厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」の都道府県別賃金によると、給与の平均は月30万7,400円なのに対し、東京都の平均給与は36万4,200円。全国で最も高額となっていますが、東京都23区の各エリアで、給与額はどの程度の差があるのでしょうか。

東京23区で平均年収が最も高い区は「港区」で1,185万円!

総務省「市町村別内訳/課税標準額段階別令和3年度分所得割額等に関する調」より、課税対象所得を所得割の納税義務者数で割って筆者算出(※小数点第1位を四捨五入)

総務省「市町村別内訳/課税標準額段階別令和3年度分所得割額等に関する調」をもとに東京23区の平均年収を比較すると、最も平均年収が高額なのは港区で1,185万円、2位が千代田区で985万円、3位が渋谷区で912万円、4位が中央区で713万円、5位が目黒区で639万円でした。

港区と言えば、麻布や白金台などの高級住宅街が多く、各国の大使館も集まるエリアです。また、東京商工リサーチの2021年全国「社長の住む街」調査の社長が住む街ランキングでは、1位が赤坂、3位が六本木、4位が南青山など、上位の多くを港区が占める結果に。港区住民の7人に1人が社長と言いますから、高収入も当然なのかもしれません。

東京23区で平均年収が最も低い区は「葛飾区」で357万円

総務省「市町村別内訳/課税標準額段階別令和3年度分所得割額等に関する調」より、課税対象所得を所得割の納税義務者数で割って筆者算出(※小数点第1位を四捨五入)

東京23区の中で年収が低いのは、1位が葛飾区で357万円、僅差で2位の足立区も357万円、3位は板橋区で377万円、4位は江戸川区で378万円、5位は荒川区で388万円でした。
最も年収が多い港区の1,185万円と比べると、葛飾区や足立区の年収は3分の1程度と大きな差が出ましたが、これらの区は東京23区の中で地価が安いエリアであること、東京都の中でも製造業に従事する人が多いエリアであることなどが理由として挙げられます。

漠然と「高収入」というイメージがある東京23区内ですが、地域により年収に大きな違いがあることが分かりました。住宅購入などの際、東京23区内はハードルが高いと感じている方は、平均年収が低めのエリアを狙えば、等身大の暮らしができるかもしれませんね。