円安で値上げ連発 俄然注目の中古スマートフォン! 知っておくべき売るとき・買うときの注意

写真拡大

異常気象、不安定な世界情勢、続く円安、半導体不足……
今、さまざまな困難が私たちの生活を直撃している。

毎月のように生活用品の値上げが報道され、ガソリン代の止まらない高騰は補助金でなんとかギリギリ踏ん張っているところだが、それでも高い。

そんな中で、もはや生活必需品となったスマートフォンの値上がりも深刻だ。
今や「スマートフォンのない生活なんて考えられない」
そんな中での数万円単位のスマートフォン値上げでの出費は、
確実に家計を圧迫、打撃を与える。


●パソコンよりもスマートフォンのほうが高い!?
スマートフォン高騰の背景は、先に挙げた半導体不足や円安の影響が特に大きい。

例えばiPhoneでは標準的なモデルで10万円を超え、上位機種でフルスペックを選べば20万円を軽く超える。もはやパソコンよりも高い。
しかも1〜2年程度で「旧型」になり、うっかり落とすなどすれば、短期で買い替えを余儀なくされることもある。

冷蔵庫などのいわゆる白物家電なら20万円で買っても10年、20年と使える。それに比べるとスマートフォンのコスパはとても悪い。

物価の上昇で家計も厳しくなる一方、正直、スマートフォンに10万円なんて出したくない、出せないのが現状だ。分割払いを使っても、支払うことには変わりない。

だから今、中古スマートフォンに需要が集まっている。


●いまのスマートフォンは、旧型でも困らない
正直、スマートフォンは、最新機種でなくても十分使える。
・映画を撮るような最新のカメラ機能を使いたい
・リアルな3Dグラフィックのゲームをしたい
といったことを求めなければ、2〜3年前の「旧型」でも問題ない。

つまり、
・電話ができる
・ネットが使える
・LINEやSNS、TikTokで遊べる
こうした多くの人が必要とする基本的な機能だけなら、旧型でも十分だ。
2〜3年前の機種ならカメラも実にキレイに撮れる。

実際に秋葉原など電気街を歩けば、中古スマートフォンを扱う店舗で人が絶えることがない。自分の目で現物を確かめれば、気になるような傷が少なく、状態の良い中古スマートフォンが並び、「これで十分」と思うだろう。

市場は活況で、需要が多いことから買い取り価格も上昇傾向で、「売る人」「買う人」が交錯している。


●フリマサイトでの購入はおすすめしない
ただここで、気を付けておきたいことがある。
まずは買うとき。

何より「動くかどうか」をしっかり見極めて買うことに注意しよう。

値段だけを考えれば、ネットのオークションやフリマサイトが安い。しかし、悪質なケースがあり、注意が必要だ。

・バッテリーが劣化している
・水没させた
・落とした
このような場合でも、特に何も書かず出品しているケースもあるのだ。
もちろん、しっかりと状態を明記している出品者も多いが、怪しいものが多いのも現実だ。

特に、分割払いで購入したスマートフォンは、代金の残債があると通信できない場合もあり、「IMEI」というスマートフォン1台ごとに割り当てられているID番号を確認する必要がある。

フリマサイトやオークションサイトでは「IMEI」を明記するように定めているのだが、書いていない出品も見かける。

公式Webサイトにある新品の写真をコピーしてフリマサイトで使っている場合も、届いてみたら傷だらけということがある。「傷がひどいか、きれいか」は個人の主観なので、傷だらけでも出品者が「きれいな方です」と言ってしまえばそれまでだ。


●買うときは安心できる店舗がオススメ
しっかりとした知識があり、状態をすべて事前に確認できる場合を除けば、
中古スマートフォンは店舗で購入することをオススメする。

店舗なら、
・バッテリー状態を含め、しっかりと状態を明示して販売している
・店舗で動作確認を行っている
・一定期間の動作保証を付けている店舗もある
店員に「自分のキャリアやプランで使えるかどうか」を確認できるのも安心だ。

ただし、安い機種に目が向いても、あまりに古い機種は避けた方がよいだろう。
たとえ今は使えても、今後のOSのアップデート対象から外れると、一部のアプリが使えなくなることもある。1つ2つ前のOSであればおおむね問題はないとはいえ、買ったとたんに使えなくなるのでは困る。
2〜3年程度前のスマートフォンぐらいをメドに考えるとよいかもしれない。

店舗での購入はネットの相場よりも多少は高くなるが、中古でもそれなりの値段がするものだし、安心できる買い物をしよう。


●売るときはデータの初期化を忘れずに
一方で、機種変更で不要になったスマートフォンは、売ればいいお小遣いになるかもしれない。買い取り価格も上昇している。特にiPhoneなどの人気機種は型落ちしてもあまり値段が下がらない。

ただし売る前には必ずやっておくことがある。それは、「データのバックアップ」と「スマートフォンの初期化」だ。

使わなくなったスマートフォンをそのまま手元に置いておく大きな理由に「撮った写真やメールは思い出だからとっておきたい」というものがある。

ガラケー全盛期からなぜか脈々と引き継がれる伝統の写真やメールの保存問題だが、今はクラウドでしっかり保存しておくことができる。GoogleフォトやiCloudバックアップを使えば、機種変したあとでもいつでも写真を見られる。だから、売る前にバックアップしておけばよい。

それよりも大事なのは、スマートフォンの初期化だ。
スマートフォンには必ず初期化するメニューがある。これをやっておかないと、次に使う人に個人情報を見られてしまう。店舗に買い取ってもらう場合は店舗でも初期化作業をするが、その前に自分で初期化したことを確認しておくと安心できる。

初期化は「データを消す」ことではなく、「買った時の状態に戻す」ことで、単純にデータを消しただけでは、アカウント情報をはじめとする個人情報などは残ってしまうので注意しよう。
特にiPhoneでは「iPhoneを探す」機能をオフにしておくことも重要だ。

売る場合も、できれば店舗に持ち込むことをオススメしたい。
本人確認が必要なので運転免許証などを持参し、査定してもらい、その場で現金を受け取ることができる。もちろん傷が少なく、箱や説明書がそろっているほど査定も高い。

一方でネットオークションやフリマサイトの方が、売れる金額は高くなる傾向はあるが、いくら状態の写真を撮って細かく説明しても、認識の違いでトラブルになることもあるし、悪意を持って初期化したスマートフォンを特別な技術でデータの復元をされるなんていうリスクもゼロではない。

店舗なら「誰が持っていたかわからない」状態で販売できるので安心できる。

高すぎるスマートフォン。中古でも「ほぼ未使用に見える」ほど、状態の良い掘り出し物もあるし、「予想外の値段で売れる」こともある。生活必需品だけに、負担を軽くしながら賢く手に入れよう。




執筆 八木重和