RTX 4060 Ti 対 RX 7600でゲーム10本勝負! スト6やディアブロIVでもテストを実行
●注目の新GPU対決、どっちを買えばいいの?
NVIDIAとAMD、GPUの2大巨頭は2023年5月末、ほぼ同じタイミングでフルHD解像度でのゲームプレイをターゲットにしたミドルレンジGPUを投入した。NVIDIAは「GeForce RTX 4060 Ti」、AMDは「Radeon RX 7600」だ。そこで、今回は発売されたばかりのストリートファイター6やディアブロIVを含めた最新&人気ゲーム10本でベンチマークを実行。どちらが自分の目的にマッチしたGPUなのか参考になれば幸いだ。
GeForce RTX 4060 TiとRadeon RX 7600の性能をゲーム10本でチェックする
スペックに共通点は多いが価格に差
まずは、スペックに軽く触れておこう。それぞれ詳しくは「「GeForce RTX 4060 Ti」(8GB版)の実力を徹底検証 - RTX 3070と同クラスで圧倒的な省電力!」、「「Radeon RX 7600」を試す - 価格/性能比が圧倒的? 2Kゲームなら最優GPU候補」で確認してほしい。
コア数に関してはアーキテクチャがそもそも異なるので比較には使えないが、メモリの容量やメモリバス幅、インタフェースは共通、カード電力はRTX 4060 Tiが160W、RX 7600が165Wとスペック上は近くなっている。
ただ、大きく異なるのは価格帯だ。RTX 4060 Tiは最安クラスで6万円前後、RX 7600は4万3,000円前後と1万7,000円前後も差がある。ベンチマークテストの結果は、この価格差も加味して見てほしい。
GeForce RTX 4060 Tiは最安値クラスで6万円前後。写真は国内では発売のない「GeForce RTX 4060 Ti Founders Edition」
Radeon RX 7600は最安値クラスで4万3,000円前後だ。写真はリファレンスモデル
下がGeForce RTX 4060 Ti Founders Edition、上がRadeon RX 7600リファレンスモデル
人気、最新ゲームを中心に10タイトルでテスト
ここからはさっそくベンチマークに移ろう。テスト環境は以下の通りだ。CPUのパワーリミットは無制限に設定。RTX 4060 Tiのドライバは「Game Ready 535.98」、RX 7600は「Adrenalin 23.5.1」を使用している。今回はビデオカードの消費電力を実測できるNVIDIAの専用キット「PCAT」を導入しているので、ゲーム系のベンチマークではカード単体の消費電力も合わせて掲載。消費電力の差にも注目してほしい。
また、どちらもフルHDでのゲームプレイをターゲットにしたGPUであるため、フレームレートの測定はフルHDとWQHDの2種類とし、4Kは除外した。
まずは、実ゲームの前に3D性能を測定する定番ベンチマークの「3DMark」での差を見てみよう。
3DMark
Fire StrikeではRTX 4060 Tiが約1.1倍、Time Spyが約1.2倍上程度と大きな差にはなっていないが、レイトレーシングが絡むPort Royalだと約1.47倍、Speed Wayで約1.63倍もスコアが上。Radeonシリーズのレイトレーシングでの弱さが出てしまっている。
次は、実際のゲームを試していこう。まずは、多くの人が気になるであろう最新ゲームから「ディアブロIV」と「ストリートファイター6」を用意した。ディアブロIVは、キヨヴァシャド周辺の一定コースを移動した際のフレームレート、ストリートファイター6」はCPU同士の対戦を実行した際のフレームレートをそれぞれ「FrameView」で測定している。
ディアブロIV
ディアブロIV - 消費電力
ストリートファイター6
ストリートファイター6 - 消費電力
ディアブロIVは最高画質設定のウルトラにしても、どちらのカードもWQHDまで快適なプレイの目安と言える平均60fps以上をクリア。このクラスのGPUで快適遊べるゲームと言ってよいだろう。消費電力で見るとRTX 4060 Tiのほうがフレームレートが上回りながら30Wも少ないと、ワットパフォーマンスでは圧勝している。しかし、1フレームあたりのかかるコスト(フルHD時)をRTX 4060 Tiは6万円、RX 7600は4万3,000円で計算すると違った側面が見えてくる。RTX 4060 Tiは1フレームあたり約365.8円、RX 7600は約346.7円とコストパフォーマンスではRX 7600のほうが優位だ。
