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声優アーティスト・青山吉能が、ソロとしては初のCD作品となる1stアルバム『la valigia(読み:ラ ヴァリージャ)』を、3月8日にリリース。ヒグチアイが作詞・作曲を手がけた、青山の内面をそのまま描き切ったかのようなミドルナンバー「透明人間」をはじめとする新曲7曲に、これまで配信シングルとして発表してきた3曲を加えた計10曲を収録。さらにパッケージ版には、2021年12月に自主企画として開催した初のワンマンライブで披露された「たび」も収められた。多種多彩な楽曲を歌うなかで、青山の心はどう動き、どんな挑戦を経てこの1枚を作り上げたのか――その裏側に迫る。

INTERVIW & TEXT BY 須永兼次

たくさんの出会いや挑戦を通じて、青山が本作で得たものとは



――ソロデビューから早1年。『la valigia』は非常に充実した1枚となりましたが、制作自体はいつ頃から動きだしたんでしょう?

青山吉能 これが実は、これまでの配信シングルのときと同じく結構ギリギリで……完成した今だから言えるのですが、制作途中で「あれ?3月に出すって聞いていたけど、延びたのかな?」と思ったくらいでした。

――そんなにですか(笑)。

青山 このアルバムの発売日の“3月8日”という日付は、世の中の99.9999パーセントの人にとってはただの“3月8日”ですけど、私と私が大事に思っている人たちにとってはとても大切な日なので、この発売日をないがしろにしたくない気持ちが強くて。なので心配もありつつ、割とギリギリのタイミングで制作が始まってからは、怒涛のレコーディングラッシュでした。

――以前の取材で「まだ形にできていない曲がある」とお聞きしていたので、てっきり徐々に進めていたものだと思っていました。

青山 ただ、制作自体は始まってはいなかったのですが、おっしゃるように配信シングルの制作時に募集したデモの中から「いつか歌いたい」と思っていたものがいくつかあったので、そういった楽曲も今回収録しています。逆に、今まで集めたデモの中にはなかった「ライブを想定した曲」、みんなで一緒にアクティブに動けるような曲としてイチから制作したのが8曲目の「STEP&CLAP」で……その発注を行ったのが、12月末くらいかな?

――おー……(笑)。

青山 「おー……」ってなりますよね(笑)。楽曲が届いたのは1月下旬で、その2日後にレコーディングして……という流れでした。なので2月8日に行ったアルバムの完成記念配信(※YouTubeの公式チャンネルで生配信された「青山吉能 1stアルバム発売1か月前生配信!」)のときは、本当に完成したばかりだったんですよ。

――そんな本作のタイトル『la valigia』は、イタリア語で“キャリーケース”や“旅の準備”といった意味をもつ言葉です。

青山 元々「旅」というテーマを設定して制作してはいたのですが、最初にざっくりと「こういうタイトルだったらいいなぁ」と考えていたのは漢字2文字の言葉だったんです。ただ、アルバムの楽曲が徐々に出来上がっていくなかで、その言葉とアルバムの内容が離れていっているように感じて。プロデューサーからも「外国語っぽいタイトルにしたい」と相談があったので、改めて一生懸命考えた結果、このタイトルになりました。

――そのタイトルが航空券風にデザインされているジャケットも、非常にお洒落ですよね。

青山 素敵ですよね。このチケットは、1stデジタルシングル「Page」のときから信頼しているデザイナーさんが手作りされたもので、それを写真とかと一緒に並べて撮影したんです。マスキングテープのちょっとしわがかっている感じも、すごくリアルでお気に入りです。テイチクオンライン限定盤のジャケットには、チケット部分に「SEAT 0308」と記されていたり、細かいところにまでこだわっていただいたので、ぜひそういうところも見ていただけたら嬉しいですね。

――さて、ここからは本作収録の新曲について、1曲目の「Sunday」から順にポイントなどをお話いただけますか?

青山 はい。まずこの「Sunday」は、実は2ndデジタルシングル「あやめ色の夏に」の制作時に迷っていた2曲のうちのもう1曲のほうなんです。

――あのとき「ほぼほぼ決まり」だったほうの曲!

