団地の押し入れを壁面収納に。古いものを大切にしながら豊かに暮らすヒント
暮らし系Youtuber Hayaoさん。古い団地に住んでいる一児のパパです。古さに負けずにDIYで自分らしく改造するワザや、おばあちゃんから習ったような懐かしい暮らしの知恵は必見。そんなHayaoさんに、楽しく豊かに暮らすヒントを教えてもらいます。
使いにくい押し入れをインテリアとして生かす方法
今回は、押し入れの改造について。題して「僕の押し入れ革命」です。
僕の押し入れ革命は、使いにくい押し入れをインテリアとして生かすために始まりました。
何だかジメッとしていて暗くて奥行きがあるので収納しにくそう……。そんなマイナスイメージの場所を秘密基地と言えるぐらいワクワクしたものに好転させたかったのです。
僕が古い団地に住み、日々の暮らしをYouTubeで発信しているのもそんな理由かもしれません。
●襖を外し、見せる収納に
押し入れ革命とかいって、これはちょっとカッコつけた言い方で、真の理由は夫婦そろってぎっくり腰になったからです。去年産まれて、生後半年で体重9kg台に突入した重〜い息子。床でほぼすべての育児をしていた僕たちは、中腰体勢をやめて、おむつ台がほしいとなったわけです。
置く場所を考えて周りを見渡した時思いつきました。押し入れだ! と。これが高さもぴったり。繰り返しやすいと言われるぎっくり腰ですが、押し入れを活用して以降はなっていません。
住んでいる家は賃貸なのでネジの穴などはあけられません。その場合は、つっぱり棒の活用はもちろん、クランプで板を挟んでその板にフックを取りつけてしまえば、高いところにものがかけられるようになって押し入れに新しい空間が生まれます。
●子どもの頃の感覚を取り戻せる場所に
僕は子どもの頃も団地に住んでいました。あの頃の感覚を取り戻せる場所にしたいと思ったので、当時好きだった昭和のキャラクターのハンガーフックやリンゴ箱、レトロな柄の茶箱、柳行李を使って収納しています。
リンゴ箱は野菜の直売所に片っ端から電話をかけて安く譲ってくれるところはないか聞きました。普段人見知りの僕ですが、居心地の良い部屋つくりのためだったら苦労もいといません。ちなみに外した襖は、リンゴ箱の後ろに重ねて収納しています。
茶箱は初めて、知らない方と待ち合わせをして引き取らせていただきました。当日、ドキドキして指定された場所に向かうと優しそうなおじさんが車で来ました。実は茶箱というのは茶葉を守るために調湿機能があります。おじさんから茶箱の中になにを入れる予定かを聞かれました。
僕が『まだ入れるものは決まっていませんが、インテリア用です』と答えると、まさか30代半ばの男がインテリアで使うなんて思っていなかったのでしょう。おじさんが目をまるくして不思議そうな顔をしていたのが忘れられません。
その帰り道、車を運転しながら思ったものです。他者にとってはもう役目が終わったものでも、僕にとっては違う表情をみせてくれるということ。そこに美しさを見出せることが嬉しくてたまらないのだということ。
今、あのおじさんに伝えたいです。あなたが譲ってくれた茶箱には、ガラクタだけど僕にとっては思い出のものたちを大切にしまっています、って。