「流行りの服もいいけれど、普通で地味な服こそ無限におしゃれが楽しめる」と提案している、イラストレーター・珍田さん。ESSEonlineでも連載を持っている彼女は、「無理せずおしゃれができれば少し自分を好きになれそう」とポジティブなメッセージをも発信していて、幅広い世代から支持されています。今回は、珍田さんの最新刊『着回す、毎日が変わる、私も変わる』(KADOKAWA刊)の編集者であり、ESSEonlineでも執筆する編集・ライターの野田春香さんに、“珍田流着まわし術”を解説してもらいました。

自分なりのベーシックを見つけるのが、おしゃれに自信を持つ近道

珍田さんが提案するファッションの最大の特長は、コーディネートのほとんどをごくベーシックなアイテムでまとめているところ。ESSE読者世代の『トレンドを追いすぎたファッションはそろそろ自分に馴染まない』の気持ちに寄り添ってくれる“ベーシックなのにどこかおしゃれ”をイラストで紹介しています。

イラストだからブランドの指定も値段も関係なく、自分の手持ちのアイテムで考えられるのが、何より親近感を抱きます。

●プレーンな白Tシャツとデニムは365日使える!?

「たとえば白のTシャツやデニムなど、流行がないアイテムって自分の中で着こなしが定番化してしまいますよね。この本では季節別で着回し方の提案をしていて、コーディネートの発見だけでなく時節らしさの取り入れ方の参考にもなります。

秋なら色合いだけでなく帽子や靴下を合わせるのもいいな、など買い物のヒントに。季節感が漂う人は“あの人おしゃれ”と思われるポイントでもあるので、真似できそうなところから挑戦してみて。

●同じ服でも小物を変えるだけで鮮度が蘇る

ワンピースやセットアップなど、服自体の着こなしが1パターンしかないものは、どう飽きずに着続けるか悩みますが、珍田さんは「服はベーシックであるほど小物が映えるから、小物で味変させるのが近道』と話します。

「服の新たな表情を発見できるだけでなく、小物の雰囲気を最大限に楽しめるのもメリット。服の数は増やしたくないけど気分を変えたいなんてときは小物を増やしてみるのもオススメです」

着まわしがきかない服や鉄板の組み合わせに鮮度を出すヒントがたくさんです!

●靴、アクセサリーの使いまわし術も!

靴やアクセサリーを主役に考えたい日もありますよね。珍田さんの手にかかれば“こんな服と合わせてもよかったんだ!”と新たな発見が。

「靴やアクセサリーって適当に合わせてしまうこともあるけれど、主役になれるほどのポテンシャルも秘めています。新しい物を買ったらそれありきでコーディネートを考えたい日もある。小物だってこんなに使いまわせるものなんだなと発見してもらえたら」

インパクトの強い赤いバレエシューズやパールのネックレスなど、単品でキャラクター性の強いアイテムも“こんな服にも合わせられるのか”と意外な発見があるはず。クローゼットで眠っているものも意外な活用法があるかもしれません。

●定番アイテムの着こなし術で、おしゃれの幅をグンと上げる!

この本ではトレンドのアイテムをほぼ使わず、誰でも一着は持っていそうな物を着まわしています。定番アイテムに新たな着こなしを発見できるとおしゃれの幅が広がって楽しくなるし、それを発見できた自分自身のことも好きになれますよね! そういう気持ちの変化もおしゃれの楽しみだなと気づいてもらえたら。

明日なにを着るか迷ったとき、大事な約束でおしゃれを失敗したくないとき、「これなら私も真似できそう」があるはず。ぜひ、珍田さんのコーディネートを参考におしゃれを楽しんでみてはいかがでしょうか。