青山 そう!そこで私が「あやめ色の夏に」をゴリ押しして、ちゃぶ台を返ししてしまったんですけど……(苦笑)。曲調、全然違いますよね?

――違いますね。この曲も、2ndデジタルシングルがリリースされた7月に似合いそうな曲調ではありますけれども。

青山 だからこそすごく悩んだのですが、あのときは「今の私が表現したい夏はこっち」ということで「あやめ色の夏に」を選んだんです。ただ「Sunday」も楽曲としての完成度がすごく高いし、「青山吉能が歌ったら絶対に最高のものになる」という謎の自信があったので、今回のアルバムに収録できるよう私からお願いをしました。この開けていく感じの曲調がアルバムの幕開けにもすごくピッタリだと感じたんですよね。それとこの曲と同じく馬瀬みさきさんが作詞・作曲・編曲をしてくださった7曲目の「Sweetly Lullaby」もすごくいいんですよ!今回のアルバムではたくさんの収穫があったのですが、なかでも馬瀬みさきさんに出会えたことは、自分の中でも大切な経験になりました。



――そこからアルバムは「あやめ色の夏に」が続いて、3曲目は新曲の「moshi moshi」です。

青山 この曲は、このアルバムの中でも飛び抜けてユニークな曲になっていて。曲単体で聴いても気になる存在なのに、アルバム1枚を通して聴いた後にも頭に残っていて、もう1回聴きたくなっちゃうんです。こういった語り入りの楽曲を歌う経験は、キャラクターソングを含めても今までなかったのですが、最近はポエトリーリーディング的な楽曲が流行っているので、せっかくならそれを“自分の言葉”で表現してみたくて。なので私も少しだけ作詞にも関わらせてもらって、雨野どんぐり先生との共作という形になりました。

――歌詞には今回、どのように携わられたんですか?

青山 デモの段階からついていた歌詞の世界観がすごく良かったので、それをもっと“青山言葉”にしてわーっと書いたものを、どんぐり先生にお渡しして、文字の当てはめ方や語尾の落とし方などの技術的なところを整えていただきました。自分の魂をより込められる歌詞になったと思います。

――無機質ながらも圧を感じるような歌の入り方も印象的だったのですが、そこもレコーディングで気をつけたポイントだったのでしょうか。

青山 そうですね。こういう重たい歌詞は、スーっと、リニアモーターカーのように歌うと良さが出ると思ったので、とにかく「圧はあるけど、熱が入りすぎないように」というのを心がけました。それを表現するのはすごく難しかったのですが、逆に普段よりも体力は使いませんでしたね。

――神経は使ったけど、体力面ではそこまで。

青山 はい。それは多分、「楽曲によっては、全力が必ずしも正義なわけではない」ことに気付いたからかもしれないです。今までの私は「何ごとも全力で取り組むことが美学なんだ!」と思っていたのですが、例えばこの曲を超熱血で歌ったら、この曲が持つ独特の雰囲気を壊すだけだと思うんです。ちなみにこの曲、実はこの次に収録されている「Mandala」と同じ日にレコーディングしたんですよ。私はスタンス的にそれまで1日2曲録ることはあまりなかったのですが、スケジュールの関係もありまして(笑)。

――その「Mandala」は、夜の街をイメージさせるような、大人なシティポップになっています。

青山 この曲はデビュー曲「Page」を書いてくださった矢吹香那さんと前口ワタルさんのタッグに作っていただいたので、そもそも存在だけでエモいんですよ。しかもこの曲は「あのときよりも大人になった女性」をテーマに作っていただいたもので、同じ日に「moshi moshi」の歌を録るなかで力を入れすぎない「等身大」の歌い方を見つけたおかげで、“大人の女性”像をすんなり設定することができました。

――その大人感を出すために、ポイントにされたことはどんなことでした?

