複雑JCTより初見殺し? 高速道の「料金所分岐」なぜ存在 入るレーン間違えたらアウト!
高速道路の料金所は通過するだけで、その後に方面別の分岐がある……とは限りません。料金所レーンが方面や用途に分かれ、正しいレーンに入らないと目的を果たせないケースも。横並びのレーンから適切なレーンを選ぶ必要があります。
「どのレーンでもいいですよ」が普通なのに…
高速道路の料金所は複数のレーンが並んでいます。一般的には、ETCレーンか一般レーンかを見分ければ、どこを通ってもOKですが、それだけではない場合も。料金所レーンそのものが「分岐」になっているケースや、レーンが多機能化しているケースもあり、正しいレーンに入らないと目的を果たせないことがあります。ただでさえ迷う料金所のレーン選びが、さらに“初見殺し”なポイントを紹介します。
料金所にいろいろくっついた:第三京浜「保土ヶ谷料金所」(横浜市)
保土ヶ谷料金所。IC出口、PA、本線とレーンごとに3つの機能がある(画像:Google)。
第三京浜の横浜側にある下り線の本線料金所です。手前で本線が大きく拡がり11レーンが現れますが、複数の用途に使われています。
左2レーンは「羽沢IC出口」の専用レーンで、事前にカラー舗装や道路資材で分岐がつくられています。その右側は、併設されている保土ヶ谷PAへの入口を想定したもの。より右側のレーンからもPAに向かえるとはいえ、料金所直後を急角度で斜め横断していくことになるため危険です。
保土ヶ谷PAは当初から併設されていましたが、その規模は現在よりも小さく、より奥まった位置にありました。また羽沢IC出口の開設は2011年のこと。比較的広い用地を活用してPAの拡張やIC出口を整備した結果、レーンの位置ごとに機能が分けられていった形です。
さらに、本線料金所やPAの出口を出るとすぐに、横浜新道への連絡路が左から分岐します。特にPAから出て戸塚方面に行く際は、うっかり右側車線に行ってしまうと、途端に分岐が難しくなるので注意が必要です。
高架下の見えにくい料金所がさらに“初見殺し”
要注意な料金所は他にもあります。
料金所を出てからの分岐は難しい?:阪神高速3号神戸線「京橋入口」
神戸の中心地に近い一般道から阪神高速への入口です。特に気を付けなければならないのが、京町筋から高速へ向かう場合で、交差点を左折してすぐ入口料金所なのですが、京橋PAの人工地盤直下にあるため暗く、その存在が見通しにくいです。そのような環境下で、左2レーンが姫路方面、右2レーンが大阪方面に分かれて配置されているので、事前に看板で方面を把握し、的確にどちらかへ移動しておく必要があります。
ここは用地の関係で、料金所からのランプを本線に這うように付けざるを得ず、ゆえに“料金所を出てからの分岐”にするのが難しいことがわかります。
2023年5〜6月に3週間の通行止めをともなって行われた神戸線のリフレッシュ工事にて、この京橋入口の事前の案内看板が新しいものに置き換えられました。「左折したら入口」だけでなく、「左折後に姫路方面と大阪方面で進路が分かれる」ことが直感的に把握できるデザインになっています。
リニューアルされた京橋入口の案内看板(画像:阪神高速道路)。
別の自動車道が接続:九州道「門司IC」(北九州市)
高速道路に別の自動車道が接続する場合、必ずしもJCT構造になるとは限りません。ICをいったん下り、料金所を介して接続するケースがあります。
門司ICは一般道のほか、北九州の都市高速4号線の小倉方面へ向かう連絡路が接続しています。九州道の小倉方面から来ると、ここが九州内最後のIC出口となり、門司港レトロ地区などへ向かう場合もここで下ります(門司港ICは上り入口、下り出口のみ)。
料金所は小さな谷間のような場所に造られており、九州道上り本線からランプを下りるとすぐ現れます。8レーンのうち左4レーンが一般道出口、右4レーンは都市高速用です。事前に道路資材などで分岐を付けるにはスペースが足りないためか、屋根上の看板などで瞬時に入るレーンを判断しなければなりません。現在は一般道出口のレーンを青、都市高速のレーンを赤のカラー舗装で事前に目立たせているものの、夜間は見えづらくなるので注意が必要です。
間違って都市高速用に入ってしまうと、長いトンネルを経て都市高速4号線の大里出口まで5km近く下りられません。せっかく小倉方面から来たのに、九州道と並行する都市高速で小倉方面へ戻ることになってしまううえ、普通車で520円(現金の場合)の料金がかかります。