フランス料理のシェフから家政婦に転身し、気軽でおいしい家庭料理レシピが大人気のタサン志麻さん。

そんな志麻さんのレシピには、いつもの料理が簡単においしくなる工夫が満載! 今回のレッスンテーマは「から揚げ」です。

「から揚げ」は揚げ焼きにすれば、少ない油でおいしくできる

「揚げ物というと、つい条件反射で敬遠しがち。その理由を聞いてみると、『油の処理が大変そう』『油をたくさん使うのがもったいない」など、おもに“油の量”であることが多いようです。その問題はすべて、“揚げ焼き”が解決。私の場合、たいていの揚げ物はソテーと同じ程度で済ませます。衣に油がまんべんなく当たってさえいれば、おいしそうな揚げ色がちゃんとつくので大丈夫」

みんな大好きな「から揚げ」をおいしくつくるポイントを、志麻さんに教えてもらいました。

 

<ポイント1>しっとりやわらかの秘密は、下味のマヨネーズにあり

下味にマヨネーズを入れると、しっとりやわらかな仕上がりに。さらに、下味の塩は0.8%ぐらいでOK。から揚げは衣で塩分が外に流れ出にくいので、1%まで高くなくても大丈夫です。

<ポイント2>衣はミックスがおすすめ

衣は、小麦粉だけだともったり、片栗粉だけだと肉がパサつく感じに。2つを合わせることで、ほどよく衣の表面がカリッと揚がります。

<ポイント3>衣が色づくまで触らない!

さらに大事なのは、揚げ物はとにかく衣が色づくまで触らないこと。おいしくきれいに揚げる鉄則です。いじるたびに油の温度が不安定になり、何回も低温になることでべちゃっとして、焼き色もうまくつかないのです。

 

<ポイント4>揚げ焼き初心者はコールドスタートがおすすめ

“外側は焦げるほど色づいているのに、中心は生”なんて失敗を防ぐためにおすすめなのが、油が冷たい状態から揚げ始める、コールドスタート。この場合も、油は少なめで大丈夫。弱火でじわじわと火をとおしていけば、表面が焦げつく前に、ちゃんと中心まで火がとおります。

弱火だと揚げ上がりがべちゃっとなりそうなイメージですが、取り出す前にフライパンを傾けて強火にし、1個ずつ“二度揚げ”状態にすればカリッと仕上がりますよ。

●スパイシーから揚げ

【材料(4人分)】

鶏モモ肉 2枚
塩 適量(鶏肉の重量の0.8%)
コショウ 少し
カレー粉 小さじ1/2
ニンニク(すりおろす) 1かけ
マヨネーズ 大さじ2
小麦粉、片栗粉 各大さじ3
揚げ油 適量
ベビーリーフ、レモン(くし形切り) 各適

【つくり方】

(1) 鶏肉は大きめのひと口大に切り、ボウルに入れる。塩、コショウ、カレー粉を加え、下味をつける。さらにニンニクとマヨネーズを加えて混ぜ、15分ほどおく。

(2) 小麦粉と片栗粉を混ぜ合わせる。

(3) フライパンの底面にまんべんなく広がる程度の油(約0.5cm深さ)を入れ、(1)に1つずつ(2)をまぶしてぎっしりと並べる。中火にかけ、パチパチと音がし始めたら弱火にし、片面に焼き色がつくまでじっくりと揚げ焼きにする。上下を返し、両面焼き色がつくまで火をとおす。

(4) フライパンを傾けて強火にし、1つずつ側面もつかるようにして、油の中でカリッと仕上げてから取り出す。器に盛り、ベビーリーフとレモンを添える。

 

おかずをつくりおきする際は、清潔な保存容器に入れて保存してください。保存状態によっては傷みやすくなることもあるので、保存期間内であっても早めに食べるようにしましょう

各レシピに表記されているカロリーは、とくに指定がない限りすべて1人分です

計量単位は1カップ=200ml、大さじ1=15ml、小さじ1=5ml、1合=180mlです

『志麻さんのベストレシピ 料理のきほん編』では、「これだけは覚えておいてほしい」という志麻流“おいしい”をつくる20のルールを紹介しています。

また、現在発売中の『à table SHIMA vol.04 春号』(扶桑社刊)では、タサン家のデイリーごはんレシピをたっぷり掲載。定番料理やフランス人も大好きなジャガイモレシピ、新タマネギやアスパラを使った春レシピなど、楽しい特集が盛りだくさんです。