していることをご存知か
茨城県がつくばエクスプレスの県内延伸先を、JR常磐線土浦駅とする方針を固めました。茨城県第2の都市にある同駅はいま、“自転車の駅”としてもにぎわいを見せています。
サイクリングに特化した駅構造
茨城県の大井川和彦知事は2023年6月23日、東京都の秋葉原と茨城県つくば市を結ぶつくばエクスプレス(TX)の延伸先を、JR常磐線土浦駅へ1本化する方針を固めました。既に県の第三者委員会が、2023年3月31日に土浦方面を延伸先とする提言書をまとめており、5月に実施したパブリックコメントの結果を踏まえ正式決定となりました。
サイクリング客を歓迎する土浦駅改札前(斎藤雅道撮影)。
土浦駅といえば、茨城県第2の都市である土浦市にあり、駅の規模も大きく、県内では取手駅、水戸駅、勝田駅などとともに運行上の拠点駅となっています。
そしてもう一点、同駅には大きな特徴があります。サイクリングに特化している駅であるということです。
土浦から北へ延びていた旧筑波鉄道の線路跡を活用して整備された「りんりんロード」と、霞ヶ浦を周回する湖岸道路を合わせ、2016年6月に完成した全長180kmの「つくば霞ヶ浦りんりんロード」が駅の近くを通っています。勾配が少ないサイクリングロードとして、サイクリング初心者にも人気のスポットとなっており、その玄関口のひとつである土浦駅には、自転車に対する配慮がかなり行き届いています。
つくば霞ヶ浦りんりんロードの整備後、「プレイアトレ土浦」という駅直結型の施設が2018年3月にオープン。1階と地下1階には、茨城県が設置しアトレが運営を担う官民連携の施設「りんりんスクエア土浦」が入っています。
同施設の地下駐車場には、190台分ある駐輪スペースだけではなく、コインシャワーや更衣室、パウダールームなども完備。エレベーターも自転車を押したまま乗ること想定し、広いスペースが確保されているなど、サイクリストへの配慮が随所に見られます。
また、自転車ショップやレンタサイクルなどもあります。施設内の通路には青いラインが引かれており、その表示がある場所は自転車を押して持ち込み可能。カフェやレストランには自転車置き場があり、自転車もそのまま入店することができます。同施設以外にも、駅に輪行でやってきた利用者のために、改札を出た近くの通路端に自転車組み立てスペースがあります。
TXの延伸時期は見通せませんが、実現すれば自転車観光にさらに弾みがつくかもしれません。