近年、大気中に放出された二酸化炭素を海が吸収して、引き起こされる「海洋の酸性化」の問題が世界的に指摘されています。海の環境を守る活動をしている団体が2日、東京都内でこれをテーマにパネルディスカッションを開きました。

 これは、海の現状を伝え未来へつないでいくための活動に取り組んでいる日本財団とイギリスの経済誌の調査部門、エコノミスト・インパクトが共同で開いたものです。

 国連の海洋担当者や日本財団の笹川陽平会長、それに海洋生態学の世界的な研究機関であるイギリスのプリマス海洋研究所の研究員などが登壇し「海洋酸性化」をテーマに議論を交わしました。

 海洋の酸性化は、地球温暖化の原因と言われる二酸化炭素が海の中に溶け出して起こるとされ、酸素を必要とする生物の成長を妨げることなど、生態系や漁業への影響が心配されています。

 ディスカッションでは北米で既に、酸性化により紅鮭の漁獲量が減っていることや日本の沿岸でも、酸性化が進んでいるという研究結果が紹介されました。

 登壇者らは、日本でも将来ではなく今の問題であることを強調し様々な観点から今後の対応について意見を出し合っていました。