モーニング娘。3期メンバーとして13歳でデビューし、絶対エースとして活躍をしていた後藤真希さん(36歳)。あれから23年、ソロ歌手デビュー、グループ卒業、事務所の移籍、そして休業を経て2014年に復帰したのち、結婚。現在は二児の母となり、アパレルのプロデュースや美容商材の広告、Youtubeチャンネルでの発信など、タレントとしてのテレビ出演など、幅広く活動の場を広げています。そんな後藤真希さんが来月、歌手として、久しぶりのライブツアーを開催。今回は、その意気込みについて伺いました。

 

後藤真希さん、歌手としての思い。デビューから23年を振り返って

――9月に単独ライブを予定されていますが、お客さんを動員した大きな規模のライブは、活動休止を決めた2011年12月の幕張メッセのライブ以来、じつに11年ぶりです。またツアーをやってみようと思ったきっかけを教えてください。

後藤:ずっとファンの方をお待たせしちゃっているなって、思っていて。一昨年に配信でのライブを開催したんですが、やっぱり目の前にファンがいないというのがすごく寂しいと感じました。去年と今年の春に「ビルボード」という会場でお客さんを入れてライブを行ったりもしましたが、着席タイプだったのでお行儀がいいというか、今までの声を上げられるライブ会場とは違いましたね。そこで今回は、今までのような雰囲気の会場で継続的なツアーという形にしました。

――ご自身もライブをやりたかった、という思いはあったんですか?

後藤:歌は、なんでしょう…正直プレッシャーですね(笑)。昔みたいに1年じゅうずっとライブをやっているときは、ツアーごとに成長を感じていたんですけど、今はそこまでの活動をしていないので、とにかく緊張しています。配信やビルボードでライブをやったときも、「ライブの感覚ってどうだったっけ?」と思い出すまでに時間がかかったくらいなので。でも、一番はファンの方が喜んでくれたらいいな、という思いでやっていますね。

●13歳に歌った曲を披露。ファンから「エモい」

――今回のライブは、カバー曲メイン。後藤さんのYoutubeチャンネル「ゴマキのギルド」では、シャ乱Qの「ズルい女」、LiSAの「炎」など、新旧さまざまな楽曲のカバーを歌っていますが、選曲はご自身の思い入れのある曲なのでしょうか?

後藤:私が選んでいる曲もありますけど、スタッフさんとも相談をしています。自分が好きな曲ばかりだと偏ってしまうので、いろんな方の意見も交えながら決めていますね。たくさん選んできた中で、モーニング娘。のオーディションで歌った「BE TOGEHER」も披露してみたんですが、ファンの方から「エモい」って声が多かったですね(笑)。

――10代の頃に歌った曲を今歌うってどんな心境でしょうか?

後藤:声の出し方、表現の仕方は変わったかなって感じます。オーディションのときは緊張も尋常じゃないくらいしていて、「ただ歌っているだけ」って感じでした。当時は13歳だったので曲を聞いて歌詞を理解するなんて一回もできたことがなかったですし…。そう自分の変化を感じていると、「あぁ、私は歌ってきたんだな」って感慨深くなりますね。

誰かの曲を歌うことに関しては、カバー曲を出させていただく機会も多かったので違和感はありません。中島みゆきさんの「空と君とあいだに」とか工藤静香さんの「恋一夜」とかもCDで発売しました。「ハロー! プロジェクト」にいたときも番組で歌謡曲を歌うこともありましたし。それでも当時から感じていたのは難しいなってこと。もともと誰かの曲なので、自分が歌って違和感を与えてしまわないかなっていうのは気をつけています。

――かなり練習をされているんですね。

後藤:カバーする前にとにかく原曲を聴き込むようにしています。1行ずつ繰り返して聴いて、細かいブレスとかリズムの取り方、聴いているうちに自然とインプットされて歌えるようになっていきます。だから、その歌い手の方と声質が似ていると、本当にモノマネしているみたいに似ちゃうこともあります。「負けないで」をカバーしたZARDの坂井泉水さんに声が似ている、と言われることもあって。自分では「そうなのかぁ」って感じなんですけどね。

 

●30代になってモーニング娘。として歌番組に。衣装や髪型は「戦略」だった

――ライブ活動はご無沙汰といいつつ、数年前にはテレビで、モーニング娘。OGメンバーとともに、センターとして歌番組のステージに立ったことがSNSを中心に話題になりました。ブランクを感じさせないというか、もはや現役時代さながらのその仕上がりに驚かされました。

後藤:あれは戦略です(笑)。ほかのメンバーのみんなは「そこまで肌を出さないよな」とか「髪は巻くよな」とか「メイクもこんな風にするよな」って考えて、私はその真逆を行くことにしました。メイクも薄くして、肌も一番出していて、髪型もツインテールにして、という感じに。

――目論見通りですね! ご自身の戦略が見事に当たりましたね。

後藤:でも、実際は楽屋の中で「大丈夫かな、大丈夫かな」って最後まで自分にツッコんでいましたけどね。いざステージに立ってみたら、大丈夫でした(笑)。