磁気の力で血行を改善して、コリをほぐす「ピップエレキバン」。自分の好みに合わせて使用できるからこそ、愛用しているという方もいらっしゃるのでは? そんなピップエレキバンもなんと今年で50周年を迎えました。ここまでの道のりには紆余曲折があったといいます。

「感謝の気持ちを直接伝えたかった」。ピップエレキバン驚愕の施策とは?

ピップエレキバン50周年イヤーの今年、さまざまな企画が進行中。しかし、なかには2度見してしまうような驚きのものが…! そこで、その裏側をピップ株式会社 商品開発事業本部 松浦さんにお伺いしました。

【写真】驚き! 商品に封入された「社員カード」

●直接感謝を伝えたい…!その想いが驚きの企画へと

1月から50周年のお祝いとして、パッケージリニューアルや当時のCM復刻など、王道の周年企画を実施してきました。しかし、第5弾にピップが行った企画が、「社員カード」の封入。

「え…?」と思わずにはいられない企画ですが、そのきっかけや反応はどうだったのでしょうか?

「まぁ、最初見た方は驚かれますよね…(笑)。でもこの企画にたどり着いたのにはきちんと理由があって、1つのブランドが50年間ずっと愛され、残っているのは大変貴重なこと。でも、それは『お客さまの支え』があってこそです。そういった感謝の気持ちが常日頃から社員共通の想いとしてあったので、こういう機会になんらかの形で伝えたかったんです」

「直接感謝の気持ちを伝えたい」そう考えたピップ社員は、ミーティングでさまざまなアイデアを出しあいました。そして、ストレートに気持ちを伝えるためには、伝える側の“顔”が見えているのがすごく大切だと気づいたと松浦さんは続けます。

「わたしたちにとって『ピップエレキバン』は、子どものように大切に…大切にと育ててきた商品です。だから、その商品が生まれてからいろいろな人の手に渡って届くということを生産者の顔を見せて伝えたかったんです」

●“わが子”であるピップエレキバンを擬人化した!

そのため、デザインは商品を子どもに見立て、生まれてから成人するまでのライフステージをアルバム風に表現しています。

「出産(誕生)から始まり、成人(出荷)してお客さまにところに巣立つまでを擬人化して表現しています。これは、わかりやすく伝えることに加えて、日常生活でくすっと笑ってしまうような小さなサプライズ要素を合わせていれたかったんです」

気になるのが、その“親”に選出されたメンバー。その選出方法はなにをもとにしたのでしょうか?

「日頃からピップエレキバンに関わってるのセクションで活躍してる人から選出したのですが、なかでも、より『愛が強い方』に直接声をかけました。最初お願いしたときは「えっ…?」と正直戸惑っていましたけどね(笑)。でも、『自分たちの言葉で感謝を伝える』という趣旨を伝えたところ、みなさん満面の笑みで快諾してくれました」

ちなみに100個に1個の確率で、“社長”のキラキラレアカードも封入され、当たったときにはその感動もひとしおです。

●SNSでも話題に。けれど想定外の優しい気づかいが…

初めての試みだった「社員カード」。写っているのは本物のピップの社員で、言うなれば「一般の方」です。そんな驚きのカードの反響をお伺いしました。

「最初、社内ではよくも悪くも戸惑いと驚きの声はありましたね。でも、趣旨の理解や感謝の想いは社員にしっかり伝わっていたので、『斬新でおもしろいアイデア』だと、好意的な意見が多かったと思います。レアカードの社長もありがたいことに、ノリノリで撮ってくれましたね(笑)」。

そしてちょっと意外だったのがSNSでの反応なんだとか。

「SNSで投稿してくださった方も多かったのですが、みなさん気をつかってくださって、カードの顔に『ぼかし』を入れて投稿してくれたんですよね(笑)。悩みどころかと思いますが、手元に来たカードはそのまま顔出ししていただいて大丈夫です! あとは、商談や展示会などでご挨拶する機会もあるのですが、私のことを『カードの方ですね』と知っていただけてるということもあるので、それはうれしいですね」

ただ一方で課題も見つかりました。

「ピップエレキバンの箱には袋に入った本体と説明書が入っています。社員カードは説明書にはさんでいたのですが、それがちょっと目立たなかったのか、カード自体に気づかれない。といったパターンもあったようで…。それはちょっと悲しかったですね…」

ということで、購入した際は、ぜひ説明書の中までご確認を。想いがつまった「社員カード」に心も温まりますよ。

●究極の目標は「肩こりをなくすこと」

このほかにも50周年企画では「コリナイ・プロジェクト」として、肩こりを考えるきっかけや、解決策など、楽しく肩こりについて紹介しています。

「やはり肩こりは、体の不調でもあるのでポジティブな話ではないんですよね。しかも、日本では60%の方が肩こりに悩んでいて…これは、生産性を下げる国民病といっても過言ではないくらい重要な問題だと思っています。だから、ネガティブなものをまじめに情報として伝えるのももちろん大切ですが、肩こりについてポジティブに、広く考えてもらう機会を1年通して紹介していきたいです」

肩こりの問題と真摯に向き合う松浦さんに、ピップエレキバンが50年愛される理由を尋ねてみました。

「よくもわるくも、ピップエレキバンは縁の下の力持ちだったから、長い間つかっていただけたのかな…と。派手さはないけど、時間もかからず飽きられにくい。肩こりの対処法はいろいろと制約があるかと思いますが、そのなかで、親しみやすさや使いやすさ、手軽さが長年愛される理由だと考えています」

「私の究極の目標は、肩こりをゼロにすること。でも、そのためには、まだほど遠く、お客さまのライフスタイルも日々変化されているので、情報発信もアップデートしつつ、もっといろんな人にピップエレキバンを試してもらう機会や、肩がこったときにまずは思い浮かべていただけるよう、これからも感謝の気持ちを持ちながら、お客さまとの関係構築、情報発信をしていきたいですね」