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 日本の探偵小説の先駆者と称される江戸川乱歩が大正時代に著した『屋根裏の散歩者』というミステリー小説がある。男が知人の屋根裏で犯罪を企てる話なのだが、乱歩も真っ青になりそうな、女性の屋根裏で男性が行ったおぞましい犯行が発覚したーー。

【写真】犯行内容とのギャップに驚かされる容疑者の“よきパパ”な一面

 埼玉県警西入間署は4月26日、茨城県古河市の無職・針谷啓太容疑者(43)を建造物損壊の疑いで逮捕した。去年4月1日から今年3月14日までの間、埼玉県入間郡毛呂山町のアパートで、屋根裏部分の隔壁の石膏ボードを工具類で破るなどして、他人の建造物を損壊したというものだった。

 だが、容疑者は3月15日、同アパートへの住居侵入とそこに住む20代女子大生への準強制わいせつの疑いですでに逮捕されていたのだ。

「今年3月14日午後5時半ごろ、毛呂山町のアパートに、無施錠だった玄関から侵入。寝ていた20代の女子大生の身体を触るなどしていた。すでに送検され、起訴されている」(全国紙社会部記者)

女子大生の部屋を1年近くのぞいていた!

 一体どういうことなのか。実は容疑者の家族が被害女性の隣の部屋に住んでいたのだ。

「容疑者は家族が住む部屋の合鍵を持っていたため、自由に出入りができた。そこで家族が留守中に屋根裏へ上って、隣の部屋との仕切りを破壊し、工具を使って女子大生が住む部屋の天井に2ミリ大の穴を2つ開けていたのだ。

 そこからときどき容疑者自身がのぞいたり、粘着テープで固定した小型カメラで盗撮したりしていた」(同・社会部記者)

 警察の取り調べに対して針谷容疑者は、

「家族から隣にかわいい子がいると聞いて、性欲を満たすためにやった。半年前から準備していた」

 などと容疑を認めている。

 変態としか言いようのない犯行を行った針谷容疑者とは、どんな人物なのか。

 茨城県古河市で生まれ育ち、同市にある県立高校商業科に通っていた容疑者。同学校の同級生は、こう話す。

「特に何かで目立つようなやつではなかったですね。部活は野球部に入っていた。卒業後は、地元の土木建築会社に就職しましたが、高卒ではあまり出世できないし、給料も高くないとかで、割とすぐに辞めたと聞きました。でも、まさか、あんなことやるやつではないと思っていましたけど……」

 20代前半で自動車関連会社に転職。ちょうどその頃、容疑者は結婚し、3人の娘に恵まれた。12年ほど前には、同市内に庭付き一戸建て住宅を購入。

「夫婦で働いていて、忙しそうだから、近所づきあいはないですね。特にご主人は“東京まで通っている”と言っていましたから、そりゃ大変ですよ。今年、1回、見たかどうか程度」(近所の住民)

庭先でバーベキュー…いい父親の一面も

 町内会には入っていて、5、6年前に容疑者が当番で1年間、町内会長を務めたようだ。

「年に4回の集会で会っただけですが、とても明るく社交的で、よく喋るかたでしたよ。奥さんも明るいかただった」(同・住民)

 別の近所の住民は、“子どもには優しい父親だった”と語る。

「夏には家族揃って、ときどき庭先でバーベキューをやっていました。とても仲のいい家族だし、いい父親だなと思って見ていました」

 とはいえ、この父親が事件の容疑者になったことは疑いもなく事実。容疑者の長女は20歳前後、次女は高校生、三女は小学生だという。

「娘さんたちは辛いんじゃないかな。長女は被害女性と同年代だからショックも大きいはず。家のローンだってまだ残っていると思うし、残された家族はどうやって生きていくのか……」(近所の主婦)

 とはいえ、一番苦しんでいるのは被害者だ。わいせつな行為はむろん、1年近く盗撮されていたことを知った被害女性の精神的ダメージは計り知れない。

 被害者の一刻も早い回復と、容疑者の謝罪、償いを待ちたい。