リノベで「ファミリークローゼット」を導入。手間が減った一方、意外な後悔も…
家族みんなの衣類が一か所に収納できることで人気の「ファミリークローゼット」。家事の時短などメリットがある一方で、ちょっとしたデメリットもあると言います。自宅のリノベーションの際にファミリークローゼットを導入して2年の小林ユリさんにその使い心地を聞きました。
ファミリークローゼットの使い心地。2年使ってわかったこと
洗濯物を洗って干して取り込んで、畳んでそれぞれの定位置へとしまう。洗濯は家事の中でも特に手間暇がかかる部類に入るのではないでしょうか。家族みんなのものがまとめて収納できる「ファミリークローゼット」を活用すれば洗濯にかける労力を軽減させることができます。しかしファミリークローゼットには、共同の収納だからこそ生まれる我慢ポイントもあって…。
ファミリークローゼットのメリットとデメリットについて、実際に2年使ってみて出てきた率直な感想をお話しします。
●ファミリークローゼットを採用したきっかけ
以前、賃貸アパートに住んでいたときは各々の部屋にあるクローゼットに自分の服を収納していました。しかし洗濯物を干して取り込むだけでも大変なのに、その後、夫婦それぞれの服を振り分けて収納するのはとても手間でした。タオルはこっち、下着はあっち、パジャマはここで、外出着はあそこに…。
夫婦ふたり分だけでも大変なのに、この先もしも家族が増えたらもっと大変になるのは火を見るよりも明らかです。そもそも洗濯のたびに家中を行ったり来たりするのは家事動線的にもスマートではありません。
リノベーションの打ち合わせの際、設計士さんに洗濯にかかる時間と労力を軽減させたいとお願いしました。それがファミリークローゼットを設けることにしたきっかけです。
ファミリークローゼットのメリット
クローゼットや押し入れなど、使いやすい収納スペースは生活しやすい家に欠かせないものです。
●1:片づけの手間が軽減した
まず、収納が一か所にまとまったことで洗濯物をあちこちに振り分ける手間がなくなり、片づけがらくになりました。服の多くをハンガーにかけて収納しているのも時短に繋っています。
●2:身支度が一か所で完結する
服やアクセサリー、バッグなどがすべて1か所にまとまっているので、外出の準備にかかる時間も減らすことができました。洗濯物の収納時はもちろん、身支度をするときにも行ったり来たりする手間が省けたのは大きなメリットです。
ちなみに、ファミリークローゼットにしたことでクローゼットの扉や造作工事の数や量が減ったため、リノベーション費用の削減にもなりました。
ファミリークローゼットのデメリット
一見するとよいことだらけのファミリークローゼットですが、実際に毎日使っているとデメリットを感じることもあります。
●1:身支度の時間を家族とずらす必要がある
身支度のわが家のファミリークローゼットは約2畳しかないので、身支度をする時間帯が被ると混み合ってしまいます。出勤時間が被りそうな場合には、どちらかが少し早く起きるなど、あえて時間帯をずらさなければなりません。
●2:においが気になる
体臭の残り香のほか、柔軟剤や香水のにおいうつりが気になります。雨の日や夏場の暑い時期などはとくに顕著に感じられます。
換気用に窓をつけていますが、それでもにおい問題を完全にクリアにすることはできませんでした。
ファミリークローゼット導入の際にやっておけばよかったこと
これは実際に使ってみてわかってきたことなのですが、ファミリークローゼットの使い勝手を上げるため、設計段階でしておけばよかったと後悔していることがあります。
●1:棚をつければよかった
細かく分けて収納できる棚があればバッグやポーチ、アクセサリー類の収納が楽になったことでしょう。現在はカウンターを設置していますが、やはり本来の用途ではないので収納力は低めです。
●2:センサーライトにすればよかった
両手に服を抱えた状態で壁のスイッチを押すのは地味に大変。センサーライトならストレスフリーだったろうなと思います。
●3:鏡をつければよかった
ここで一気に身支度をしてしまうので、鏡を壁に設置できたらよかったです。床に姿見を置いていますが、ただでさえ狭い空間なので邪魔になります。
●4:普通の部屋としても使用できる設計にしておけばよかった
この先家族の増減などにより、部屋の使い方を変えたくなる日が来るかもしれません。臨機応変な使い方ができるよう、ハンガーパイプを取り外し可能にしておけばよかったです。
後悔先に立たずとはよく言ったものですが、せめて筆者の失敗を皆様の家づくりのお役に立てていただければ幸いです。