警察の「不適切な取り締まり」のケースとは!? なぜ起きる? 違反点数や反則金はどうなるのか “ゴールド免許復活”も?

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警察から不適切な取り締まりを受けた場合どうなる?

 街でクルマを運転していると、ルールを守らなければ警察から交通取り締まりを受ける可能性があります。

 そんな交通取り締まりについて、仮に警察や道路側に不備があり、不適切なものだった場合、違反点数や反則金などの処分はどのようになるのでしょうか。

警察の「不適切な取り締まりのケース」とは

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 2023年1月下旬に、栃木県警察が標識に不備のある横断歩道で約6年にわたり不適切な横断歩行者妨害の取り締まりをおこない、ドライバー27人を検挙していたことが報じられました。

 この件は、横断歩道の標識がクルマのドライバーから見える場所に設置されていなかったため、取り締まりをするのが適切ではなかったと判断されたものです。

 この事態を受けて栃木県警察ではほかにも標識設置に不備がないかどうか、県内にある信号機のない交差点約8700カ所すべてを調査していくと明らかにしています。

 また2022年12月には群馬県警察においてもドライバー32人に対して同様なケースで不適切な取り締まりをおこなった事例が発生しているほか、同年2月には長野県警察でも誤った標識をもとに通行禁止違反の取り締まりをおこなっていたことが報じられており、警察による不適切な取り締まりは過去にもたびたび発生していることが判明しています。

 過去の事例を分析すると、不適切な取り締まりについて誤った規制の道路標識や公安委員会の決定を受けていない無効の道路標識を設置するなど、人為的ミスによるものが多くなっています。

 仮にこのような不適切な取り締まりを受けてしまった場合、加算された違反点数や反則金について気になる人も多いかもしれません。

 こうした場合の措置としては、違反点数については登録が抹消され、反則金についても取り締まりを受けた人に返還されます。

 また、不適切な取り締まりによって加算された違反点数が原因で免許更新の際にゴールド免許でなくなってしまったというケースについては、免許証の交換をしてもらえるため、ゴールド免許を維持することが可能です。

 つまり、警察側に責任があればドライバーに不利益がないような措置がとられるようです。

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 そのほか不適切な取り締まりと判断される可能性のある事例として、「道路標識が木で隠れるなどして見えなくなっている」状況での取り締まりが挙げられます。

 道路標識に関しては道路交通法施行令第1条の2第1項において、歩行者や車両などから見えやすいように設置しなければならないと定められています。

 さらに、過去の判例では「道路標識は、いかなる車両のいかなる通行を規制するのか容易に判別できる方法で設置すべきもの」とした上で、見やすいように設置されていない場合には適法かつ有効に通行規制がおこなわれているとはいえず、交通違反にはあたらないと判断しています。

 道路標識に木が生い茂っていて見えなくなっている状態で警察から取り締まりを受けた場合には、交通違反が成立しない可能性があるため、道路標識の有効性について尋ねてみても良いかもしれません。

 ただし交通事故防止の観点からいえば、日頃から道路標識だけでなく道路標示も同時に確認する習慣をつけておくことは非常に大切です。

 多くの場合道路標識と道路標示はセットになっているため、運転をする上で参考になるでしょう。