現地時間9月28日(水)にデンマーク王室は声明を発表、マルグレーテ2世女王が4人の孫から王子、王女の称号と「殿下(His/Her Highness)」の敬称を取り消すことを発表した。該当するのは次男のヨアキム王子の4人の子どもたち。最初の妻アレクサンドラ・マンリーとの間に生まれた23歳のニコライ王子と20歳のフェリックス王子、現在の妻であるマリー妃との間に生まれた13歳のヘンリック王子と10歳のアテナ王女である。4人は2023年1月1日からモンペザ伯爵子女と呼ばれ、敬称は「閣下(His/Her Excellency)」になる。王位継承権は今後も与えられ、順位も現在のニコライ王子の7位からアテナ王女の10位まで変わらない。

女王の長男フレデリック皇太子とメアリー皇太子妃の間に生まれた4人の王子と王女に関する変更はない。

王室は「女王はこの決定により4人の孫がデンマーク王室という組織に正式に所属することに伴う配慮や義務に制限されることなく、自分たちの人生を大きく切り開いていけるような枠組みを作りたいと考えている」とコメント、王室を縮小すると同時に4人の孫たちがより自由な選択肢を持てるようにするためだと強調した。「女王の決定は近年他の王室がさまざまな形で行っている同様の調整と同じだ」とも。2019年にはスウェーデン王室も第2子のカール・フィリップ王子と第3子マデレーン王女の子どもたちを公務に携わる王族から外す決定を下している。カール・フィリップ王子とマデレーン王女はこれをポジティブなことと受け止め「子どもたちが自由な人生を歩める」とコメントしていた。

しかしニコライ王子とフェリックス王子の母、アレクサンドラ・マンリーは遺憾の意を示している。プレスアドバイザーを通じて「私たちはみんなこの決断に戸惑っている。悲しみショックを受けている。青天の霹靂だ。子どもたちは追放されたと感じ、なぜ自分たちのアイデンティティが奪われるのか理解できていない」と発表した。アレクサンドラは声明が発表されたときに今回の決定を知ったという。アレクサンドラは現在フレゼリクスボー伯爵の爵位を持ち貴族ではあるが、王室のメンバーではない。

雑誌『ピープル』によるとデンマーク王室は「ヨアキム王子は5月にこの決定について聞いている」「(称号変更を決める)プロセスに関与してきた」とコメント、父である王子は事前に知っていたと説明している。アレクサンドラの不満がこのコメントで終わるのか、さらなる騒動に発展するのか注目が集まっている。