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はじめに

スポーティなものは売れる。マーケティングでは、これが長い間の常識だ。だからこそ、広告に描かれる優雅で裕福なひとびとはテニスやハイキングに興じているのであって、彼らが数学の難問と格闘していることなどありえない。

【画像】写真で見るDS 4とライバル 全17枚

BMWがMスポーツを、メルセデスがAMGラインを積極的に設定しているのも、猫も杓子もスポーツモードを設定しているのも、やはり同じ理由だ。ヤボったい4スポークのステアリングホイールなどというものは、今や絶滅危惧種だ。


テスト車:DS 4 E−テンス 225 パフォーマンスライン・プラス    JOHN BRADSHAW

しかし、ほとんどのユーザーはそれほどスポーティでダイナミックなハンドリングを必要していないのだから、じつに矛盾した話だ。B級道路を攻めたいドライバーばかりではないし、日常使いでは荒れた道でも扱いやすく、静かで、クッションの効いた乗り心地を求めるはずだ。

それでもマーケティングの力は強い。それゆえ、快適志向のブランドやクルマはすっかり少なくなってしまった。その状況に変化をもたらそうとしているのがDSだ。

シトロエン発の高級ブランドは、2016年に母体から独立を果たし、明確で一貫した商品戦略とデザインを確立した。最初のモデルは、シトロエンDS3として登場したDS 3で、ミニを意識したスポーティなモデルだった。かつての4や5も風変わりなばかりで、感心するほどのクルマではなかった。

3クロスバックや7クロスバックで、DSが進むべき道を見つけはじめたのだとしたら、9は正しい方向へ進んでいると言えるが、問題もあった。今回の4には、それを正して魅力や個性へ変え、量販モデルとなることが期待される。

意匠と技術 ★★★★★★★★★☆

DS 4は、デザインを際立たせ、それで印象付けようとしているのが明らかだ。DS 7がちょっとアウディQ5に似すぎていて、ディテールがうるさいのに比べると、4は独自色を打ち出そうとしたことが見て取れる。

一般的なハッチバックに比べると、やや背が高い。その高さは、かなり大きなホイールを履いたクルマではよくある類のものだ。テスト車は19インチホイールに、サイドウォールの厚い55タイヤを履いている。このほか、20インチと21インチも設定されている。


大径ホイールに、比較的扁平率の高いタイヤを履くDS 4。やや背が高めになっていることの一因だといえるだろう。    JOHN BRADSHAW

横置き前輪駆動レイアウトだが、ボンネットは長く、比較的低い。そしてリアエンドは高いので、シルエットはシューティングブレイクっぽいところがある。相変わらずディテールに煩雑さは残っているが、それに頼ったデザインではなくなった。

DS 4には、3つのスタイルが用意される。標準仕様は、トップグレードのリヴォリに代表されるラグジュアリータイプ。次が今回テストするパフォーマンスライン系で、外装には黒いホイールやアクセントを装着し、内装にはアルカンターラを多用するが、ハードなパフォーマンス系サスペンションなどは用意されていない。

もうひとつがクロスで、黒いクラッディングを備えたオフローダー風の仕様だ。オプションで装備できるアドバンスト・トラクションコントロールは、サンド/スノー/マッドの各モードが提供される。

つまりこの4は、ハッチバックもクロスオーバーもラインナップする珍しいラインナップを擁する。しかし、メカニズムに関していえば、驚きはほぼない。プラットフォームは、プジョー308などと同じEMP2で、パワートレインは3気筒と4気筒のガソリン、プラグインハイブリッド、そしてディーゼルだ。

EMP2の最新版はアップデートにより、コンポジット素材やホットプレス部材を採用。さらに、これが最大の進歩だろうが、フロア部分により大きなバッテリーを搭載できるようになった。

これにより、308と同じく、9には設定されないEV仕様が用意できることになった。いずれEV専業ブランドになる計画のDSにとって重要なモデルのそれは、2024年投入予定だ。言い換えるなら、1年半以内には4の全バージョンが出揃うということになる。

軽量素材を導入した、という割には、今回のPHEVは重たく、実測値は1706kgだった。これは、このクルマの12.4kWhより容量の大きい15.6kWhのバッテリーを積むメルセデス・ベンツA250eを40kg上回っている。重量は重量で、軽いに越したことはない。しかし、コンフォート重視のクルマでは、そうとも言い切れないところがある。