青山 レコーディング前に、年齢的なものではなく概念的な“大人”というものについて考えてから臨みまして。“余裕のある人”を表現したいなと思ったんです。実際歌っていくなかでも、その余裕感をちゃんと表現できた気がしています。

ヒグチアイが“青山吉能”と真摯に向き合って描いた「透明人間」



――そして「My Tale」を挟み、6曲目は雰囲気をガラッと変えるピアノバラード「ツギハギ」です。

青山 ピアノバラードは私の原点でもあるので、すごく歌いたかったんです。この曲は「Page」制作時のデモの中にあったもので、今回のアルバムに収録した新曲の中で最初にレコーディングしたぶん、気合いも入りましたし、レコーディングではプロデューサーのOKを押しのけて「もう1回やらせてください!」とこだわった部分が、『la valigia』の中でもダントツに多かったです。

――OKが出ても、自分の理想に届くまでこだわられた。

青山 はい。この曲も全力で感情を出しすぎるのは合わないと感じたので、気持ちの乗せ方にも気を使いましたし……。アルバムの中だとバラード曲は箸休めのように捉えられがちだと思うのですが、すごくこだわって録った曲なので、中盤のポイントとして聴いてもらえたら嬉しいです。

――それに続く7曲目「Sweetly Lullaby」で、今度は世界が一気に明るく変わります。

青山 ここからまた新しい章が始まるイメージですね。それまで私のプロジェクトでは作曲家の方とお会いする機会がなかったのですが、この曲のレコーディングには馬瀬さんがいらっしゃって、ボーカルディレクションもしてくださったんです。だから今まで以上に「ちゃんと音楽をやっている感じ」がしました(笑)。例えば「サビのメロディがここで展開する理由」みたいなことって、作った本人にしかわからないじゃないですか。

――たしかに。

青山 でも、この「Sweetly Lullaby」では馬瀬さんご本人とディスカッションしながら作ることができて、それがすごく楽しかったんですよ。なので今後の音楽制作でも、できれば楽曲を作ったクリエイターの方の意志を最大限汲み取れる形でやっていきたいなと思いました。

――ということは、馬瀬さんとのやり取りで“育った”と感じたところもかなりあった?

青山 もう、全編そうと言っていいくらいです!なかでも特に変化したのは、2コーラス目中盤にあるスキャットのパートですね。スキャットって「楽しくてつい歌っちゃう」みたいにノリで出てくるものらしいのですが、私はそんな経験がまったくなくて、「楽譜どおりに決まった音をなぞる」ことばかりをやってきたんです。だけどその部分も馬瀬さんに導いていただけたおかげで、すごく楽しく歌うことができて……「ディレクション力、すごっ!」って思いましたし(笑)、元々好きだった曲がさらに好きになりました。

――その楽しい流れを引き継ぐのが、先ほどライブを見据えて作られたとお話のあった、8曲目「STEP&CLAP」です。

青山 「STEP&CLAP」は、本当に“楽しさ推し”みたいな曲ですね。ライブで皆さんと一緒に作っていくといいますか、「音源版だともの足りない!」と言われるくらいの曲に育っていくんじゃないかなぁと思いながら、レコーディングでもその場のノリやグルーヴ感を大事に歌いました。今のところはこの楽曲が、私の作品の中で一番の“ライブ感”がある音源になりますが、もしライブでこの歌をうたう機会があったら、これを超えることが課題の1つだと思っています。

――そしてここでまた雰囲気をガラッと変えるのが、アルバムのリード曲となる9曲目「透明人間」です。この曲はヒグチアイさんが作詞・作曲を手がけられていますね。

青山 そうなんです。発表されたときにみんな「わー!」ってなってくれて嬉しかったです(笑)。

――そんなこの曲の制作のプロセスについて、改めてお聞きしてもいいですか?

