キッチン選びで迷うワークトップの素材。種類はさまざまあるものの、人造大理石かステンレスの2択で迷う人は多いのでは。3年前に地元工務店で注文住宅を建てた日刊住まいライターは、ステンレスを選びました。ステンレストップのキッチンを使ってみてよかったこと、微妙だった点を紹介します。

ステンレストップを選んだ理由

もともと、オールステンレスのスタイリッシュなキッチンに憧れがあった筆者。しかし、オールステンレスキッチンは、比較的に高額になりがちです。建坪35坪、予算2000万円という枠組みで、ローコスト住宅を建てようと思った筆者は、選べません。そこで採用したのが、リクシルのキッチン「アレスタ」。ステンレストップにエンボス加工がされています。

当初、人造大理石のワークトップも選択肢にはありました。しかし、以下の理由から却下。
・白っぽい質感が好みでない
・手入れをおこたるとシミができる
・ステンレスのワークトップの使用経験があり、使い慣れていた

 

ステンレストップにしてよかったこと

1.熱いものをそのまま置ける

ステンレスは熱いものに強く、鍋ややかんなどをそのまま置けます。

とはいえ、やっぱり新しいキッチンでいきなり熱い鍋をドーンと置くのは抵抗があった筆者。家を建ててから2年くらいは、気を使って鍋敷を利用していました。ただし今では、気がゆるんできて熱いまま置くことも増えています。

一方、人造大理石は熱いものに弱いので、熱い鍋を置くときは鍋敷きなどを使うことに。筆者は、ズボラな性格なので、ステンレスにしてとてもメリットを感じています。

 

2.シミ汚れができない

ステンレスは汚れが染み込みません(もちろん、表面は汚れますが)。少々掃除を忘れても、人造大理石のようにシミがついたりしません。

 

3.トップとシンクがシームレスに使える

わが家がキッチンアレスタを採用した理由のひとつ。それは、「Wサポートシンク」という機能があったからです。

「Wサポートシンク」とは、シンク内にもプレートが置けて、シンク内を2段に分けて使えるというもの。セットしたプレートの上を調理や水切りスペースなどに活用できます。

この「Wサポートシンク」を使うにあたり、ワークトップとシンクで素材が分かれるのがイヤなので、ワークトップがステンレスのモデルを筆者の場合は採用しています。

 

4.カッコいいインテリアと相性がいい

もともとオールステンレスキッチンに憧れて、カッコいい男前なインテリアが好きな筆者。エンボス加工のステンレスワークトップでは、憧れていたオールステンレスキッチンとまでいきませんが、それでもカッコいいキッチンになりました。

ダークブラウンのキッチンパネルと、ステンレストップはよく合ってると感じます。

 

5.ワークトップが、人造大理石より安い

リクシルのキッチンでは、人造大理石トップよりもステンレストップの方が価格が安かったです。数万円の差はあったのではないでしょうか。

ステンレストップにして微妙だったこと

1.傷やへこみがつきやすい

ステンレスはタフな素材。しかし、細かい傷やへこみがつきやすい性質があります。写真のように、今では細かい傷がそれなりに。

最初はピッカピカだったので、細かい傷がつくたびに残念な気持ちになっていましたが、今は慣れました。

 

2.思ったより汚れが目立つ

汚れについては、人造大理石よりもステンレスのほうがメリットが多いと感じていました。しかし、ステンレストップも意外と汚れが気になります。ピカピカしてる素材なので、指紋や水滴、小麦粉の粉など、あらゆる汚れが目立つことに。

しかし、これはよいことでもあります。「シルバーは輝いてないといけない!」という思いが働き、キッチンを使ったあとは、必ずマイクロファイバーふきんでふきあげる習慣がつきました。

 

3.時間がたつとくもりが出てくる

日々きれいにふきあげていても、時間がたつと最初のピカピカは損なわれて、くもりが生じてきます。おまけに、水滴が乾いて水アカになると、これも目立つ…。ずっと放置すると、昔の家みたいなくすんだ輝きのないステンレスキッチンに。

 

しかし、定期的にクリームクレンザー(ステンレスに対応したもの)を使い掃除をすると、上の写真のように、新築のころのピカピカに戻ります。

 

4.食べ物の写真を撮っても映えない

食べものの写真が映えない。これは…完全に盲点でした。料理が好きで、写真をSNSアップするのが好きな方にはステンレストップは向かないかもしれません。

筆者が、ステンレストップで食べ物を撮影すると、こんな残念な結果に…。なんだか映えません。照明が反射するし、ステンレスが背景だとどうも生活感が…。

 

一方、人造大理石のトップで食べ物を撮影すると、いかがでしょう。食べものをおいしそうに見せるだけでなく、お皿もすてきに撮れるのです。

機能面を考えると、ステンレスは耐熱性が高く、割れる心配がなし。タフなので、ズボラ人間でも、気をつかわずにつきあえるなど、よいところはたくさんあります。一方で、意外に掃除が必要という、面倒な一面も。筆者が感じたことを、ぜひキッチンのワークトップ選びの参考に。