内装 ★★★★★★★☆☆☆

DS 4のインテリアは、このクルマのハイライトだと思うユーザーが多いだろうが、見た目重視で、安っぽさも感じさせるディテールにしらけてしまうユーザーもいるだろうことは間違いないだろう。

昨今のDSは、ダイヤモンドをトレードマークとしている。グリルやテールライトなどのモチーフとなっているそれは、インテリアにも広く用いられている。デザイナーはルックス重視で、そのことがDSの全モデルのスタイルを独自性のあるものにしている。


素材は、このクラスとしてはかなり上質。色調はダーク系ばかりだが、デザインにはおもしろみがある。残念なのは、居住スペースがライバルたちに見劣りすることだ。    JOHN BRADSHAW

また、ありがたいことにコストをケチって、目を引くデザインをつまらないものにするようなことはしていない。マテリアルは全体的に心地いい手触り。たしかに、ウインドウのスイッチはプラスティックだとわかるが、1700万円もするクルマとは違うのだから、そこは目をつぶろう。

もし、アルカンターラを多用したパフォーマンスライン・プラスがお好みでないなら、ほかの仕様を選べばいい。そうすれば、レザーに包まれたインテリアが手に入る。

ただし、明るい色調の内装が好みなら、お気に召さないだろう。ほとんどが黒とグレーで占められ、唯一の例外もリヴォリ仕様のダークブラウンだからだ。

おそらく、テスト車が初期生産ロットだったからだろうが、インテリアのほとんどの部分にソリッドで安心感があるものの、ひとつふたつ問題が見られた。運転席のヘッドレストはかなりぐらついていて、フットウェルにはトリムのがたつく部分があった。また、スタート/ストップボタンは、かなり強く押さないと反応しなかった。

7.0インチのデジタルメーターと10.0インチのセンター画面は全車標準装備で、テスト車のような上位グレードでは、フロントウインドウへ綺麗に投影されるヘッドアップディスプレイも備わる。それらはすべて、好みに合わせて調整可能。メーターとヘッドアップディスプレイのレイアウトは、コラムレバーで順々に切り替えられる。

スペース的には、クラストップにはほど遠い。とくに後席については、レッグルームが660mmしかない。メルセデスAクラスなら720mm、セアト・レオンは700mm、クプラ・フォーメンターに至っては760mmあるのだ。

それを多少は挽回するのが荷室だ。ハイブリッドで390〜1190L、ICEで430〜1240Lという容量は、A250eの310〜1120LやアウディA3のPHEV仕様の280〜1100Lを上回る。そうはいっても、フックや分割ボード、充電ケーブル専用の収納スペースといった便利な工夫が見られないのは残念だ。

走り ★★★★★★★★☆☆

パフォーマンスライン・プラスというグレード名は、GTI的なものを想像させるが、あくまでもスポーティな装備のグレードにすぎない。それはともかく、システム総合で225psを発生するE−テンス225は、DS 4の最速スペックモデルだ。同じパワーでより軽量なピュアテック225に比べ、0−100km/h加速タイムが0.2秒早いというのは意外だった。

ハイブリッドゆえに、パワーバンドとトルクバンドが広いことがその理由だろう。1.6L直4ターボのガソリンユニットのスペックは180ps/30.6kg−mで、ピュアテック180とまったく同じ。これに110ps/32.6kg−mの電気モーターが加わる。


パワートレインは力強くスムースで、トランスミッションは自動変速には問題ないが、手動変速やキックダウンは使いづらい。さらに、ブレーキはレスポンスが不安定だ。    JOHN BRADSHAW

このふたつのパワーソースが協調して、ほぼ乾燥した路面でのゼロ発進では7.4秒で97km/hに達する。ガソリンエンジン自体がパワフルなので、速度が高くなっても力強い加速が続き、30.8秒で209km/hに届く。EVモードでも加速性能を計測したところ、路面はウェットだったが、0−97km/hは12.8秒で、最高速度は137km/hだったので、十分に実用的だ。

このパワートレインが洗練されていることは、ほかのクルマで実証済みだが、それは4にもいえる。パワーが不足している点を除けば、1.6Lのピュアテックユニットはスムースで静かだ。