青山 はい。さっきもお話したように、もっと作家さんとやり取りしながら作品を作りたい気持ちがあったので、ヒグチさんに曲を書いていただけることが決まったとき、「ヒグチさんに青山吉能の人生を、余すことなく描いてほしい」と思ったんです。それでまず制作に向けて顔合わせをさせていただいて、その後、二人だけでお茶に行ったんですよ。

――そこで、さらに深い話をされた。

青山 はい。ヒグチさんが制作ノートみたいなものを取り出して、お茶をしながら色んなことを聞いてくださったんです。それこそ「青山さんには兄弟はいるの?」みたいな他愛もない話から、声優業や仕事への取り組み方みたいな深い話まで……2時間くらいぶっ通しでしゃべり続けまして。それで「わかった!これで書いてくるね!」と言って颯爽と去って行かれたんです。それから1ヵ月くらい経った頃に「透明人間」という曲名のデモをいただいて、歌詞を見て歌を聴いたらもう完璧で……「どうしよう?」と。

――「どうしよう」?(笑)

青山 やっぱり「あ、ここはこうして……」みたいに音楽家っぽいことを言いたいものじゃないですか(笑)。でも、そんな余計な言葉がいらないくらい完璧だったんです。しかもヒグチさんはレコーディング当日にも来てくださって。「“青山吉能”の言葉として歌詞を書いたので、“嘘”とか“正義”に違いがあったらダメだから」ということで、「私はここの箇所はこういう気持ちで書いたんだけど」みたいに細かく伝えてくださって……でも、どこにもなーんの問題もないんですよ!特に、自分ではそんなに深刻に考えていなかった「私ってなんだろう?」という漠然とした悩みを、すごく綺麗に汲み取ってくださったことには、本当に驚きました!

――それはこの楽曲のメインテーマのような要素だと思うのですが、それも特に青山さんから「書いてほしい」と言ったわけではなかった。

青山 そうなんです!別にそれは深刻な悩みとかではなくて、例えて言うなら「明日の夕飯、何にしようかな?」程度のものなんです。でもそれを、お茶したときの「自分の仕事はすごく多岐にわたっているけど、本当の私ってなんだろう?」とか「誰が見ている私が正しいんだろう?」みたいな話を受けて、こんなにも鮮やかな言葉にしてくださって……もう、その通りすぎました!

――聴く側としても、昔から青山さんを知っている方がこの歌詞を目にすると「……そう!」と膝を打つだろうなと感じました。

青山 私との関係値が深ければ深いほど、そう感じるような気がします。そのなかでも一番大事だなと思っているのは、後半にある“あなたはあなたの目を 信じてほしいの”という歌詞です。私はその現場ごとに色んな“私”がいて、それが全部少しずつ違っている。だから、あなたが見た“私”というのは、紛れもない私なんですよ。

――ただ、同時に1番のBメロでは“わかったふりしないで でもあきらめないで そばにいて”とも歌われていますよね。

青山 “わかったふりしないで”は怖すぎますよね(笑)。ただこれも、ヒグチさんが私の話からすくい取ってくれたんだと思っていて……私って両極端の印象を持たれることが多いんですよ。「お調子者」とも「真面目」とも言われるし、「陰キャ」とも「陽キャ」とも言われる。でも、そのどっちを言われたときも「いや、違うし」ってなるんです(笑)。だからこの“わかったふりしないで”というのは、私が何か1つの言葉で当てはめられることに向いていない、ということを表していて。だけど、私について「これは間違っているかな?」と不安にならずに、あなたの目を信じてほしい――ということを伝えたかったんです。それをこの1曲の歌詞にギュッと詰め込むなんて……もう、才能しかない。自分ではこんなに上手く言語化できなかったので、本当にヒグチさんに私の人生を託してよかったです。

――歌うときも、何か特定の感情を意識するというよりも、いい意味で思ったままにという感じで?

