JR東海は2023年7月1日から、名古屋と紀伊勝浦を結ぶ特急「南紀」に新型車両HC85系を投入しました。JR西日本への乗り入れも本格化します。

特急「南紀」の全列車がHC85系に

 JR東海は2023年7月1日(土)から、名古屋と紀伊勝浦を結ぶ特急「南紀」に新型車両HC85系を投入。これに伴い、出発式を名古屋駅で開催しました。


名古屋駅での出発式(乗りものニュース編集部撮影)。

 HC85系は、ハイブリッド方式の鉄道車両で国内初の時速120キロ運転を実現した特急形気動車です。特急「ひだ」や「南紀」で使用されていたキハ85系を置き換えるために投入され、2023年3月のダイヤ改正では「ひだ」の全列車がHC85系での運転となっています。

 特急「南紀」ではキハ85系の運用が続いていましたが、6月30日に定期運用から撤退し、7月1日から全列車がHC85系での運転となります。電気モーターを駆動させるハイブリッド方式のため、ディーゼルエンジンで走るキハ85系と比べて静粛性が高く、快適性も向上します。車内には沿線の伝統工芸品を展示できるスペース「ナノミュージアム」も設けられています。

 特急「南紀」は名古屋〜紀伊勝浦間の3往復、名古屋〜新宮間の1往復を合わせて4往復の運行。「ひだ」は富山〜猪谷間がJR西日本管内となり、1往復が大阪駅まで乗り入れていますが、「南紀」は3往復がJR西日本へ乗り入れます。

 出発式で挨拶したJR東海の丹羽俊介社長は「このHC85系は、国土交通省の日本鉄道大賞、鉄道友の会のブルーリボン賞という大変名誉ある賞をいただいた。今後も沿線の皆様と連携しながら沿線の魅力を高め、新しいHC85系で多くの皆様に南紀地方へご旅行いただければと考えている」と力を込めました。一見勝之 三重県知事は「多くの人に、このニュー南紀で三重県に来ていただくことを期待している」と話しました。
 
 出発式ではテープカットが行われ、名古屋駅長による出発合図のもと、紀伊勝浦行きの1番列車が出発していきました。