――初の全国ツアー「ギターと私」を終えられたばかりで、以前に東京と大阪でワンマンライブをやられてますが、今回はもう少し多くの場所を回られてみて、如何でしたか?

植村:いやぁー、良かったですね。すごい勉強になりました。初めてツアーで何カ所か回って、「やっぱり土地によって反応が違うんだな」というのを本当に初めて痛感したんですよ。今まで色んな所でインストアライブとかをさせてもらってましたけど、よくインタビューして頂く時に、「やっぱり土地によって違いますか?」って聞かれてて、「えー、やっぱ違いますね」とか言ってたんですよ、全然分からないくせに(笑)。今回初めて本当に心から、「あっ、やっぱ違うなー」というのが分かりましたね(笑)。話すネタとかもそこによって違うし、あと反応とか「あっ、ここはこういうので笑ってくれるんだ」とか、「あっ、ちょっと反応が薄いな」とかありましたね。

――ツアー初日から最終日までで変わったことや、自分の中で成長したと感じられることはありましたか?

植村:自分のライブスタイルみたいなものがあるじゃないですか。どういうMCで、どういう曲のもって行き方で、とか。ファーストライブを東京と大阪でやりましたけど、あの時はもうライブをやるのが精一杯で、自分のスタイルとか分からないで、決めたことをこなすのが精一杯だったんですけど。今回、回を重ねていく内に、自分のライブって多分、こういう感じのMCをして、流れはこういう風にもっていって、みんなとこういう風に盛り上がって、というのが後半になってどんどん見えてきました。初めは、同じように決めたことをこなして慣れていくのが精一杯で。でも後半、ライブをやることに慣れてきて、今度は自分の色を出していくという風に。もっと自分の個性と言うか、キャラクターと言うか、そういうのを知ってもらうにはどういう風なしゃべりをしたらいいのかとか、どういう風な内容の話をしたらいいかとか、そういうのがどんどん見えてきたので。今回のツアーで「植村花菜のライブスタイルっていうのが、多分こういうもんなんやな」っていうのが自分でもなんとなく分かったし。多分来てくれた人も「あっ、こういうライブをする子なんやな」っていうのが分かってもらえたんじゃないかなっていうのが、1番変わった部分であり、分かった部分だと思いますね。

――ワンマン以外に、イベントにもたくさん出られていますよね。ワンマンだとある程度読めるというか、会場のキャパがあって、チケットの売れ行き状況があって、当然お客さんは自分を目当てに見に来られる訳ですが、イベントの場合はむしろ逆で、時には自分目当てでないお客さんの方が多かったり、会場の空気や、お客さんの入り具合や年齢層なども場所によって全然違ったりと。同じライブでもワンマンとイベントではきっと違うのだろうなと思いますが。

植村:やっぱりちょっと違いますね。イベントに出る時は、初めて見る人の方がまだ私の場合は全然多いんですよ。だから、とりあえず知ってもらえるようにする、覚えてもらえるようにする、っていうのを心掛けていて。自分のソロライブの時は、とりあえず知ってもらっているものと一応仮定して、でも初めての人も視野に入れつつ、何回も来てくれる人には何回も来てくれるなりの面白さが分かるように色々考えたりとかしつつ、というやり方をしているので。でも、はたから見るとそんなに差はないと思うんですよ。ただ、イベントではちょっとMCの感じが丁寧だったりとか、ちょっとそこまで自分のキャラクターを出さなかったりとか。いきなりあんまりガツガツ「こんな感じで」みたいな出していっても、初めて観る人はやっぱ引いちゃうんで。初めて観た人が「とりあえずこんな子いるんだー」って知ってもらうために抑え目で、歌をメインに聴いてもらうって感じで(笑)。ライブの時はMCも命を賭けているので、歌と同様に。

――長いんですか、MC?

植村:長い方なんですかね?(マネージャーさんに聞く)…。長いみたいです。

――トーク&ライブみたいな。

植村:そうですね。時間的に言うと、ツアー最後の宇都宮と横浜は曲数は変わらなくて、全部で17曲歌ったんですよ、アンコール含めて。基本的に2時間っていう設定をしてたんですけど、宇都宮は、「今までのライブこんな感じでした」っていう感想も含めて色々言ってたりしたんで、2時間20分やってましたからね。結局一人で、弾き語りで。