――アコースティックギターをずっと弾かれてますが、エレキギターは弾かれないんですか?

植村:エレキには行かなかったですねー。嫌いとかじゃなくて、アコギは何もしないで音が出るじゃないですか。エレキはアンプとか通さないと駄目じゃないですか。やっぱりアコギの音が好きっていうのはあるんですけど、基本的に生楽器の音が好きなんですよ、何でも。エレキって、絶対に通さないと出てこないじゃないですか。じゃなくて、生音で音が出て、弾けるもの。そういうのがすごく好きで。だから、レコーディングとかでもなるべくシンセというか、そういうのを使って欲しくないんですよ。使う時は理由を聞いて、「なんでそこは打ち込みなんですか?」って聞いて(笑)。打ち込みの方が効果的で良いっていう理由が、私が納得するんだったら使いますけど、例えば「打ち込みでいいかと思って」みたいな適当な意見とかだと、「いやもう、生楽器がいいので生にして下さい」って言ったりするんで。やっぱり生楽器がいいんですよ。なんかこう温かいと言うか、電気とか通した音よりも、そういうのが好きなんで。

――かなり強いこだわりがありますね。

植村:別にエレキを弾きたくないとか、そういう訳じゃなくって。私の曲でエレキが合うのがあれば、弾いてみたいなって気持ちもあるんですけど、今はまだアコギを弾いた方がいいのが多いというか。逆に言うと、エレキを弾く曲があんまり無い、というのもあって。あとは、エレキを持ってない、というのもありますし(笑)。でも、楽器自体が好きなので、余裕が出てきて、「あぁ、ちょっとエレキの音が欲しいなぁ」とか思うものが出てくれば使うかもしれないし、っていう感じですね。いつも曲を作る時は、「この曲はこの楽器を入れたい」とか、「ギターメインがいい」、「ピアノメインがいい」とかいうのが頭の中にあるので、その中に「あぁ、ちょっとエレキがいいな」っていうのが出てきたら、あるかもしれないですけど。

――元々、ストリートでアコースティックギターを弾かれてたから、というのもどこかにあるんでしょうね。

植村:そうですねー、多分。やっぱりあるんですかね。ストレートのものが何でも好きで、人でも何でも。回りくどいのはあまり好きじゃないんですよ(笑)。だから真っ直ぐ届くのがいいなーと思っています。

――ハッキリ言ってくれる人の方がいいですか?

植村:イライラしちゃいますね。「何が言いたいのー?」みたいな(笑)。「ハッキリ言うて!」みたいな感じなんで。真っ直ぐ言われると、こっちも真っ直ぐ返すし。思い残すこともお互い無いし。人に関しても、表裏のある人は絶対付き合えないですし、怖くて。嫌いとかじゃないんですけど。そのまんま、人間らしい人が好きですね。楽器も楽器らしい音が鳴るのが好きです。