「顔に赤い斑点」ができる原因はご存知ですか？医師が徹底解説！
顔に赤い斑点で、身体はどんなサインを発している？Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
監修医師：
後藤 和哉 医師（京都大学医学部附属病院）
京都大学医学部附属病院、天理よろづ相談所、皮膚科医。
「顔に赤い斑点」の症状で考えられる病気と対処法
ある日ふと鏡を見ると顔に赤い斑点がある、そんな経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。顔は最も人の目につきやすい部位であり、気になって仕事や家事に集中できなくなってしまいます。今回はこのような顔にできる赤い斑点の原因や対処法を紹介します。
かゆくない顔の赤い斑点の症状で考えられる原因と対処法
顔に赤い斑点ができてはいるが、かゆみがない場合最も考えられるのはニキビです。ニキビは毛穴に角質がつまり、アクネ菌が増殖することで炎症が起こり赤くなります。炎症がひどくなると痛みを伴うこともあります。
赤いニキビができてしまった時はまず、触らないことを心がけましょう。触ったりニキビを潰してしまうと、さらに炎症が悪化したり色素沈着や瘢痕を残すリスクになります。
早く適切に治すことで跡を残さず綺麗な状態に戻すことができるため、早めに皮膚科を受診しましょう。また、ニキビと似たもので粉瘤というできものや血管腫などの腫瘍性病変の可能性もあります。粉瘤が赤い場合はたまった角質を出す処置などが必要になるため皮膚科にいきましょう。粉瘤の場合、自壊してしまうと大きな傷を残してしまう可能性があります。腫瘍の場合、良性か悪性かの判断が必須となるためこちらも皮膚科を受診してください。高齢者の顔に赤い斑点が点在する場合は、長期間の日焼けの影響で日光角化症という前がん病変ができていることもあります。また、頬が左右対称性に赤くなる場合、稀に全身性エリテマトーデスという難病が隠れていることもあります。いずれにせよ、赤みがなかなか治らない場合は早めに皮膚科を受診してください。
かゆい顔の赤い斑点の症状で考えられる原因と対処法
顔の赤い斑点がかゆい場合、一番考えられる原因は湿疹などの肌荒れや蕁麻疹です。湿疹の場合の見た目は赤い斑点だけでなく、赤っぽい紅斑の部分やカサカサとした部分が混在していることが特徴です。蕁麻疹は赤く腫れはしますが、カサカサは伴いません。
かゆみが強い場合、いずれの場合も掻きむしらず保冷剤などで冷やしましょう。湿疹の場合かきむしってしまうと、湿疹がさらに悪化してしまいます。不用意に触ってしまうと、それだけでも炎症を悪化させる原因となるため、気になってもなるべく触らないようにしましょう。
顔の湿疹の原因は皮脂や乾燥、化粧品などによるかぶれなどさまざまですが治療はどれもステロイド外用になります。ドラッグストアなどでも手に入りますが、顔に強いステロイドを長期間塗ってしまうと肌が薄くなるなどの副作用が大きく出てしまうことがあります。
また、湿疹と思っていても湿疹ではなくとてもかゆい好酸球性膿疱性毛包炎などであることも稀にあるため適切な診断と治療のために一度皮膚科を受診しましょう。
吐いた後に顔に赤い斑点ができる症状で考えられる原因と対処法
吐いた後にできる顔の斑点は、内出血である可能性が高いです。吐く時に首から上の血管に圧がかかることで、毛細血管が破れてしまい出血します。この赤い斑点は炎症によるものではないため、押しても赤みが消えない紫斑であることが特徴です。
内出血は自然と体に吸収されていくため、何もしなくても自然に消えていきます。しかし、赤い斑点が消失せずむしろ増えるなどあれば、血が固まりにくくなっていたり血管壁が弱くなってしまっていたりする可能性があるため、一度病院を受診しましょう。
運動後に顔に赤い斑点ができる症状で考えられる原因と対処法
運動や風呂上がりなど体温が上がり汗をかくようなことをした後にできる赤い斑点はコリン性蕁麻疹の可能性があります。このコリン性蕁麻疹はよく見るボコボコとした蕁麻疹とは違い、赤い小さな斑点として現れることが特徴です。また通常の蕁麻疹ですとかゆみが強いですが、コリン性蕁麻疹はかゆみよりピリピリとした痛みが出ることが多いです。
かゆみや痛みが強い場合は、まず冷やして症状を抑えましょう。また、コリン性蕁麻疹を疑うような症状が見られた場合は運動などを一旦休んで様子を見てください。