ストリートファイター6は、120fpsまで設定できるが対戦時は最大60fpsまで。どちらのGPUもWQHDまでなら、ほぼ最大fpsが出ている。ただし、RTX 4060 TiのフルHDは消費電力がわずか41.9W。RT 7600は98.5Wなので50W差以上と、ワットパフォーマンスの強さがここでも発揮されている。
続いて、レイトレーシング対応しない軽量から中量級のゲームとして「レインボーシックス シージ」、「Apex Legends」、「オーバーウォッチ 2」を試してみよう。レインボーシックス シージはゲーム内のベンチマーク機能を実行、Apex Legendsはトレーニングモードの一定コースを移動した際のフレームレート、オーバーウォッチ 2はBotマッチを実行した際のフレームレートをそれぞれ「FrameView」で測定している。
レインボーシックス シージ
レインボーシックス シージ - 消費電力
Apex Legends
Apex Legends - 消費電力
オーバーウォッチ 2
オーバーウォッチ 2 - 消費電力
レインボーシックス シージ、Apex Legend、オーバーウォッチ 2ともの傾向はディアブロIVと同じだ。フレームレートとワットパフォーマンスではRTX 4060 Tiが上、コストパフォーマンス見るとRX 7600という関係だ。あとは、どこまでのフレームレートを求めるで選ぶGPUが決まると言ってよいだろう。Apex Legendsを240Hzなどの高リフレッシュレート液晶の性能を活かし切れる性能が欲しいとなればRTX 4060 Tiになり、144Hzのリフレッシュレート液晶と組み合わせるならRX 7600でも十分だ。
●レイトレーシング、FSR 2、DLSS 3対応タイトルで検証
レイトレーシング対応など重めのゲームを試す
まずは、DLSSやFSRといったアップスケーラーを備えておらず、レイトレーシングに対応したゲームとして「エルデンリング」を実行してみよう。リムグレイブ周辺の一定コースを移動した際のフレームレートを「FrameView」で測定した。
エルデンリング
エルデンリング - 消費電力
このゲームは最大60fpsだが、レイトレーシングを有効にするとさすがに描画負荷は重く、RTX 4060 TiのフルHDで平均56fpsとなんとか快適にプレイできるレベル。アップスケーラーを使わずレイトレーシングを描画させるのは、フルHDターゲットのGPUには少々厳しいと言える。その一方で、レイトレーシングをオフにすれば、最高画質設定でどちらのGPUでも平均60fpsに到達が可能だ。レイトレーシングさえ使わなければ、エルデンリングはWQHD解像度でも余裕で楽しめる。なお、このゲームでもRTX 4060 Tiの消費電力の少なさが目立つ。
続いて、アップスケーラーとして「FSR 2」だけに対応する「STAR WARS ジェダイ:サバイバー」を試そう。画質のプリセットは最上位のエピック、レイトレーシングは有効にし、FSR 2は品質に設定した。ゲーム開始直後のシーンを約60秒移動した際のフレームレートを「FrameView」で測定した。
STAR WARS ジェダイ:サバイバー
STAR WARS ジェダイ:サバイバー - 消費電力
アップスケーラーを使ってもレイトレーシングを有効にすると描画負荷は重い。それでも基本性能で上回るRTX 4060 TiはWQHDまで平均60fpsをクリア。RX 7600はフルHDで平均59fpsと十分プレイできるフレームレートだが、ギリギリ60fpsには届かなかった。
最後は、RTX 40シリーズの大きな強みである「DLSS 3」に対応するゲームを試そう。DLSS 3は従来のアップスケール機能(DLSS Super Resolution)に加えて、AIによるフレーム生成(DLSS Frame Generation)を加えて、よりフレームレートを高められるようになったもの。RTX 40シリーズだけで使える機能であり、RTX 30シリーズ以下はもちろん、Radeonシリーズも非対応だ(従来のDLSSもRadeonシリーズでは使えないが)。ちなみに、AMD開発のアップスケーラー「FSR」はGPUを問わずに使える。