電力とガソリンとのバトンタッチもほとんど完璧。センター画面は、EVモードとハイブリッドモードのいずれを選ぶべきか、バッテリーを充電するか、今ある電力を維持するか、といったマネージメントを容易にしてくれる。また、目的地到着時にどれくらいの電力を残しておきたいか、決めることもできる。

アイシン製の8速トルクコンバーターATの作動は、十分なスムースさと迅速さをみせる。少なくとも、自動変速にしている限りは。シフトパドルは備えているが、上手く使うのは難しい。なにしろ、入力に従うより無視することのほうが多いのだから。

このトランスミッションのせいで、中間加速もベストなタイムを出すことができなかった。というのも、キックダウンスイッチまでペダルを踏み込まなくてもキックダウンしてしまったりするのだ。

さらに大きな欠点は、ブレーキペダルのレスポンスにある。絶対的な制動力は問題なく、ほぼA250eと同等だった。問題なのは、ペダルフィールが柔らかすぎて一定しないことだ。48km/hから一定した軽い圧をかけて制止しようとすると、途中で減速度が変わってしまう。スムースなドライビングをしようとする上では望ましくなく、やる気を削がれ、いい結果に結びつかない。

使い勝手 ★★★★★★☆☆☆☆

インフォテインメント

DSの広報には満点を差し上げたい。というのも、センターと運転席の画面やヘッドアップディスプレイ、センターコンソールのタッチパッドやもろもろのウィジェットについて、お手軽な説明書を付けて、このクルマを貸し出してくれたからだ。

とはいえ、出来のいいいユーザーインターフェースというものは、そんなマニュアルがなくても使い方がわからなければならない。それでも、好みに合わせて調整し、使い勝手の問題点をいくつか補うことができる。その問題のひとつが、エアコン操作がわかりにくいことだ。


ディスプレイに操作系を統合するなら、もっと使い勝手やレスポンスを高めてもらいたい。それができないなら、実体スイッチに戻してもらいたい。    JOHN BRADSHAW

ホーム画面は、ナビと温度調整を同時に表示するよう設定することができ、実体スイッチのホームボタンも備わるが、それでも使いやすくはない。Apple CarPlayやAndroid Autoを使うと、ディスプレイ全面がその表示になってしまう。

DSのインフォテインメントシステムは、AppleのSiriを逆から読んだようなIRISという名で、その音声操作はトップレベルの出来栄えだった。タッチパッド上のショートカットを調整できるのも便利だ。しかし、これほどディスプレイのレスポンスが遅いのなら、実体ボタンにしてくれたほうがずっといい。

燈火類

ベーシックグレードであっても、ヘッドライトはLEDで、リヴォリとパフォーマンスライン・プラスの各グレードはマトリックスタイプとなる。後者は走っているのが市街地か高速道路かといった状況を認識して照射パターンを自動調整し、眩惑防止を図る。

ステアリングとペダル

ペダルが片側に寄っていることは珍しくないが、前後方向ではかなり奥まって設置されている。これは、レッグスペースの不足を補うためだ。

操舵/安定性 ★★★★★☆☆☆☆☆

現代のDSは、快適性にガッチリ照準を合わせたブランドで、当然というべきか、そのぶんハンドリングにはしわ寄せが来ている。しかし、ドライバーが全員、峠を攻めるためにクルマを選ぶわけではない。

だから、まともなレベルのロードホールディングと予測しやすさが備わっていれば、必ずしも問題ではない。それを踏まえれば、4に文句はない。ただし、それ以上でも以下でもない。


スタイリングだけでなく、運動性でもドイツ勢とは違うところを見せるDS。この4はハンドリングに活発さはなく、すべてがほどほどに収まっている。    JOHN BRADSHAW

テスト車は、アクティブスキャンサスペンション装着車で、フロントウインドウ裏に設置したカメラとサスペンションのセンサーを使って、前方のバンプに備える。DSの他モデルでは、その効果を確信できなかったデバイスだ。

このシステムが機能するのは、サスペンションのコントロールがソフトで緩めのコンフォートモード時のみ。バンプを超える際にはかなり波打つような動きがあるので、テスター陣の中には中間セッティングのハイブリッドモードのほうが好みだという声もあった。サスペンションとパワートレインの作動状況はノーマルモードといってもいいもので、ボディの挙動は穏やかになる。

