エスカレーターが、屋根もない屋外に設置されていることがあります。電気製品なのに雨でずぶ濡れになって、故障したりしないのでしょうか。

素朴な疑問、その答えは

 エスカレーターが、屋根もない屋外に設置されていることがあります。電気製品なのに雨でずぶ濡れになって、故障したりしないのでしょうか。


北千住駅西口にある、屋外のエスカレーター(乗りものニュース編集部撮影)。

 エスカレーターの製造メーカーは「そもそもエスカレーターの内部にはそこまで電気機械が詰まっているわけではありません」と話します。

 一般社団法人 日本エレベーター協会の説明では、エスカレーターの駆動方式は上部駆動と中間駆動の2種類に大別され、「上部駆動」は階段の最上部の下に駆動機があり、各ステップをつないだ金属チェーンを回して動かしているとしています。

 つまり単純に言えば、水が入って壊れそうな電気機械として、この駆動機さえ漏水から守ればOKというわけです。

「電気系統は密閉性の高いボックスに入っており、さらに防水コネクターや防滴カバーなどでモーターを守っています。また、水分に晒される環境でのサビに対して、ステンレス部品を採用するほか、防錆メッキなどの特別な対策をとっています。チェーンのサビ対策としてはオイルを塗っていますが、屋外のものは通常のエスカレーターよりその頻度を高くしています。

 また、万一の漏水などが発生した場合にそなえ、感電防止に漏電ブレーカーを設置しています」(同メーカー)。

 とはいえ、なるべく水に濡れないに越したことはありません。屋外エスカレーターでは特に、排水溝やスロープなどで水はけを良くし、可能であればひさしや屋根があるほうがベターだと言います。

 それでも、思わぬ弱点に見舞われることもあります。北千住駅西口のペデストリアンデッキには屋外エスカレーターが数基ありますが、6月2日に大雨が襲い、このエスカレーター1基が一週間程度の停止に追い込まれました。足立区によると原因は「路面の下にある制御盤が冠水した」とのこと。エスカレーターそのものが水に強くても、それを動かすための肝心の部分がやられてしまったというわけです。