ゲームは、「F1 22」、「Microsoft Flight Simulator」、「サイバーパンク2077」を用意した。これら3本はDLSS 3に加えて、FSRにも対応している。そのため、RTX 4070 TiはDLSS、RT 7600はFSRを有効にしてテストを行った。
F1 22は画質、レイトレーシングとも最高の「超高」に設定、ゲーム内のベンチマーク機能(バーレーン&晴天に設定)を実行中のフレームレート、Microsoft Flight Simulatorはアクティビティの着陸チャレンジから「シドニー」を選び、60秒フライトしたときのフレームレート、サイバーパンク2077はゲーム内のベンチマーク機能を実行中フレームレートをそれぞれ「FrameView」で測定している。
F1 22
F1 22 - 消費電力
Microsoft Flight Simulator
Microsoft Flight Simulator - 消費電力
サイバーパンク2077
サイバーパンク2077 - 消費電力
DLSS 3によるフレームレート向上の威力がよく分かる結果だ。Apex Legendsやオーバーウォッチ2では、RTX 4070 TiはRX 7600に対して約1.2倍程度フレームレートが上と圧倒的な差にはなっていない。しかし、フルHDで見るとF1 22では約1.5倍、Microsoft Flight Simulatorでは約1.9倍、サイバーパンク2077に至っては約2.8倍も上回るようになる。遊びたいゲームがDLSSに対応しているなら、RTX 4070 Tiを選んだ方がよいだろう。
性能と省電力のRTX 4060 Ti、コスパのRX 7600
RTX 4060 Tiの魅力はフルHDなら重量級のゲームも遊べるだけの基本性能があり、フレームレートを伸ばせるDLSS 3に対応し、低消費電力である点だろう。ただ、実売で6万円前後からとフルHDをターゲットにしたGPUと考えた場合、価格はどうしても高く感じてしまう。その一方で、RTX 4060 Tiよりも2割程度性能は落ちる(DLSS 3を除く)が、4万3,000円前後から導入できるRX 7600はコストパフォーマンスは良好だ。導入のハードルも低く、フルHD解像度ならサイバーパンク2077のレイトレーシング有効時のような強烈に描画負荷の高いゲームではない限り、快適にプレイできるパワーはある。一長一短があるだけに、今回のテスト結果が購入の参考になれば幸いだ。
NVIDIAとAMD、GPUの2大巨頭は2023年5月末、ほぼ同じタイミングでフルHD解像度でのゲームプレイをターゲットにしたミドルレンジGPUを投入した。NVIDIAは「GeForce RTX 4060 Ti」、AMDは「Radeon RX 7600」だ。そこで、今回は発売されたばかりのストリートファイター6やディアブロIVを含めた最新&人気ゲーム10本でベンチマークを実行。どちらが自分の目的にマッチしたGPUなのか参考になれば幸いだ。
スペックに共通点は多いが価格に差
まずは、スペックに軽く触れておこう。それぞれ詳しくは「「GeForce RTX 4060 Ti」(8GB版)の実力を徹底検証 - RTX 3070と同クラスで圧倒的な省電力!」、「「Radeon RX 7600」を試す - 価格/性能比が圧倒的? 2Kゲームなら最優GPU候補」で確認してほしい。
コア数に関してはアーキテクチャがそもそも異なるので比較には使えないが、メモリの容量やメモリバス幅、インタフェースは共通、カード電力はRTX 4060 Tiが160W、RX 7600が165Wとスペック上は近くなっている。
ただ、大きく異なるのは価格帯だ。RTX 4060 Tiは最安クラスで6万円前後、RX 7600は4万3,000円前後と1万7,000円前後も差がある。ベンチマークテストの結果は、この価格差も加味して見てほしい。
GeForce RTX 4060 Tiは最安値クラスで6万円前後。写真は国内では発売のない「GeForce RTX 4060 Ti Founders Edition」
Radeon RX 7600は最安値クラスで4万3,000円前後だ。写真はリファレンスモデル
下がGeForce RTX 4060 Ti Founders Edition、上がRadeon RX 7600リファレンスモデル
人気、最新ゲームを中心に10タイトルでテスト