コリン性蕁麻疹自体は抗ヒスタミン薬の内服が治療となりますが、コリン性蕁麻疹の背景疾患に無汗症という汗がかきにくくなる病気が隠れている場合があるため一度皮膚科を受診しましょう。
それ以外に、小麦などを食べた後に運動することで起こる運動誘発性アナフィラキシーという病気があります。この場合は緊急の処置が必要になるため、運動している最中に顔にかゆい斑点が出現し息苦しさなどを認めた場合はすぐに病院に行きましょう。
出産後に顔に赤い斑点ができる症状で考えられる原因と対処法
出産後に顔に赤い斑点ができる場合、妊娠性痒疹や元々のアトピーの悪化などが考えられます。妊娠や出産により体の中のホルモンバランスが妊娠前と比較してかなり変わってしまうため、肌にもその影響がおよびこのような症状をきたします。
痒疹やアトピーの皮疹はかゆみを伴いますが、掻きむしってしまうと色素沈着や掻いた傷から二次感染が起こる原因となります。なるべく掻かないようにして冷やしましょう。
これらは出産後にホルモンバランスが元の状態に戻れば自然と軽快することが多いですが、中には症状が長く遷延することもあります。皮膚で炎症が遷延すると色素沈着を残してしまうため早めに皮膚科を受診しましょう。
新生児や乳幼児の顔に赤い斑点ができる症状で考えられる主な原因と対処法
新生児や乳幼児の顔に赤い斑点がある場合、脂漏性皮膚炎や新生児ざ瘡などの可能性が高いです。新生児や乳児は皮脂が過剰になりやすいため、皮脂が毛穴に詰まるとざ瘡に、皮脂に炎症が起こると脂漏性皮膚炎となります。脂漏性皮膚炎は、黄色いかさぶたのようなものが顔についていることが特徴です。
どちらも皮脂分泌が低下するにつれて、自然に軽快していきます。かゆみがある場合は冷やしてかゆみを抑えてあげましょう。症状が長引く場合や、症状が強い場合などは一度皮膚科を受診しましょう。
また、赤い斑点が顔にあり熱も出ている場合は何らかのウイルス感染かもしれません。その場合は小児科を受診しましょう。
すぐに病院へ行くべき「顔に赤い斑点」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
受診・予防の目安となる「顔に赤い斑点」のセルフチェック法
1.顔に赤い斑点以外に痛みやかゆみがある場合
2.顔に赤い斑点の形がいびつで色むらがある場合
3.顔に赤い斑点があり、徐々に大きくなっている場合
「顔に赤い斑点」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「顔に赤い斑点」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
顔湿疹
顔の湿疹は、乾燥やストレスによるバリア機能の低下など様々な要因で起こります。かゆみを伴う赤みとカサカサを認めることが特徴です。治療法はステロイドの塗り薬です。
保湿で自然と治ることもありますが、ステロイドで早く治療したほうが綺麗に早く治ります。なるべく早く皮膚科を受診した方が良いでしょう。
老人性血管腫（ルビースポット）
老人性血管腫とは、皮膚の毛細血管が増殖してできる良性の腫瘍です。老人性という名前がついていますが、若い人にできることも多くあります。かゆみや痛みを伴うことはありません。
自然に消えることはありませんが、血管腫が体に悪影響を及ぼすことはないためそのままにしておいても特に問題はありません。治療法はレーザーや手術での切除になります。血管腫と思っていても実は悪性腫瘍である可能性もあるため、最近大きくなってきたり、色むらがあったりするなどあればなるべく早めに皮膚科を受診しましょう。
蕁麻疹
蕁麻疹は何らかの原因で皮膚にボコボコとした皮疹（膨疹）が現れるものです。かゆみが強いですが、膨疹の1つ1つは24時間以内に消失することが特徴です。
治療は抗ヒスタミン薬の内服になります。かゆくて掻きむしってしまうと、傷や二次感染の原因となるため気をつけましょう。
多くの蕁麻疹は2、3日で症状が消退しますが、慢性化する方も一定数いらっしゃいます。その場合も原則抗ヒスタミン薬が治療となりますが、稀に何か別の病気が背景にあったり、そもそも蕁麻疹のような症状を呈する別の病気の可能性もあったりするため一度皮膚科を受診しましょう。
接触皮膚炎
