ここ数年、文房具界隈で盛り上がりを見せているガラスペン。人気作家さんのペンは、数か月の予約待ちとなったり、文房具イベントでは来場者が真っ先にガラスペン販売ブースへ直行したりと、まだまだ熱気は収まる気配がありません。人気すぎて、なかなか手に入らないガラスペンですが、もし店頭などで出合うことができたら、チャンスは逃したくない! せっかくなら、見るだけでなく「愛用」したい! そんなガラスペンの選び方をご紹介します。

お気に入りを見つけるために!ガラスペンの選び方3つ

毎日書きたくなる、ずっと使いたくなるガラスペンの選び方3つのコツをご文具コンシェルジュの佐久間和子さんに教わりました。

●セレクトポイント1/ペン先のタイプで選ぶ

ガラスペンはペン先に細い溝が作られており、インクにつけると毛細管現象によりインクが吸い上げられてインクを保持し、筆記が可能になります。溝の形は大きく分けて3種類あります。基本的には、溝が長くなれば、インクの保持量は多くなりますが、じつはかなり個体差があります。できれば試筆して、1回のインク保持でどのくらい書けるのか試してみましょう。

また、ガラスペンはペン先のデザインもじつに個性豊か。作家性が現われるポイントでもあります。美しさで選ぶ楽しみは、ガラスペンの大きな喜びですが、それだけでは使わなくなってしまうことも。自分の手書きの癖とマッチしているのか、実用性もしっかり確認して選びましょう。

・(写真左)溝が真っ直ぐのタイプ/小玉ねぎ型

ペン先が小さく、取り回しがしやすいタイプ。ストレートで小さめのペン先ではあるが、筆記距離に問題はない。

・(写真真ん中)溝がツイストのタイプ/ストレート型

先端が細く長くなっているが、無理に力を入れない限り折れることはほとんどない。ペン先がスッキリと見える。

・(写真右)溝がねじれたタイプ/玉ねぎ型

ペン先が大きく、溝が螺旋状になっている。インクをたくさん含むことができるので、筆記距離が長い。

●セレクトポイント2/デザインで選ぶ

ガラスペンの最大の魅力は、美しいデザインにあります。まずは見た目から、というのは、ガラスペンではむしろ楽しみの1つだと思いますが、たくさん普段使いしたいのであれば、実用性や自分の筆記癖に合うかも大切です。

まずは、実際にガラスペンが45〜60度くらいの傾斜になるように持ってみましょう。軸の太さ、ペンの重さ、ペン先が紙に当たったときのバランスは、そのまま書きやすさに直結します。

 グリップ部分に装飾がある場合は、特に持ちやすいかどうかのチェックは欠かせない。

ガラスペンは、当然だが落とすと割れてしまう。よく使うのであれば、転がり防止デザインがあるものもおすすめ。

●セレクトポイント3/筆記線の太さを確認する

購入するお店にもよりますが、試筆しての購入をおすすめします。特にペン先の細さ、形状によって、書ける筆記線の太さが大きく変わります。これは、見た目で判断するのはかなり難しいものです。自分が書きたい太さのガラスペンなのか、しっかり確認しましょう。

ガラスペンは、ペン先を少しずつ回転させながら書くと、すべての溝を活用してたくさん書ける。その取り回しの良さも必ず確認しよう。

現在発売中の『文房具屋さん大賞2023』(扶桑社刊)でもガラスペンの選び方を紹介しています。新生活、新しい文房具とともにスタートをきりたいですね。