ここからはさっそくベンチマークに移ろう。テスト環境は以下の通りだ。CPUのパワーリミットは無制限に設定。RTX 4060 Tiのドライバは「Game Ready 535.98」、RX 7600は「Adrenalin 23.5.1」を使用している。今回はビデオカードの消費電力を実測できるNVIDIAの専用キット「PCAT」を導入しているので、ゲーム系のベンチマークではカード単体の消費電力も合わせて掲載。消費電力の差にも注目してほしい。
また、どちらもフルHDでのゲームプレイをターゲットにしたGPUであるため、フレームレートの測定はフルHDとWQHDの2種類とし、4Kは除外した。
まずは、実ゲームの前に3D性能を測定する定番ベンチマークの「3DMark」での差を見てみよう。
3DMark
Fire StrikeではRTX 4060 Tiが約1.1倍、Time Spyが約1.2倍上程度と大きな差にはなっていないが、レイトレーシングが絡むPort Royalだと約1.47倍、Speed Wayで約1.63倍もスコアが上。Radeonシリーズのレイトレーシングでの弱さが出てしまっている。
次は、実際のゲームを試していこう。まずは、多くの人が気になるであろう最新ゲームから「ディアブロIV」と「ストリートファイター6」を用意した。ディアブロIVは、キヨヴァシャド周辺の一定コースを移動した際のフレームレート、ストリートファイター6」はCPU同士の対戦を実行した際のフレームレートをそれぞれ「FrameView」で測定している。
ディアブロIV
ディアブロIV - 消費電力
ストリートファイター6
ストリートファイター6 - 消費電力
ディアブロIVは最高画質設定のウルトラにしても、どちらのカードもWQHDまで快適なプレイの目安と言える平均60fps以上をクリア。このクラスのGPUで快適遊べるゲームと言ってよいだろう。消費電力で見るとRTX 4060 Tiのほうがフレームレートが上回りながら30Wも少ないと、ワットパフォーマンスでは圧勝している。しかし、1フレームあたりのかかるコスト(フルHD時)をRTX 4060 Tiは6万円、RX 7600は4万3,000円で計算すると違った側面が見えてくる。RTX 4060 Tiは1フレームあたり約365.8円、RX 7600は約346.7円とコストパフォーマンスではRX 7600のほうが優位だ。
ストリートファイター6は、120fpsまで設定できるが対戦時は最大60fpsまで。どちらのGPUもWQHDまでなら、ほぼ最大fpsが出ている。ただし、RTX 4060 TiのフルHDは消費電力がわずか41.9W。RT 7600は98.5Wなので50W差以上と、ワットパフォーマンスの強さがここでも発揮されている。
続いて、レイトレーシング対応しない軽量から中量級のゲームとして「レインボーシックス シージ」、「Apex Legends」、「オーバーウォッチ 2」を試してみよう。レインボーシックス シージはゲーム内のベンチマーク機能を実行、Apex Legendsはトレーニングモードの一定コースを移動した際のフレームレート、オーバーウォッチ 2はBotマッチを実行した際のフレームレートをそれぞれ「FrameView」で測定している。
レインボーシックス シージ
レインボーシックス シージ - 消費電力
Apex Legends
Apex Legends - 消費電力
オーバーウォッチ 2
オーバーウォッチ 2 - 消費電力
レインボーシックス シージ、Apex Legend、オーバーウォッチ 2ともの傾向はディアブロIVと同じだ。フレームレートとワットパフォーマンスではRTX 4060 Tiが上、コストパフォーマンス見るとRX 7600という関係だ。あとは、どこまでのフレームレートを求めるで選ぶGPUが決まると言ってよいだろう。Apex Legendsを240Hzなどの高リフレッシュレート液晶の性能を活かし切れる性能が欲しいとなればRTX 4060 Tiになり、144Hzのリフレッシュレート液晶と組み合わせるならRX 7600でも十分だ。
●レイトレーシング、FSR 2、DLSS 3対応タイトルで検証
レイトレーシング対応など重めのゲームを試す
まずは、DLSSやFSRといったアップスケーラーを備えておらず、レイトレーシングに対応したゲームとして「エルデンリング」を実行してみよう。リムグレイブ周辺の一定コースを移動した際のフレームレートを「FrameView」で測定した。
エルデンリング
エルデンリング - 消費電力