写真でわかるように、4はシトロエン2CVのような過度にボディを傾けるクルマではないが、いまどきのクルマでこれほど大きな角度がつくものは多くない。このときはアクティブサスの効果を確かめるためコンフォートモードに入れていたが、スポーツモードでもボディコントロールはゆったりしている。

ロックトゥロック2.9回転のステアリングも緩やかで、あまり見かけないほどセルフセンタリングが強いフィーリング。シトロエンの熱狂的ファンならば、昔のハイドロモデルに搭載された操舵系のDIRAVIシステムを引き合いに出すかもしれない。しかし、そこまで過激にセンターへ復帰しようとするわけではない。

市街地のタイトなジャンクションで、脱出時にセンターへ引き戻してくれる動きを、好みだというテスターもいた。しかし、開けた道では混乱するという意見もあった。

コンフォートとハイブリッドの各モードでは非常に軽い手応えは、スポーツモードでもわずかに重くなるのみ。いずれにしても、フィードバックはまったくない。

205セクションのミシュランe−プライマシーは、ドライでもウェットでもまずまずのグリップを生むが、それ以上はない。コーナーを攻めても必ずしもフラストレーションが溜まるようなクルマではないが、この4でそれを試そうというドライバーは多くないだろう。

快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆

スポーティさを装うことをやめたクルマであれば、快適性や静粛性の重要度は増す。全般的に見れば、DS 4はそういうものになっている。

なによりもまず、アダプティブダンパーとマルチリンクリアサスペンションを備える最上級仕様は、乗り心地の波長が長い部分が、現状のハッチバックでもっとも柔らかい。それが好みだとすれば、これに代わるものはない。


乗り心地はスポーティな挙動よりコンフォートさを強調した穏やかなものだ。ただし、コンフォートモードではソフトすぎる。快適に運転する上で問題になるのは、ペダルが遠すぎることだ。    JOHN BRADSHAW

コンフォートモードのフワフワした乗り心地は、ちょっとやりすぎだと感じるドライバーもいるだろう。一度のストロークで、いくつものバンプをまとめて処理することはできない。ハイブリッドモードでは、もう少し高周波のパッター音が出るものの、より落ち着いた感じで、これこそまさに折衷案といえるものだ。

なにをもって完璧と言うのかは難しいが、路面のえぐれや補修のお粗末な路面は、ほかのクルマよりうまく呑み込んでくれる。われわれとしては、17インチホイールとアダプティブサスペンションを備えるバスティーユ・プラスをぜひとも試したいが、残念ながら英国には導入されていない。

遮音性は、このクルマの快適性におけるグッドニュースだ。113km/h巡航時の64dBAという数字は、ハッチバックとしてはかなり静かだ。A250eは、これより4dBA大きい。低速域でも同じことで、サスペンションノイズも抑えられている。

ただし、ひとつだけ欠点がある。運転席のレッグルームが驚くほど狭く、ペダル位置が遠いのだ。ステアリングコラムはまずまず十分な調整幅があるものの、それだけではカバーしきれない。

シートを前にスライドすればいいので、背の低いドライバーなら問題はないだろう。しかし、脚が長くシートを下げるともも裏のサポートが足りなくなる。その場合は、電動シートへのアップグレードが必要となる。手動シートには、座面のチルト機構が備わらないからだ。

購入と維持 ★★★★☆☆☆☆☆☆

DS 4のラインナップは、10タイプのトリムレベルと4種類のパワートレインがあり、選択は途方に暮れそうだ。しかし、原則的に安価なモデルほど価格に競争力がある。つまり、ピュアテック130のバスティーユ・プラスはコストパフォーマンスがいいのだが、PHEVは明らかに割高だ。

E−テンス 225の価格はパフォーマンスラインの3万6100ポンド(約596万円)からだが、装備内容は充実しているとは言い難い。そこでオプションを追加していくと、1万ポンド(約165万円)くらいはすぐに乗っかってしまう。フル装備のA250eが4万4000ポンド(約726万円)くらいだから、それを超えてしまうのだ。


