2011年に声優デビューして以来、『鬼滅の刃』の竈門炭治郎役をはじめとした数々の話題作に出演する人気声優の花江夏樹さん。その花江さんの包み込むような優しい声と、物語のなかに引き込む演技に魅了されているという方も多いのでは?

花江夏樹さんインタビュー。「気をはりすぎず、“自分ファースト”でもいい」

多忙を極める花江さんですが、9月23日公開の『映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢見る♡お子さまランチ!』ではゲスト声優として出演。今回は花江さんに、ご自身が演じる「ケットシー」や、映画のテーマである「お子さまランチ」のこと。そして、気になる普段の暮らしぶりなど、たっぷり教えてもらいました!

【写真】花江さんとケットシー

●かわいいだけじゃない。そんな一面で“魅せたい”

――「プリキュア」シリーズの映画最新作に出演が決まったときの感想と周りの反応はいかがでしたか?

花江夏樹さん(以下、花江):「プリキュア」自体が、女性声優の間で“登竜門”になってるんだろうなというのは感じていました。でも正直男性キャラクターが少ないので、自分からは少し遠いのかな…と思っていた部分も。だから、こうしてオファーをもらえてうれしかったですね。しかも映画のゲストキャラで…! Twitterで出演を報告した際も、ファンの方からの「楽しみにしています!」といったうれしい反応もありました。

――今回、映画のオリジナルキャラクターで、お子さまランチのテーマパーク<ドリーミア>の園長・ケットシーを演じられていますが、とてもかわいい見た目の、このキャラクターを演じるうえで大切にしたことはありますか?

花江:見た目が着ぐるみっぽいので、いろいろな表情が出せたらいいなって思ってました。だからアフレコの前に同じセリフでもいくつかパターンを思い浮かべて、演じながら『どれにしようかな…』って。かわいさはもちろんですが、そのなかにおもしろさがあったり…愛されるような感じにできたらいいなと演じたので、みなさんにも楽しんでほしいです。

――それは喋っているケットシーを劇場で観るのがとても楽しみです! ちなみに、ケットシーがご自身と似ているなと感じる部分はありますか?

花江:ケットシーは園長として、僕はエンターテイナーとして、人前に出るときに自分をそのモードに切り替えるところですかね。僕は普段、そこまで口数が多いほうではないんですけど、テレビやラジオなどでマイクを通したときはテンションが高くなったりする…そんなところは似てると感じました。

●花江流!大人の「お子さまランチ」をつくるとしたら?

――今回の映画では、<ドリーミア>という「テーマパーク」と「お子さまランチ」がモチーフになっていますが、花江さんはテーマパークの思い出などありますか?

花江:小さい頃にテーマパークは連れて行ってもらったので好きですね。ジェットコースターが怖いって時期もありましたけど(笑)。でもそういった場所は、訪れたみんなが笑顔になれるのがいいですよね。

――年齢を重ねても、楽しい場所は心躍りますよね。では、お子さまランチに関して、なにか思い出はありますか?

花江:お子さまランチの“旗”は、大人になってもテンションが上がります。今僕がオリジナルのお子さまランチをつくるとしたら、そうだな…オムライスやハンバーグ…あとタコさんウィンナーもいいですね! ちょっと茶色くなっちゃうけど(笑)。でも、ケットシーがエビフライマシーンに乗っていて、これがかわいいから映画を見終わったあとはエビフライも食べたくなるかな。

――花江さんが思う『映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢見る♡お子さまランチ!』の魅力を教えてください。

花江:当たり前だけど、大人と子どもでは見る世界がやっぱり違う。子どもが見ている「純粋でキラキラしている気持ち」がこの映画を見ると伝わってくると思います。毎日のキラキラを忘れがちだけど、「明日からがんばろう!」と背中を押してくれるような映画ですね。だから、子どもはもちろん、大人も一緒に楽しめられると思います!

●今がいちばん楽しい!その理由って?

――すごく多忙な日々を過ごされているかと思いますが、年齢を重ねるにつれて、どこか仕事や気持ちに対する変化はあったのでしょうか?

花江:僕は仕事に対して今がいちばん楽しいですね! というのも、子ども(双子の女の子)が生まれたっていうのもあるかもしれませんが、自分がデビューしたての頃とかにできなかった表現や技術が、今は身についてきた。だからやりたいようにできることが増えて、段々と理想に近づいてきたような気がしてます。キャリアを積んで、自分の力不足でストレスになるという場面も減りましたね。

――なるほど。今までさまざまな作品に出演されているかと思うのですが、今後こういう役をやってみたいなどありますか?

花江:悪役とかもっとやってみたいですね。ほかには、今回のような子どもに向けた作品でしっかりデフォルメされたキャラクターなど、じつはあまり演じたことがないので、やってみたいですね。

●たまには自分ファーストになってもいい

――少し花江さんのプライベートな部分についてお伺いしたいのですが、SNSでも双子の娘さんとの様子を投稿されていて、見ているこちらも幸せな気持ちになります。そこで、花江さんが子育てで大切にされていることはありますか?

花江:うーん…なんだろうな。ついでに「自分も楽しむ」ことにしてますね。子どもから教わってることもやっぱり多くて、そういう表現の仕方があるのか、そんな言い回しがあるのかとか。自分なりに伝えたいことがあって、知っている言葉が少ないなかで伝えてくるのはすごいな…って思います。

――もし、お子さんを「花江さんのような子どもに育てたいんだけど…」といわれたら、どういったアドバイスをされますか?

花江:えっ! 難しいですね…(笑)。そうですね…、あまり気をはりすぎないというか、「自分ファースト」でもいいのかなって。本当に疲れているときとかあるでしょうし、“息抜き”しつつというのは大切だと思います。

――ありがとうございます。最後に、家事や育児に奮闘する読者に一言お願いします。

花江:家事や育児をするのが当たり前みたいになってると思うんです。もしかしたら、「がんばらなければいけない」、「弱音を吐くな」と言われることもあるかもしれない。だけど、そんなことはない。

それこそ無理しすぎずに、自分自身のことも大事なので、うまくリラックスできるような時間を見つけながらやっていけるといいのかな…って思います。

子どもが成長していく姿は今しか見れないし、あっという間にすぎてしまうし…。幸せなことだと思うので、それをちょっと楽しみながら子育てしてもらえたらな。僕も日々成長だなと思っているので、一緒にがんばりましょう!

 

【作品情報】

『映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!』
同時上映『わたしだけのお子さまランチ』

9月23日(金・祝)全国公開
配給:東映
(C)2022 映画デリシャスパーティ♡プリキュア製作委員会