ルート決定「熊本空港アクセス鉄道」肥後大津駅から分岐に 決定打は「JR直通」
近いうちに、熊本市街へ空港から1本で行けるようになります。
JRと確認書取り交わし
熊本県は2023年3月20日(月)、阿蘇くまもと空港へ直結するアクセス鉄道を検討する「第6回空港アクセス検討委員会」を実施しました。
その中で、JR豊肥本線から分岐するルートについて、3案の中から「肥後大津駅で分岐」というルートの方針に決定したとしています。
熊本駅を発着するJR豊肥本線(画像:写真AC)。
熊本空港への公共交通アクセスは、現在はリムジンバスか、ワゴンによるJR肥後大津駅までの輸送サービスしかなく、定時性をはじめ利便性が課題となっていました。
空港直結のアクセス鉄道については、2019年に県が基本事項についてJR九州から同意をとりつけ、検討が進められてきました。
ルートは最終的に、三里木駅、原水駅、肥後大津駅からそれぞれ分岐する案にまとめられ、工業団地「セミコンテクノパーク」や運動公園など沿線需要も加味して費用便益を比較。昨年11月初頭の委員会で「肥後大津駅ルート」へ流れが傾いていました。
肥後大津ルートが優勢になった大きな理由が、JR豊肥本線との直通が可能であるということ。JR九州の中野熊本支社長も当時「鉄道事業者として、一般論としては肥後大津ルートが素直と感じている」と発言しており、蒲島知事も「『肥後大津ルートに将来の発展性』を感じている」としていました。
そして11月29日に肥後大津ルートに関する確認書がJR九州と県で取り交わされ、正式決定となりました。熊本県議会の12月定例会でも「熊本県議会における空港アクセス鉄道整備の早期実現に関する決議」が行われ、県として一致して国へ働きかけていくこととなったのです。
今後は県として、都市計画決定、環境アセスメントの手続きを進めていき、国の事業化を待つこととなります。
熊本空港アクセス鉄道は、当初の検討用想定では、1日49本の運行で2034年度開業、単線で建設される形になっています。