1年目の値落ちはかなり大きいが、その後は緩やかだ。競合モデルの中で、残価率において強みを見せるのはクプラ・フォーメンターだ。

普通に充電して、普通に使っての燃費は25.6km/Lをマークした。充電が切れた状態での113km/h巡航は15.8km/Lだった。これはセアト・レオンeハイブリッドと同等だが、A250eの20.5km/Lにだいぶ見劣りする。

EV走行の航続距離は公称53kmだが、現実的な数字は42km程度。これもレオンと同程度だが、A250eの64kmにはかなり引き離されている。英国の税制では、この差は大きい。

スペック

レイアウト

DS 4のメカニズムは、ステランティスの各モデルで見慣れたものだ。エンジンは3気筒もしくは4気筒を横置きし、8速ATを介して前輪を駆動する。

サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアはトーションビームが一般的だが、PHEVモデルはマルチリンクで、12.4kWhバッテリーの搭載スペースを稼いでいる。前後重量配分は、実測で58:42だった。

エンジン


EMP2プラットフォームファミリーに属するDS 4。リアサスペンションは、ICEモデルはトーションビームだが、PHEVはマルチリンクに変更される。テスト車の前後重量配分は、実測で58:42だった。

駆動方式:フロント横置き前輪駆動
形式:直列4気筒1598ccターボチャージャー、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ77.0×85.8mm
圧縮比:10.5:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:180ps/6000rpm
最大トルク:30.6kg−m/3000rpm
エンジン許容回転数:−rpm
ハイブリッドアシスト:永久磁石同期モーター
モーター最高出力:110ps
モーター最大トルク:32.6kg−m
システム総合出力:225ps/6000rpm
システム総合トルク:36.7kg−m/3000rpm
馬力荷重比:138ps/t
トルク荷重比:22.3kg−m/t
エンジン比出力:113ps/L

ボディ/シャシー

全長:4400mm
ホイールベース:2675mm
オーバーハング(前):925mm
オーバーハング(後):800mm

全幅(ミラー含む):2000mm
全幅(両ドア開き):3620mm

全高:1490mm
全高:(テールゲート開き):1960mm

足元長さ(前席):最大1105mm
足元長さ(後席):660mm
座面〜天井(前席):最大1070mm
座面〜天井(後席):910mm

積載容量:390〜1190L

構造:スティールモノコック
車両重量:1653kg(公称値)/1706kg(実測値)
抗力係数:−
ホイール前・後:7.0Jx19
タイヤ前・後:205/55 R19 97V
ミシュランe−プライマシー
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)

変速機

形式:8速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:−/− 
2速:−/− 
3速:−/− 
4速:−/− 
5速:−/− 
6速:−/−      
7速:−/− 
8速:−/−      
最終減速比:−

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:25.6km/L
ツーリング:15.8km/L
動力性能計測時:7.0km/L
EV航続距離:42km

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):−km/L
中速(郊外):−km/L
高速(高速道路):−km/L
超高速:−km/L
混合:62.5km/L
EV航続距離:53km

燃料タンク容量:40L
駆動用バッテリー:12.4/9.9kWh(総量/実用量)
現実的な航続距離(エンジンのみ):約632km
現実的な航続距離(エンジン+モーター):約674km
CO2排出量:30g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後: マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.9回転
最小回転直径:10.8m

ブレーキ

前:330mm通気冷却式ディスク
後:290mmディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:電動、ダッシュボード中央にスイッチ配置

静粛性

アイドリング:36dBA
全開時(145km/h):71dBA
48km/h走行時:57dBA
80km/h走行時:60dBA
113km/h走行時:64dBA

安全装備

エアバッグ(フロント/カーテン/センター)/ABS/ESC/LKA/AEB/ドライバーアテンションアラート
Euro N CAP:4つ星(2022年)
乗員保護性能:成人85%/子供86%
交通弱者保護性能:74%
安全補助装置性能:65%

発進加速

テスト条件:湿潤路面/気温13℃
0-30マイル/時(48km/h):3.1秒
0-40(64):4.3秒
0-50(80):5.7秒
0-60(97):7.4秒
0-70(113):9.1秒
0-80(129):11.2秒
0-90(145):13.6秒
0-100(161):16.6秒
0-110(177):20.1秒
0-120(193):24.9秒
0-402m発進加速:15.5秒(到達速度:155.6km/h)
0-1000m発進加速:27.4秒(到達速度:200.8km/h)

