親が高齢になり、そろそろ実家の片づけをしなければと感じている人もいるのではないでしょうか? 片づけヘルパーの永井さんに、実家の片づけ方のコツを教えてもらいました。

「実家を片づけたい」なら、まずはリビングから始めて

本格的に片づけの作業に入るなら、生活のメインになるリビングから取りかかり、次にキッチンと整理していきましょう。

●リビングから片づけをスタート

親が長い時間を過ごすリビングやダイニングから片づけると、暮らしやすさがアップ!

「つまずかないように床にあるものを移動させたり、よく使うものを分類して箱にまとめ
るなど、小さなことから始めましょう」

<これはNG 収納ケースをそろえる>

見た目重視で同じ収納ケースで統一すると、どこになにが入っているかわからなくなることも。

「家にあるあき箱を活用してみましょう。ラベルをつけてわかりやすさ優先に」

●次は判断がしやすいキッチンを整理

リビングのあとは、キッチンを片づけるのがおすすめ。

「要・不要の判断がしやすく、毎日使う場所なので片づけの効果を実感できるはず。使わないものは処分を検討し、よく使うものを使いやすい場所に収納します」

<これはいらないかも!>

・1つの役割しかない
・重い
・大きい
・おしゃれすぎて使わない
・電子レンジ使用不可の食器
・ノベルティ
・引き出物
・大量にあるカトラリー類

<これはNG どうせわからないからと勝手に捨てる>

どうせわからないからと、勝手に捨てるのはNG。

「親のプライドを傷つけないよう、相談しながら決めて。好きなもの、使いやすいものは本人にしかわからない理由があります」

キッチンが整理できたら、次に片づける場所を親と相談して決めましょう!

親子でケンカにならないための心得&声かけのコツ

自分にとっては「いらないもの」でも両親にとっては「思い出深いもの」ということも。お互いが気持ちよく片づけをすすめるための、ポイントも押さえておきましょう。

●「こんなものいらない!」はNG。思い出の品は目につく場所に置く

一方的に「いらないでしょ」と言われれば反発したくなるもの。

「思い出の品なら、ほこりをふき、目につく場所に飾って。自然と“もういらない”と判断できるようになる場合も」

●「このままじゃゴミ屋敷だよ!」は当然ダメ。責めないようにしよう

高齢になり、ゴミの分別がおっくうになったり、捨て方がわからずたまってしまうケースも。

「責める言い方をせず、手伝ったり、自治体制度を調べ、捨てられる仕組みづくりを」

●「コレちょうだい!」は魔法の言葉

親がものを手放さない場合「ちょうだい」と言うのも手。親は子どもに譲りたいと思っているので、喜ぶはず。

「もらったものは所有者が変わるので、持ち帰って捨ててOK」

●親の代わりに捨てる罪悪感を引き受ける

明らかに使っていないものや、量が多すぎるのに、親が捨てられない場合、ものを捨てることに罪悪感があるのかも。

「親の代わりに罪悪感を引き受けるつもりで捨てましょう」

もっと教えて!実家の片づけアレコレQ&A

こんなときはどうしたらいいの? よくある質問についても教えてもらいました。

●Q:遺品整理など、親本人が判断できないとき、どうしたらいい?

A:ものの管理者が変わったと考えて。自分の判断で進めてOK

親が亡くなったあとの遺品整理は、残された家族が判断。

「できれば元気なうちに一緒に片づけて、なにを大切にしていたかがわかると、後悔がなくてスムーズです」

●Q:実家が遠方で手伝えず…。いい方法はありますか?

A:電話して不要品を送ってもらう、地域のサービスを利用する、などやれることはたくさん!

「チャリティバザーがあるから不要品を送って」と電話で話し、こちらで処分するのも一案。

「ヘルパーさんや行政のサービスに頼る場合は、自治体の取り組みを調べてみて」

 

民間から地域サービスまでさまざまな片づけサービスを活用する手もあり!

遠方に住んでいたり、忙しくて実家の片づけまで手が回らない場合は、無理せず片づけサービスを利用しても。民間のほか、自治体ごとにさまざまなサービスがあるので、まずは調べてみることから!