5月27日、静岡県沼津市の海岸で焼かれた女児の遺体が発見された事件で、遺体は当日の午前4時ごろから焼かれた可能性があることがわかり、警察は現場で聞き込みをするなどして、事件の手がかりを探しています。

27日朝、沼津市本千本の千本浜海岸で乳児の遺体が発見された事件。

<中西結香記者>

「遺体があった現場です。小石や砂利が広がっていて、中には焼け焦げた石も落ちています」

見つかった遺体は、生後数日とみられる女児で、捜査関係者によりますと一部が炭化していて、数時間焼かれたものと見られています。

現場は人気の釣りスポット。休日は未明から多くの釣り人が集まる場所。実は普段からたき火をする人もいて、海岸で煙が上がっていても、不自然ではないと捜査関係者は話します。

<周辺住民>

「『朝の4時ごろは起きていましたか』とか聞かれました。『釣り人がいつもいるか』とか『近くで妊娠した人がいるか』とか、結構細かく聞かれました」

警察が気にしているのは犯行に至った時間です。遺体や現場の状況から、犯人は午前4時頃に火をつけた疑いが浮上しているのです。きょう29日の午前4時の千本浜海岸に行ってみると…

<中西結香記者>

「午前4時の千本浜海岸です。堤防には少し街灯がありますが、あたりは薄暗く人通りはまったくありません」

現場周辺には、防犯カメラがない上に、人通りも少ないため、薄暗い中では、誰が何をやっているのかわかりづらい状況です。いったい、なぜこのような凄惨な犯行に至ったのか。社会福祉の専門家は次のように推察します。

<明治大学 岡部卓教授>

「妊娠への理解が得られない、理解が得られても経済的な環境が整っていなければ、証拠隠滅を図るために燃やすという行為に走る人がいることも考えられる」

現場の千本浜海岸は、小石や砂利が多く、足跡がつきにくいため、犯人の手がかりを探すのに難航しているといいます。警察は死体遺棄事件として捜査していて、乳児の身元の特定を急ぐとともに、親に繋がる手掛かりがないか、調べを続けています。