エンゼルスの大谷翔平【写真:ロイター】

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ジャッジより評価する米記者の意見とは

 米大リーグ・エンゼルス大谷翔平投手は今季投手として13勝、野手としても34本塁打を記録。1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶりの年間2ケタ勝利&2ケタ本塁打をマークした。今季59本塁打のアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)とのMVP争いも注目される中、米記者は「ジャッジは素晴らしいが、オオタニは異次元からやってきた者なのだ」と大谷の価値を説明している。

 昨年に続くMVP候補となっている大谷。投手として規定投球回数まであと14回としており、既に到達している規定打席と合わせてダブル到達となれば史上初の快挙だ。一方、ジャッジはロジャー・マリスのア・リーグシーズン本塁打記録61本の更新だけでなく、三冠王にも期待がかかる。18日(日本時間19日)までの成績では打率.3162でリーグ3位、打点127で同1位になっている。

 米国でもMVP論争がある中、米スポーツチャンネル「バリー・スポーツ」公式サイトでは「アーロン・ジャッジは本塁打を打ちまくっているが、ショウヘイ・オオタニの二刀流の価値には届かない」との見出しで記事が掲載された。

 著者のデービッド・ブラウン記者は「アーロン・ジャッジが残した成績はこの世界でア・リーグMVPを受賞するには十分。オオタニが存在することが彼にとっては残念だった」「ジャッジはこの世のものとは思えないほど素晴らしいが、オオタニは異次元からやってきた者なのだ」などと記載。通常であればMVP受賞に文句なしのジャッジだが、それを大谷が上回っていると考えているようだ。

 2人を比較する際、控えレベルの選手の出場時と比較してどれだけチームの勝利を増やしたかを表すセイバーメトリクスの指標「WAR」が用いられることがあるが、記事では「WARはそもそも代替選手が見つけられることを前提にしている指標。オオタニにWARは使えないのだ。マイケル・ロレンゼンには申し訳ないが、彼と同じような選手は彼しかいないのである」と、WARが大谷を正当に評価する指標になり得ないことを指摘した。

 ブラウン記者は「ジャッジはMVPを獲得するだろう」としながらも「しかし、ジャッジが誰かを打ち取らない限りショウヘイの領域に入ることは出来ないだろう」と、唯一無二である大谷の価値を表現していた。

(THE ANSWER編集部)