エクアドルのロス・リオス県ビンセス上空を飛んでいた農業機の機内。フロントガラスに巨大な鳥が突っ込み、パイロットの目の前にぶら下がっている(画像は『AeroTime 2023年6月15日付「Pilot left covered in blood after large bird crashes through windshield: video」(Twitter)』のスクリーンショット)

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エクアドルのロス・リオス県ビンセス上空で最近、小型機のフロントガラスに巨大な鳥が衝突した。パイロットの男性は単独で農薬散布をしており、機内の様子を撮影した生々しい動画がTwitterに投稿され話題となっている。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。

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航空ニュースを集めたアカウント名「FL360aero」や「Breaking Aviation News & Videos」などのTwitterに日本時間15日、“バードストライク”を受けた小型機内の映像が投稿され注目を集めている。

小型機(農薬機)を操縦していたのはアリエル・バリエンテさん(Ariel Valiente)で、動画ではまず、フロントガラスを突き破ってぶらさがる鳥の脚、黒い羽毛、操縦桿を握るアリエルさんの血だらけの手などが映し出される。

するとカメラはその後、半ば放心状態にあるアリエルさんにズームインした。顔中血だらけで、血しぶきが操縦席の後ろにまで飛び散るも、冷静に操縦を続けているのが分かる。

小型機に衝突した鳥は衝撃のショックで数分後には息絶えてしまったようだが、アリエルさんは風の吹き込みを受けながらも無事に着陸し、怪我もなかったということだ。

なおこの動画には、「鳥はかわいそうだけど、パイロットの冷静さが素晴らしい」「よくカメラを回す余裕があったものだ」「まるでホラー映画だね」「あれよりも大きな鳥だったら、パイロットの命が危なかったかも」「農薬を散布していたなら低空飛行をしていたはず。無事でよかった」「フライトスクールで最初に学ぶ基本(優先順位)は、機体をコントロールし(Aviate)、目的地に向かって進み(Navigate)、管制(航空無線を含む)通信を行うこと(Communicate)。基本の訓練の大切さが分かる動画だよ」「これはトラウマになりそう」といったコメントが寄せられている。

ちなみにこの鳥の種についての特定はできていないが、動画を見た人は翼を広げると3メートルになる「アンデスコンドル」ではないかと推測している。

オンライン版『ナショナルジオグラフィック』によると、アンデスコンドルは空を飛ぶ鳥類では最大で、大きいものは体重15キロにもなるという。上昇気流を捉えて舞い上がり、風に乗ることで飛び続けるため、風が強い地域を好み、アンデスの山岳地帯や海風が強い海岸付近、強い熱気流が特徴の砂漠などに生息するそうだ。

画像は『AeroTime 2023年6月15日付「Pilot left covered in blood after large bird crashes through windshield: video」(Twitter)』『Breaking Aviation News & Videos 2023年6月15日付Twitter「Pilot safely lands his plane after a huge bird struck his windshield in the Los Ríos Province, Ecuador.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)