野菜は「丸ごと冷凍」でむしろおいしくなる。食費節約にも効果的な理由
「野菜はまとめ買いがお得だけど、使いきれない…」「冷凍のための処理が面倒だし、解凍したら味が落ちる」。そんな悩みを解決するのが、「野菜まるごと冷凍」。そのまま冷凍するだけで、解凍の手間もかからず、普通に料理に使えます。しかもおいしくなる! いいことずくめの冷凍法を、料理家・沼津りえさん直伝の冷凍トマトレシピとともに紹介します。
野菜まるごと冷凍でおいしく節約。基本の冷凍法
野菜は丸ごと冷凍することができるって知っていましたか? 長持ち&おいしくなるおすすめの保存方法です。
●1:ふく
野菜についている水気と汚れをとるだけ。水洗いはできるだけ避けて。下処理は必要なし!
●2:ポリ袋に入れる
ポリ袋(冷凍専用でなくてOK)に入れ、できるだけ空気を抜いて口を縛る。
●3:冷凍室に入れる
完全に凍るまでひと晩ほど。そのあとは、ほとんどの野菜はおよそ1か月保存可能。
●使うときは1分水に浸すだけ
1分ほど水に浸すと表面が少し溶け、トマトやタマネギは皮がつるりとむけます。中は凍った状態でも思いのほか切りやすく、すぐに調理が可能。
まるごと冷凍Q&A
作業前に気になる疑問についても解決しておきましょう。
●再冷凍はしてもいい?
味が落ちるので基本はNG。サイズが大きい野菜は水に30秒〜1分浸してから使う分だけカットし、使わない分は素早く冷凍室にしまって。ただし1回まで。葉物の再冷凍はNG。
●冷凍できない野菜はある?
ありません。ただしキャベツやブロッコリー、大根などの大きな野菜はカットして冷凍を。
●冷凍するタイミングは?
鮮度のよいうちがベストですが、「使いきれないな」と思った時点で冷凍するのも、もちろんOKです。
野菜まるごと冷凍3大メリット
「冷凍するのは面倒だな」なんて感じた人もちょっと待った! 野菜を冷凍するとこんなメリットがあるんです。
●1か月程度保存できる
ほとんどの野菜が3週間〜1か月ほど保存可能。まとめ買いやたくさん手に入った野菜はムダにしてしまう前に冷凍を。
●下処理なしでOK
皮をむいたり、切ったり…面倒な下処理は必要ないから、ズボラさんでも安心。持ち帰った野菜は、なにも考えずに冷凍室へ!
●むしろおいしくなる
皮ごと冷凍するから鮮度が落ちず、味もキープ。繊維が壊れることで野菜の甘味やうま味は出やすくなり、苦味はやわらぎます。
冷凍トマトのおすすめレシピ
保存期間は1カ月。冷凍するとうま味が凝縮されて甘味がアップ! 水に1分ほど浸せば皮がつるんとむけるので使い勝手も◎。
●冷凍ミニトマトのうま味たっぷりスープ
トマトのうま味が凝縮されて、だしいらず!
材料(4人分)
冷凍ミニトマト 16個
ベーコン 2枚
水 3カップ
塩 小さじ1/3〜1/2
コショウ 少し
パセリ(みじん切り)、粗びきコショウ(黒・好みで) 各適量
【つくり方】
(1) 鍋に分量の水を入れて強めの中火にかけ、ベーコンを2〜3cm幅に切って入れる。
(2) 冷凍ミニトマトは水に30秒ほど浸し、ヘタを取り、皮をむきながら(1)に加える。煮立ったらアクを取り、トマトがくたっとするまで1〜2分煮込んで塩、コショウで味をととのえる。
(3) 器に盛り、パセリ、黒コショウをふる。
[1人分48kcal]
●キンキントマトの冷やし中華
冷凍トマトをからめれば麺が締まり、コシのある状態をキープ!
材料(4人分)
冷凍トマト 2個
中華蒸し麺 4玉
卵 1個
塩、サラダ油 各少し
サラダチキン(市販品) 150g
カイワレ 1/2パック(約20g)
A[酢大さじ5 しょうゆ大さじ4 砂糖大さじ3 ゴマ油大さじ1]
【つくり方】
(1) 錦糸卵をつくる。卵に塩を入れて溶きほぐし、フライパンにサラダ油を弱めの中火で熱して流し入れ、薄焼き卵を焼く。粗熱がとれたら細切りにする。
(2) サラダチキンは食べやすくほぐす。カイワレは根元を除く。Aは混ぜ合わせる。
(3) 中華麺は袋の表示どおりにゆで、流水で洗って水気をきる。冷凍トマトは1分ほど水に浸して皮をむき、ヘタを取ってざく切りにする。麺と混ぜ合わせて器に盛り、(1)の錦糸卵、(2)のサラダチキンをのせ、Aを回しかけてカイワレを添える。
[1人分447kcal]
<POINT>冷凍すると皮が簡単にむける!
1分ほど冷凍トマトを水につけると皮に亀裂が入り、そこからつるっと皮がむけます。