ニチレイレディスに出場した安田祐香【写真:Getty Images】

写真拡大

今季トップ10入り3度、既に昨季超え

 女子ゴルフの国内ツアー・ニチレイレディス最終日が18日、千葉・袖ヶ浦CC新袖C(6621ヤード、パー72)で行われた。27位から出た安田祐香(NEC)は4バーディー、ボギーなしの68で回り、14位に浮上して大会を終えた。今季は4月のフジサンケイレディスで2位に入るなど、昨季を超えるトップ10入り3度を既にマーク。実力者が揃う2000年度生まれの“プラチナ世代”で、アマチュア時代から「逸材」と期待された存在。初優勝を目指す22歳に、昨季までとの違いと手応えを聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・宮内宏哉)

 ◇ ◇ ◇

 最終日はノーボギーだった。「バンカーに入ってもいい感じにパーセーブできた」と話したように、パットが冴えてスコアを4つ伸ばした安田。「後半、最後の方は耐える感じでしたけど、うまくまとめられた」と納得の18ホールだった。

 これで3週前のリゾートトラストレディス最終日から、10ラウンド連続アンダーで回れている。「内容があんまりでも、最近はスコアメイク出来ている。そこが一番大事かなと。もう少し爆発的なものを出すには、ショットもパットも良くないといけない」。課題と収穫の両方を掴んでいる。

 安田は兵庫・滝川二高2年だった17年6月の日本女子アマ選手権で初優勝。19年4月のアジア太平洋女子アマで日本人初優勝を果たすと、日本人アマ初のエビアン選手権と全英女子オープンの海外メジャー切符2枚をゲット。エビアン選手権は37位で日本女子26年ぶり4人目となる海外メジャーのベストアマを獲得した。

 アマチュア時代の輝かしい実績もあり、古江彩佳、西村優菜、吉田優利ら実力者の揃う“プラチナ世代”の中で最も注目された逸材。プロ転向後は首痛に苦しんだこともあり、ツアー優勝は同期に先を越されてきた。

「首はずっと怖いし、痛い時もある」。そんな中でも今季休んだのは1試合のみ。昨季のメルセデス・ランキング(MR)53位で前半戦出場権を得ていたが、前半戦を終えてリランキング5位。MRも現在27位とシード権獲得圏内にいる。

 タフな連戦を戦い抜く過酷さは、昨年までで思い知った。昨年7月の楽天スーパーレディースでは、2日目2位につけながら熱中症で棄権。体力も必要だが、様々なセッティングに順応しないといけない。「自分が思った以上に(体力面も精神面も)両方疲れる」。今季はツアー中も地元・兵庫に戻ってトレーニングとケアを毎週欠かさず行えており、体づくりの面では「ちょっとだけ成長していると思います」と笑った。

デビュー4年目、自身の現在地は「追求していけている状態」

 2020年のプロデビューから4年目。ファンの人気も高く、優勝を期待される存在だ。そんな安田は自身の現在地について「そうですね……」とちょっとだけ考えて、こう話した。

「波に乗れれば行けると思う。最近はいいプレーも増えてきて、それをどうしたらもっと山下(美夢有)さんみたいに爆発的なスコアが出せるか、追求していけている状態。自信はあるけれど、ショットが散ったりしたら不満が大きくなる。でもそれがあるから、課題を見つけて練習ができる。いい試合ができていると思います」

 ツアー初優勝ももちろん目標の一つだが、目指したいのは毎試合安定して上位に顔を出す選手。「体の状態がいいと、ずっと試合に出続けてしまう傾向がある。もう少しポイントに余裕ができたら休む週も作りたい」。余裕を持って秋を迎えられるのがベストだ。

 今季の状態は悪くないが、まだまだショットとパットがかみ合う試合はない。次戦は22日開幕のアース・モンダミンカップ(千葉・カメリアヒルズCC)。ラフが長く、体がいつも「やられている」印象のあるコースだ。「気を付けてやらないといけないですね。今日のように、フェアウェーに乗せていければ」。これまでと違った手応えもある中で、成績に繋げていけるか注目だ。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)