ライバルの発進加速

ライバルの発進加速
メルセデス・ベンツA 250e AMGライン・プレミアム(2020年)
テスト条件:乾燥路面/気温26℃
0-30マイル/時(48km/h):3.0秒
0-40(64):4.0秒
0-50(80):5.3秒
0-60(97):6.7秒
0-70(113):8.4秒
0-80(129):11.1秒
0-90(145):13.3秒
0-100(161):16.8秒
0-110(177):20.4秒
0-120(193):25.5秒
0-402m発進加速:15.4秒(到達速度:154.3km/h)
0-1000m発進加速:27.5秒(到達速度:198.3km/h)

キックダウン加速

20-40mph(32-64km/h):2.3秒

30-50(48-80):2.6秒

40-60(64-97):3.1秒

50-70(80-113):3.4秒

60-80(97-129):3.8秒

70-90(113-145):4.5秒

80-100(129-161):5.4秒

90-110(145-177):6.5秒

100-120(161-193):8.3秒

110-130(177-209):10.6秒

制動距離

テスト条件:湿潤路面/気温13℃
30-0マイル/時(48km/h):8.5m
50-0マイル/時(64km/h):24.1m
70-0マイル/時(80km/h):48.6m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.60秒

ライバルの制動距離

メルセデス・ベンツA 250e AMGライン・プレミアム(2020年)
テスト条件:乾燥路面/気温26℃
テスト条件:雨天/気温10℃
30-0マイル/時(48km/h):8.9m
50-0マイル/時(64km/h):24.7m
70-0マイル/時(80km/h):48.1m

結論 ★★★★★★★☆☆☆

プレミアムハッチのセグメントで、お馴染みのドイツ勢ではない新たなチャレンジャーを目にするのは楽しい。それがちょっとばかり困難なチャレンジをしようとしているならなおさらだ。

DS 4は、スポーティさやアグレッシブさを捨てた。代わりに目指したのは、快適さと、フランス車の独特な高級感である。


結論:高い価格と細かい欠点の多さゆえに、DS 4はトップの座を逃した。    JOHN BRADSHAW

その試みはかなりうまくいっている。比較的スムースな乗り心地と静かなキャビンで、上質感をもたらしている。プラグインハイブリッドのパワートレインはすでにおなじみのメカニズムで、がっかりするようなことはないが、EV走行距離だけはクラスベストとの開きがある。

主な狙いはおおむね外していないDS 4。しかし、小さな欠点を数えはじめると見劣りしてくる。質感には多少のあらがあり、シートのエルゴノミクスは物足りず、アダプティブクルーズコントロールには不満がある。使いにくいインフォテインメントシステムや、フラストレーションが溜まるブレーキも、興味を削がれる理由になるだろう。

しかし、最大の問題は価格だ。とはいえ、それを別するなら、よくできたディテールがきちんと理解されるようになれば、DSがその名声を獲得できないと考える理由はほとんどない。

担当テスターのアドバイス

イリヤ・バプラート

ギアボックスのマニュアル操作は、この手のクルマには不可欠ではない。とはいえ、シフトパドルがある以上、ちゃんと使えるものだと思うところだ。このDS 4は、負荷が軽いときのシフトアップと、スロットル開度60%以上でのシフトダウンで、パドルが無意味なものになってしまう。

マット・ソーンダース

最新のクルマはディスプレイが多用されているが、そのフレキシブルさが活用されていない。DSはセンター画面もデジタルメーターも、ヘッドアップディスプレイさえもカスタムできるようにしている。各要素をドラッグして取捨選択したり、異なる設定を切り替えたりはできるようにしている。

オプション追加のアドバイス

コスパを考えるなら、下位グレードのガソリン車を選びたい。もしもPHEVがほしいなら、最廉価グレードがパフォーマンスラインになる。オプションは慎重に確認を。グレードやパックに含まれているアイテムも多い。

改善してほしいポイント

・すべてのタイプのシートに、チルト機能を装備してほしい。
・インフォテインメントシステムのスピードアップを。そして、エアコンの操作系は独立させてもらいたい。
・内外装とも、もう少し明るい色を増やしてほしいところだ。