油断してしまうとものがたまっていってしまう「食器棚」。すっきりさせたいと思いつつも、コツがわからないという方もいるのでは? そこで、整理収納アドバイザーの小林志保さんに、50代からの“シンプル”なキッチン収納について教えてもらいました。

食器棚の収納をパズル化しない仕組みつくり

食器棚から食器を取り出すときに、横の食器に引っかかり落としてしまった経験はありませんか? 年齢のせいではないかもしれませんが、このような不注意が50代手前になって増えてきたような気がします。

お気に入りの食器が割れてしまったらとても悲しい気持ちに…。そして割れた食器の片づけにも手間がかかってしまいますよね。そんな手間をくすため、キッチン収納はシンプルな仕組みにしたほうがいいと考えています。

●使いにくい収納にはあいたスペースがない

わが家の食器棚も、昔はものがギュウギュウにつまっていたため、あきスペースがまったくなくて大変使いにくい状態でした。

ものがつまった状態でものを取り出すと、欲しくないものまで一緒に連なって出てきます。また、出したものを同じ場所に片づけようと思っても、雪崩のようにものが崩れてくるので、いざ元の場所にものを戻そうと思っても片づけるスペースがない状態。

キッチンの食器棚も同様で、お皿とお皿の間が空いているからとパズルのようにすき間に入る食器を納めてしまうと、気づけばギュウギュウづめの食器棚の出来上がりとなってしまいます。

●きちんと整列させるイメージが大切

そこで、無造作にものを置いてしまうのではなく、ものを整列させるイメージで定位置を決めていきます。食器棚であれば、前列、後列、縦と横。

たとえば、ときどきしか使わない食器は後列に。よく使う食器は前列に配置することで毎日の食事の準備が一段とラクになります。

グラスやカップなど数のあるものは縦に一列に並べることで、使いやすさももちろんですが見た目も美しく整える事ができます。

食器は整列させることで、手が引っかかって落としてしまう事故を確実に減らせますし、食事の用意もスムーズに行うことができます。

●コの字ラックなどを使って重ねない工夫を

使いにくい食器棚をつくる要因のひとつに、「何枚も食器を重ねてしまっていること」があげられます。できれば、枚数は少なめにし、異種の食器も2種類までに抑えてほしいところです。

市販で売っているコの字のラックを利用することで、種類が違う食器もスッキリと片づけることができます。食器を重ねる必要もなく空間も確保できるので、とても使いやすい仕組みをつくりだすことが可能に。こういったアイテムを活用していくことも大事ですね。

●食器の数が多い場合は使用頻度から収納場所を考える

食器の数はできるだけ減らした方がいいのはわかっていても、そんな簡単に減らせない…という方には、普段使いのモノとあまり使わないものとの収納場所を分けることをおすすめします。

わが家は義母と同居をしているので、定期的に遊びにくる義兄妹のためにも食器を多めに保有する必要があります。

ですから、普段使わない食器は100均のケースなどにまとめて入れて別の場所に保管しています。必要なときにだけそこから出して使っているので「使ったら戻す」の流れで、みんなが帰宅後は元の位置に戻して、普段はスッキリと片づけられています。

同じものでも使用頻度で区別することで、数が多くても問題なく整えることができるのです。

収納ケースの選び方は、デザインで選ぶか? コスト重視か? 人によってそれぞれですが、どんなものを選んでも色、形は同じものをそろえて横一列に並べることがポイントとなります。

ちなみに70代の義母と同居中のわが家では、中身が少しでも確認できるメッシュのカゴを使っています。

●収納のコツはものを整列するイメージで仕組みつくりを

食器棚に収納する場合も、引き出しを使って収納する場合も、コツは食器を整列させること。イメージは、学校の体育の時間の「前にならえ」です。

整列させる為のルールと一定の空間を意識して「並べる」ことでラクに使えるキッチンの仕組みづくりができるようになります。

50代からの生活は、ラクに生きるを目標に日々の生活を直してみてはいかがでしょうか?