WBC決勝、トラウトを三振に仕留めガッツポーズする大谷翔平と中村悠平【写真:Getty Images】

写真拡大

侍ジャパンが3度目世界一

 野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は21日(日本時間22日)、米マイアミのローンデポ・パークで決勝が行われ、日本が前回王者・米国を3-2で下し、14年ぶり3度目の優勝を果たした1点リードの最終回、大谷翔平投手がDH解除で守護神として登板。2死からエンゼルスの同僚スター、マイク・トラウト外野手を空振り三振に仕留めた。誰より間近に目撃した中村悠平捕手は「スローモーションのように。気付いたらミットに入っていた」と歴史的瞬間を回顧した。

 1点リードの9回2死走者なし。あと一人で世界一の痺れる場面。フルカウントからの勝負の一球に備えて腰を下ろした中村は、マスク越しに見る景色が信じられなかった。

「バッターにトラウトがいて、ピッチャーに翔平がいて。バックにはローンデポ・パークの景色があって。『これ…異様な雰囲気だな…』と凄く思った」

 最後は外角スライダーで空振り三振。感覚的には「スローモーションのように。気付いたらミットに(球が)入っていた」と感慨深く回顧した。

 8回、シュワーバーにソロを浴びて1点差。9回の守備に向かう際、中村は浮足立っていた。しかし、マウンドでサインの打ち合わせをした大谷の冷静さに救われた。「めちゃくちゃ落ち着いてましたよ。口調が凄く落ち着いていた」。二刀流の凄さを、メンタル面でも実感した瞬間だった。

 大音量のUSAコールが鳴り響く中、プレッシャーに打ち勝った証の3度目の世界一。歓喜の瞬間は「ショウヘイ!」と抱き着いた。「(大谷が)最初にベンチの方見たので、(抱きつくのは)俺じゃねえのかと思いました(笑)。かけがえのない1試合になりましたし、野球人生にとって本当に大きな財産になる」。栗山監督の言葉「命を懸けてでも世界一を取りに行くんだ」を胸に戦った日々を、一生忘れない。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)