いよいよ消滅寸前「渋谷駅 旧外回りホーム」銀座線高架下まで「奥が丸見え」状態に!? 駅の将来はどうなるのか
渋谷駅の山手線外回りホームは、2023年1月8日に役目を終えました。現在は解体工事が進んでいますが、どんな風景になっているのでしょうか。
鉄骨が組まれ本格工事準備の状態
渋谷駅の山手線「外回りホーム」が閉鎖され、内回りホームと一体化したのが2023年1月9日。それからまもなく半年を迎えます。
戦前の1940(昭和15)年以来多くの利用者を電車へ運んでいた旧外回りホームは、現在、解体がどんどん進み、いよいよかつての面影を無くしつつあります。
旧外回りホームの解体が進む山手線渋谷駅(乗りものニュース編集部撮影)。
4月初頭の時点ではまだ階段やベンチ、「82年間ありがとう!」のメッセージが貼られた駅員事務室など「乗降場所」としての名残がありました。しかし6月末現在ではいずれもほぼ消滅。ホームの床版もほとんどが撤去され、鋼材に板が敷かれて「パッと見てホームっぽい姿」をとどめている状態です。かろうじて一部の丸柱が残り、「しぶや」「改札口・埼京線こちら」といった案内板が往時の姿のままとなっています。
さらにホーム外壁も取り払われています。2号車のあたりでは、外壁が無くなったことで、交差する地下鉄銀座線の高架下が奥の奥まで見渡せる状態。銀座線の高架は線路の上もすべて撤去され青空の下にある状態で、ここから渋谷スクランブルスクエアの「西館」の建設が進んでいき、ふたたびビルの中に覆われていく計画です。
天井ではむき出しの鉄骨が施工スペースを形作っていて、将来的にはJRのホームをほぼすっぽり覆い隠す巨大なペデストリアンデッキが完成することになります。渋谷駅の西地区と東地区の移動が分かりにくかったのを、「デッキで地区どうしを丸ごとつなげる」ことでシンプルな動線を実現します。渋谷駅周辺の長い長い複合再開発事業、いよいよ本格的なJR駅本体部の工事が始まっていきます。
通勤で渋谷駅を日常利用している30代男性は「ちょっと前まで使っていたのに、もう旧ホームがどんな姿だったか思い出せない。とはいえいつも人が多くて、あまりに気に留めていなかった。それに、かなり前からすでに工事中の姿だった気がする」と話していました。
ちなみに、かつて南側へ大きくズレていた埼京線の旧ホームも、解体が進行してほぼ原形をとどめていません。新南口まではホーム跡に暫定通路が伸び、その先は機械室部分をのぞき完全消滅。また新南口の橋上駅舎部分には、線路東側の桜丘口再開発地区からデッキが伸びてつながる予定で、こちらも完成形がほぼ見えてきています。