青山 本当に思ったまま歌いました。だからこそ、例えばさっきお話した“わかったふり”から始まる部分も、ひと言ずつ全部違う感情で歌えたんですよ。“わかったふりしないで”はすごく突っぱねてるけど、“でもあきらめないで”はちょっと寄り添っているし、“そばにいて”なんてもう「愛してる」と同じじゃないですか?そういう全然違う感情が連なって言葉になっていたので、起承転結のように流れを作るのではなく、1行ごとに全然違う人になっていいとヒグチさんに後押ししていただいて……それでこの“感情モンスター”のような楽曲が出来上がりました(笑)。

――そういう意味でも、この曲もライブで歌ったときの感情を通じて、もう一段化けるところがあるのかもしれません。

青山 実はこの曲、アルバムのテイチクオンライン限定盤に収録されるスタジオライブ映像で歌わせてもらったのですが……そのときの「透明人間」が、もう良すぎて!音源には美しく整えられた良さがありますけど、ライブにはそういう“正しさ”とは違った良さがあるんですよね。すでに音源とはまた違った魅力が感じられる楽曲になっています。

――ちなみに、3rdデジタルシングル「My Tale」のインタビューの際に、自分らしさについて「私よりもファンの皆さんのほうが詳しい気がしている」や「理想が多すぎてたまに自分がわからなくなる」などとおっしゃられていましたが、このアルバムを経たことで青山さん自身は自分らしさを掴むことができましたか?

青山 いや、逆にドツボにハマっているような感じがします。でも今はそれでいいといいますか、それを見つけたら終わりのような気がしているんですよ。「自分がわからない!」「できない!」というマイナス感情が私を強くさせている気がするので、そういう部分と上手いこと向き合いつつ……いつか自分の身や心を削らずにお仕事ができるような日がやってくるまで、削り続けてみようかなと思っています。

自身の変化を消化し、変わらぬ強い想いを込めた、始まりの曲「たび」



――さて、アルバムは10曲目に置かれたデビュー曲「Page」で締め括られるのですが、パッケージ版にはもう1曲、2021年12月に行われたワンマンライブのために作られた「たび」も収録されています。

青山 この曲は、あの会場に集まってくれた人と配信を観てくれた人たちだけに向けて書いたラブレターだったので、正直自分の中では音源化を考えていなかったんです。だからあまり簡単に広がってほしくない気持ちがあって……なので今回はパッケージを買ってくれた方だけが聴けるようにしていただきました。

――歌詞は青山さんが自分で書いていますが、レコーディングにあたって久しぶりに歌われるとなると、歌詞の解釈や捉え方も少し変わっていたのでは?

青山 おっしゃる通りです!もう、恥ずかしくて!(笑)。でもそれは、月日が経ったことによる感情の変化と、特に去年から今年にかけての身の回りを取り巻くものの急激な変化が原因だと思うんですよ。それこそ2021年12月4日のライブでこの曲を歌ったときは、「こんなに最高の曲は、もう書けない!」という気持ちだったので。ただその頃は、昔から私のことをずっと好きでいてくれるファンの方が多かったのですが、今はありがたいことに、最近私のことを知ってファンになってくださった方がすごく増えたんです。だから当時の気持ちで歌詞を書いた「たび」を今レコーディングすると、誰に向けた曲なのか意味が変わってしまうようで、恥ずかしさを感じてしまったんです。なので今回はまず、「“ファン”ってなんだろう?」ということをすごく考えました。

――その考えは、レコーディングまでにはまとまりましたか?

青山 はい!歌詞もそのままなので、「たび」がラブレターであることに変わりはありません。ただ、私は昔から「(ファンは)新規も古参も関係ない」と言っていますが、愛の深さに差はあると思っているんですね。だから皆さんを平等に愛するために、自分も皆さんへの理解を深めたいと考えていますし、ファンについてはもちろん「愛ってなんだ!?」とか「推してるってなんだ!?」みたいなことを自分の中で整理してからレコーディングしました。それとこの曲、元々ライブのために作った曲ということで、今回のレコーディングもライブ感のある環境でやらせていただいたんです。

――どんな方法を取ったんですか?

