金曜ドラマ『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS系、毎週金曜よる10時)には、じっくり何度も味わいたくなるシーンがある。


29日に放送された第3話で注目したのは、W主演の二人“石子”有村架純と“羽男”中村倫也が電話で話すシーン。放送時、羽男のナチュラルな電話口でのやりとりにプライベートな中村倫也を想像してニヤニヤしてしまったファンも多かったようだが、このシーンをじっくり見てみると、ドラマ『石子と羽男』の味わい深さがたっぷり詰め込まれていたのではないかと感じる。

(以下、第3話一部ネタバレあり)



夜。弁護士・羽男の自宅。正面にあるカップラーメンの高さから少し見上げるようなカメラアングルで映された羽男の顔は険しい。家族との豪勢な食事会は、喉も通らなかったか、食べた気がしないほどの圧力がかかっていたのか。

卓上のライトが照らすのは羽男の手元の方。少し眉間にしわを寄せた顔には、あまり光が届いていない。着信が入り、スマホを取りに向かう足取りからも苛立ちが見える。まとう空気は“負”。軽快に、チャーミングに天才ぶっていた面影はゼロ。

台詞量と速さだけでももう「すごい!」と唸ってしまうが、こういうゆっくりと本音を話すシーンもまた、二人ならではの魅力があふれていた。


電話シーンは3分強。今回は電話シーンだけを取り上げたが、その魅力の密度で紡がれる1時間。もちろん、二転三転するストーリーの面白さと他人事とは言えないタイムリーな問題を問いかけてくる重さはどっしり。


第5話予告映像には、石羽コンビがジャンケンをしたり、ケガをした羽男に石子が寄り添う様子も。次回もやっぱり楽しみでならない。




潮法律事務所に堂前絵実(趣里)から弁護の依頼が舞い込む。妹の一奈(生見愛瑠)が運転する電動キックボードにぶつかって転んだ新庄隆信(じろう)が、帰宅後に容体が急変。警察がひき逃げ事件として捜査し、一奈が逮捕されてしまったのだという。


一奈から「すぐに男性に駆け寄った」と聞いた石子(有村架純)と羽男(中村倫也)は示談の可能性を探るが、新庄の妻はひき逃げを主張。裁判に持ち込まれ、羽男は姉で検事の優乃(MEGUMI)と争うことに。


さらに、事故当日の目撃者探しをしていた石子と羽男は、真相を探ろうと思わぬ行動に…!


■金曜ドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』
毎週金曜よる10:00〜10:54

(C)TBS