オシャレで居心地の良い台湾テイストの居酒屋

台北松山空港を出て南に進むと、マンダリンオリエンタル台北やオフィスビルやショッピングモールが立ち並ぶ敦化北路という大通りに出ます。空港から近いエリアとあり、この辺りには大型ホテルも多く、さらに台北アリーナ(小巨蛋)もあります。そんな敦化北路から路地裏に入ったところに台湾居酒屋「渣男Taiwan Bistro 敦北三渣」があります。
2017年にブランドを立ち上げた「渣男Taiwan Bistro」。当時、金融業で好成績を収めていたという若きオーナーは、アフターファイブに食事をしながらお酒を飲みに行こうと思うと「熱炒」という台湾の大衆酒場か、日本風の居酒屋ばかりで、雰囲気のよい台湾風の居酒屋があまりないことを疑問に思いました。
そこで台湾の屋台グルメ、滷味(ルーウェイ・後述)などをメインにしたオシャレで居心地の良い台湾テイストの居酒屋「渣男Taiwan Bistro」をオープン。近年、台湾の若者たちの間で自分たちの生まれ育った台湾の文化をもっと盛り上げていこうというムーブメントが起こっていることも後押しし、現在は台湾に8店舗、アメリカにも1店舗を展開する人気ぶりです。
平日でも満席になることが珍しくないので、予約をしてから行くのがおすすめ。Google Mapのスマートフォンアプリからお店を検索し、画面をスクロールすると予約ボタンがあり、そこから予約サイトに連結しています。外国人旅行者でも簡単に予約ができるようになっていますよ!

気になる店名に込められた意味とは…

台湾の人たちに突然「渣男」(ザァーナン)と言うと、きっと驚かれてしまうことと思います。「渣男」は中国語のスラングで「クズな男、ゲスな男」というような意味合いがあり、台湾のドラマなどでは恋人たちの喧嘩シーンなどでよく登場する言葉です。
そんな言葉を店名にしたのは、「成功した人たちは、人生のある時点ではクズだった」というオーナーの人生の教訓の元、「夢を追いかける全てのクズたちが、仕事終わりにくつろげる場所」というコンセプトが込められているそうです。

店内の内装にも台湾テイストのこだわりがあり、屋台の雰囲気を醸し出すカウンター、そして使い込まれた木材を利用した椅子、レトロなタイルなど、馴染みの居酒屋のような温もりを感じます。店内のBGMには、90年代の台湾ポップミュージックが流れ、ほろ酔い気分で懐メロを口ずさむ人も多いんだとか。
 
どの店舗も内装のベースは同じにしており、どこの店舗に行っても同一の安心感を得られることも大切にしています。さらに、台湾人アーティストの描いたセクシーなアート作品が取り入れられていたり、「クズ男」の要素も忘れてはいません。

台湾らしさを取り入れたアルコールメニュー

“とりあえずビール”派の人も大満足のジョッキ入り生ビール「急凍生啤」NT$160は、苦みが少なく飲みやすい台湾のビールです。お店の食事メニューとの相性もバッチリで、日本ではビールが苦手という人でも、台湾のビールは軽くて飲みやすいのでぜひお試しあれ。

「渣男烏梅醉」NT$280は「烏梅汁」という台湾で親しまれる燻煙した干し梅のジュースをイメージしたカクテルです。キンモクセイのシロップや上にトッピングされたローゼルも台湾らしさ満点。甘酸っぱくスモーキーなアクセントのあるカクテルは、台湾らしい香辛料を使ったお店の料理との相性もバッチリ!

「好Shot流一口乾」NT$600は、6杯の異なる味わいのショットセットです。タピオカミルクティーをイメージしたものや、フルーツやお茶を使用したものもあり、どれも全く異なる味わいです。見た目も華やかで人気のメニューです。ミニマムオーダーは1人1杯のドリンクです。

台湾屋台料理を居酒屋メニューにアレンジ

「ビストロ」という店名の通り、料理メニューにも力を入れています。お店の看板メニューは、台湾屋台グルメのひとつ「滷味」(ルーウェイ)という、八角などの香辛料をたっぷり入れた醤油ベースのタレで煮込んだお肉やモツなどの料理。おかずとしても、おやつ、おつまみとしても台湾で親しまれる食べ物です。
カウンターには滷味用のショーケースがあり、ずらりと並んだ滷味の具材は、オーダーが入るとカットして盛り付けます。
「滷味拼盤」NT$400 (2人前/写真下)は、豚肉、豆腐、昆布をベースに日替わりで色々な滷味が楽しめる盛り合わせ。食べると八角の香りが口に広がり、台湾らしさを感じられる一品です。
「牛三寶拼盤」NT$450(写真上)は、牛モツ、牛すね肉、ハチノスの滷味です。滷味のタレに入るさまざまなスパイスは肉の臭みを取ってくれるので、内臓類は滷味によく合う具材でもあります。噛めば噛むほど旨味が出て、お酒との相性も抜群です。
「大腸包小腸」NT$150(写真中)は、台湾の夜市グルメ大腸包小腸というもち米ホットドッグをアレンジした料理。屋台では米腸というモチ米のドッグに切り込みを入れてソーセージを挟んで食べますが、お店では食べやすいように米腸もソーセージも薄切りにしてあります。もち米の食感とジューシーなソーセージ、そしてアクセントにニンニクスライスも一緒に食べるのが台湾流です。
台湾旅行の夜は、グルメやドリンクでも台湾らしさを満喫できる「渣男Taiwan Bistro」を訪れてみるのはいかがでしょうか。「ダメな恋人ほど忘れがたい」という思いも込められた店名。一度訪れたら忘れられなくなるほどのおいしさですよ!

■渣男Taiwan Bistro 敦北三渣(ザァーナン タイワンビストロ ドンベイサンザァー)
住所:敦化北路120巷7弄13號
TEL:02-2545-9903
営業時間:17時30分〜1時30分
定休日:無休
※料金にはサービス料10%が別途上乗せされます

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Text:石井三紀子
Photo:張哲倫

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