「背中にスペアタイヤ」ついていてこそ四駆? なぜSUVから消えたのか なぜ背面だったか
復活販売が噂されている1980年代の「ランドクルーザー」70系。前回再販された際も、背面にスペアタイヤを備えた四駆の王道スタイルが再現されていました。今やその背面のスペアタイヤを備えた車種も激減しています。
ランクル70復活の噂 王道スタイルはそのまま?
トヨタ「ランドクルーザー」のなかでも1984年に登場した70系。海外ではいまも販売されており、2014年には30周年を記念して国内で復活販売されましたが、2023年現在、再度の復活が噂されています。
背面にスペアタイヤがついたランドクルーザー70系。復活販売が噂されている(画像:トヨタ)。
前回復活した際には、カクカクしたボディに観音開きのリアドア、それにスペアタイヤが取り付けられた、四駆の王道とも言うべきスタイルがそのままに再現され、ファンを沸かせました。
この背面のスペアタイヤ、かつては確かに、いわゆるRV車のアイコンともいえる存在でした。悪路走行を想定したランクルや三菱「パジェロ」などだけでなく、オンロード向きであるトヨタ「RAV4」や、ステーションワゴンである日産「ラシーン」、スバルの「インプレッサ グラベル」なども背面にスペアタイヤを取り付けていました。
背面のスペアタイヤは、「ジープ」などにルーツをもつスタイルです。荷物を積み、道なき道をゆくような使用を想定した場合、スペアタイヤを容易に取りだし、なおかつ日常点検もしやすいことなどから、背面にむき出しで取り付けることにメリットがありました。
しかし、2021年に廃止されたパジェロは最後まで背面スペアタイヤが設定されていたものの、ランクルの背面スペアタイヤは100系(1998〜2007)の後期で廃止。いまでは床下に格納されています。
背面にスペアタイヤを取り付けるには、それに耐えるボディやリアゲートの強化が必要になります。タイヤ自体の重量もあり、現在はSUV全盛とはいえ、多くの車種でスペアタイヤ自体も廃止されています。
日本車で背面スペアタイヤを設定しているのは、いまやスズキ「ジムニー」のみ。様々なタイヤカバーなどのアクセサリーもあり、ユーザーが思い思いのドレスアップを楽しんでいるようです。だからこそ、四駆の王道的なスタイルを持つランクル70系が、今なお魅力的に映るのかもしれません。