接触皮膚炎は化粧品などの刺激やそれらにかぶれたことで皮膚に炎症が起こった状態をさします。症状は湿疹と同様で、かゆみを伴う赤みやカサカサを認めます。ひどくなってしまうと水ぶくれなどを認めることもあります。
対処法は、原因と考えられる化粧品などの使用をやめることが重要です。使用を中止しステロイド外用で治療します。ひどくなると湿疹と同様に色素沈着などが残ってしまうため、皮膚科を受診しましょう。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎は、乳幼児と中高年の男性に多く見られる疾患です。過剰に分泌された皮脂の影響でマラセチアという菌が増殖し発症します。鼻まわりやおでこなど皮脂が分泌されやすい部位が赤くなり、黄色い油性のカサカサを伴うことが特徴です。
小児の場合は自然治癒することもありますが、成人の場合は慢性的に経過するため症状が長引くことが多いです。
治療はステロイド外用や抗真菌薬の塗り薬で治療します。一度皮膚科を受診してみましょう。
「顔に赤い斑点」の正しい対処法は？
顔に赤い斑点ができる原因はたくさんあり、治療法も原因によって変わります。自己判断で薬を使用すると、かえって悪化させてしまう可能性もあるため市販薬の使用は保湿剤程度で留めておきましょう。
また、かゆみがある際に掻きこわしてしまうと悪化させてしまうため冷やして症状を落ち着かせましょう。症状が我慢できない時は、はやめに病院を受診してください。
赤い斑点があるとどうしてもメイクで隠したくなりますが、湿疹やニキビの場合はメイクで悪化してしまうこともあるため症状がひどい場合は控えましょう。
「顔に赤い斑点」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「顔に赤い斑点」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
顔の赤い斑点が治らないのですが病院に行くべきですか？
後藤 和哉 医師
自然治癒が得られない場合、できものやその他何かしらの治療が必要な状態かもしれません。受診したほうが良いでしょう。
顔にかゆくない赤いポツポツがあるのは除去できますか？
後藤 和哉 医師
血管腫などのできものであれば、手術やレーザーで除去することができます。皮膚科や形成外科で一度相談しましょう。
お風呂上がりに顔に赤い斑点ができるのですが問題ないですか？
後藤 和哉 医師
コリン性蕁麻疹を一番に疑います。コリン性蕁麻疹の背景疾患に無汗症と呼ばれる難病が隠れている可能性があるため、一度皮膚科を受診しましょう。
日焼け後の顔の赤い斑点はいつ消えますか？
後藤 和哉 医師
光線過敏症の可能性があります。ステロイド外用をきちんと行えば2週間程度で治療可能なことが多いです。しかし、薬剤が原因で発症することもありその場合は薬剤の中止が必要です。
まとめ
顔の赤い斑点の原因などについて紹介しました。顔は第一印象などを決める重要な体の部位のため、そのような斑点ができてしまうと生活に支障をきたしかねません。自然に治るものもありますが、治らないものも多くあるため皮膚科を受診しましょう。
「顔に赤い斑点」で考えられる病気と特徴
「顔に赤い斑点」から医師が考えられる病気は10個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
皮膚科の病気
湿疹光線過敏症接触皮膚炎
アトピー性皮膚炎脂漏性皮膚炎ニキビ好酸球性膿疱性毛包炎
蕁麻疹しゅさ
血管腫
自然に治るものも多いのですが、治療をしないと治らない皮膚症状もあるため、なかなか改善しない場合には、皮膚科を受診しましょう。
「顔に赤い斑点」と関連のある症状
「顔に赤い斑点」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
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赤い斑点 かゆくない腕に赤い斑点かゆくない目の周りが赤いストレスで湿疹「太もものかゆくない赤い斑点」の症状の他にこれらの症状がある場合でも「薬疹」「IgA血管炎」「中毒疹」「SLE」「老人性紫斑」「梅毒」などの疾患の可能性が考えられます。
皮疹だけではなく息苦しいなどの全身症状が出現した場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