このゲームは最大60fpsだが、レイトレーシングを有効にするとさすがに描画負荷は重く、RTX 4060 TiのフルHDで平均56fpsとなんとか快適にプレイできるレベル。アップスケーラーを使わずレイトレーシングを描画させるのは、フルHDターゲットのGPUには少々厳しいと言える。その一方で、レイトレーシングをオフにすれば、最高画質設定でどちらのGPUでも平均60fpsに到達が可能だ。レイトレーシングさえ使わなければ、エルデンリングはWQHD解像度でも余裕で楽しめる。なお、このゲームでもRTX 4060 Tiの消費電力の少なさが目立つ。
続いて、アップスケーラーとして「FSR 2」だけに対応する「STAR WARS ジェダイ:サバイバー」を試そう。画質のプリセットは最上位のエピック、レイトレーシングは有効にし、FSR 2は品質に設定した。ゲーム開始直後のシーンを約60秒移動した際のフレームレートを「FrameView」で測定した。
STAR WARS ジェダイ:サバイバー
STAR WARS ジェダイ:サバイバー - 消費電力
アップスケーラーを使ってもレイトレーシングを有効にすると描画負荷は重い。それでも基本性能で上回るRTX 4060 TiはWQHDまで平均60fpsをクリア。RX 7600はフルHDで平均59fpsと十分プレイできるフレームレートだが、ギリギリ60fpsには届かなかった。
最後は、RTX 40シリーズの大きな強みである「DLSS 3」に対応するゲームを試そう。DLSS 3は従来のアップスケール機能(DLSS Super Resolution)に加えて、AIによるフレーム生成(DLSS Frame Generation)を加えて、よりフレームレートを高められるようになったもの。RTX 40シリーズだけで使える機能であり、RTX 30シリーズ以下はもちろん、Radeonシリーズも非対応だ(従来のDLSSもRadeonシリーズでは使えないが)。ちなみに、AMD開発のアップスケーラー「FSR」はGPUを問わずに使える。
ゲームは、「F1 22」、「Microsoft Flight Simulator」、「サイバーパンク2077」を用意した。これら3本はDLSS 3に加えて、FSRにも対応している。そのため、RTX 4070 TiはDLSS、RT 7600はFSRを有効にしてテストを行った。
F1 22は画質、レイトレーシングとも最高の「超高」に設定、ゲーム内のベンチマーク機能(バーレーン&晴天に設定)を実行中のフレームレート、Microsoft Flight Simulatorはアクティビティの着陸チャレンジから「シドニー」を選び、60秒フライトしたときのフレームレート、サイバーパンク2077はゲーム内のベンチマーク機能を実行中フレームレートをそれぞれ「FrameView」で測定している。
F1 22
F1 22 - 消費電力
Microsoft Flight Simulator
Microsoft Flight Simulator - 消費電力
サイバーパンク2077
サイバーパンク2077 - 消費電力
DLSS 3によるフレームレート向上の威力がよく分かる結果だ。Apex Legendsやオーバーウォッチ2では、RTX 4070 TiはRX 7600に対して約1.2倍程度フレームレートが上と圧倒的な差にはなっていない。しかし、フルHDで見るとF1 22では約1.5倍、Microsoft Flight Simulatorでは約1.9倍、サイバーパンク2077に至っては約2.8倍も上回るようになる。遊びたいゲームがDLSSに対応しているなら、RTX 4070 Tiを選んだ方がよいだろう。
性能と省電力のRTX 4060 Ti、コスパのRX 7600
RTX 4060 Tiの魅力はフルHDなら重量級のゲームも遊べるだけの基本性能があり、フレームレートを伸ばせるDLSS 3に対応し、低消費電力である点だろう。ただ、実売で6万円前後からとフルHDをターゲットにしたGPUと考えた場合、価格はどうしても高く感じてしまう。その一方で、RTX 4060 Tiよりも2割程度性能は落ちる(DLSS 3を除く)が、4万3,000円前後から導入できるRX 7600はコストパフォーマンスは良好だ。導入のハードルも低く、フルHD解像度ならサイバーパンク2077のレイトレーシング有効時のような強烈に描画負荷の高いゲームではない限り、快適にプレイできるパワーはある。一長一短があるだけに、今回のテスト結果が購入の参考になれば幸いだ。