青山 演奏してくださる方々と同じスタジオに入って、いっせーのせで録ったんです。もしこれが通常の録り方だったら、多分、迷ってしまって歌えなかったと思いますし、ミュージシャンの皆さんの呼吸を感じられたおかげですごくやりやすさも感じました。

――度々ライブにまつわるお話が出てくるので、今度はお客さんの前でのライブも、どうしても期待してしまうのですが……。

青山 そうですね……そもそも普通はアルバムがリリースされたら、その作品を引っ提げたツアーが発表されるものだと思うんですけど、私はそういう「アルバムが出たら、次はライブだよねぇ」というのが当たり前みたいな風潮をぶっ壊していきたいんです。

――「当たり前にあるもんじゃないぞ」と(笑)。

青山 そう。それにライブ自体とても時間とコストがかかるもの……という意味でも、当たり前のものではないんですよね。しかも私のプロジェクトは、“手弁当”をテーマに自分でワンマンライブを主催したことから始まっているのもあって、「皆さんと一緒に作る」という意識が特に強いんです。だから、ほかの声優アーティストさんたちとはちょっとスタイルが違うのですが、そのことをあまり悲観せず、「これが青山吉能のスタイルなんだなぁ」みたいに捉えてもらえたら嬉しいです。

――逆に言えば、リリースに関係なくてもいいタイミングがあれば、ライブをやっていきたい?

青山 そうですね。やっぱり文脈って超大事じゃないですか?そういうことも考えながらですかね……何ごとも「やらなきゃいけないから、やる」が一番しんどいと思うので(笑)、自分で自分のことを上手くプロデュースしながら、頑張っていきたいです。

●リリース情報

1st ALBUM

『la valigia』(ラ ヴァリージャ)

3月8日発売

【通常盤】



品番:TECI-1797

定価 税込3,300

<CD>

1.Sunday

作詞・作曲・編曲:馬瀬みさき

2.あやめ色の夏に

作詞・作曲・編曲:永塚健登

3.moshi moshi

作詞:雨野どんぐり・青山吉能 / 作曲・編曲:宮原康平

4.Mandala

作詞・作曲:矢吹香那 / 編曲:前口ワタル

5.My Tale

作詞:タイラヨオ / 作曲・編曲:hisakuni

6.ツギハギ

作詞・作曲・編曲:トミタカズキ

7.Sweetly Lullaby

作詞・作曲・編曲:馬瀬みさき

8.STEP&CLAP

作詞:渡邊亜希子 / 作曲・編曲:小幡康裕

9.透明人間

作詞・作曲:ヒグチアイ / 編曲:木原良輔

10.Page

作詞:青山吉能 / 作曲:矢吹香那 / 編曲:前口ワタル

パッケージ版ボーナストラック:たび

作詞:青山吉能 / 作曲:野田晶子

【テイチクオンライン限定豪華盤】



品番:TEI-280(BD:TEI-281)

価格:¥8,800(税込)

豪華版内容

・通常盤

・特製アクリルスタンド

・青山吉能書き下ろし毛書レプリカポスター

・未公開写真ポストカードセット

・特典ブルーレイディスク (デジパック仕様)

<Blu-ray>※総収録時間58分

・Music Video

Page Music Video / あやめ色の夏に Music Video / My Tale Music Video

・Yoshino Aoyama Studio Live Session

レコーディングメンバーとのスタジオセッションライブをシューティング。

ソロアーティストとしては初となるライブ映像は必見!

透明人間 / Sweetly Lullaby / Page

・Yoshino Aoyama’s Making & Documentary

ミュージックビデオ撮影時とレコーディング時のオフショットを交えたメイキングパートと、青山吉能のロングインタビューで構成された約30分のメイキング&ドキュメンタリー映像。

【アニメイト限定盤】

品番:TEI-286

価格:¥4,400(税込)

内容:通常盤(TECI-1797)+バンドルCD-R(TEI-283)

<バンドルCD-R>

・通常盤収録曲inst ver.10曲

・Special track(アニメイトver.)

【ゲーマーズ限定盤】

品番:TEI-287

価格:¥4,400(税込)

内容:通常盤(TECI-1797)+バンドルCD-R(TEI-284)

<バンドルCD-R>

・通常盤収録曲inst ver.10曲

・Special track(ゲーマーズver.)

関連リンク



青山吉能 レーベルサイト

https://www.teichiku.co.jp/artist/aoyama-yoshino/

青山吉能 公式Twitter

https://twitter.com/Yopipi555