高速安いけど「料金所渋滞」が滅んでいない地域です。

沖縄の高速料金「特別割引」延長へ

 NEXCO西日本は2023年3月13日(月)、沖縄道で実施している「特別割引」を2024年3月末まで、1年延長すると発表しました。


沖縄道の特別割引に変化が訪れる可能性が出てきた。写真は那覇IC(画像:写真AC)。

 沖縄道では、全線・全車種で35.5%の特別割引が適用されています。政府の沖縄緊急経済対策として1999(平成11)年に導入された「沖縄特別割」を発端として続いているもので、鉄軌道のなかった沖縄本島における一般道の混雑緩和を目的があります。県によると「ゆいレール」開業後も混雑が解決されないことから、継続しているといいます。

 北部の石川IC〜許田ICではさらに、キロあたりの料金も全国の普通区間より若干安く設定されており、那覇IC〜許田IC間57.3kmの全線を走行した場合、普通車で1040円となっています。さらに、ETCの深夜割引30%や、事業用車に適用される最大50%の大口・多頻度割引、ETCマイレージサービスによるキャッシュバックがなされる平日朝夕割引も適用され(休日割引は適用除外)、沖縄の高速道路料金は全国と比べても大幅に安いものとなっています。

 ただ今回、NEXCO西日本は2024年4月以降の特別割引について未定としつつも、「割引を設定する場合は、ETC車のみを対象とする」方針とアナウンスしています。非ETC車は35.5%もの割引を受けられない可能性が出てきました。

 沖縄ではETCの普及率が低いことが課題となっています。NEXCO西日本管内の普及率は平均で約92%ですが、沖縄道では約66%と、26ポイントも低い水準にとどまっているとのこと。

 このため、料金所に起因する渋滞が、2019年には140件発生。ランプなどでの追突事故も全国平均の約2.7倍だそうです。なお、他地域ではETCの普及とともに、いわゆる「料金所渋滞」は主たる渋滞の原因ではなくなっています。

 NEXCO西日本はまた、ETC利用促進の取り組みについても引き続き検討するとしています。国も高速道路のETC専用化を打ち出すなか、沖縄についても特別割引のETC限定化がひとつの画期になるかもしれません。