２０１９年８月に栃木県那須町の遊園地の遊具から利用客の男性が転落して死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われている現場責任者だった元従業員の男とアルバイト従業員だった男の裁判が４日、宇都宮地方裁判所で開かれ、２人に禁錮１年、執行猶予３年の判決が言い渡されました。

　

判決が言い渡されたのは、事故当時、現場責任者だった相馬健一被告（５１）とアルバイトをしていた男性従業員（２２）です。起訴状などによりますと、２０１９年８月５日、那須町の那須ハイランドパークの遊具施設で、相馬被告は習熟していない男性従業員を単独で業務に当たらせ、事故の未然防止に向けた注意義務を怠ったとしています。男性従業員が男性客＝当時（５１）＝に転落防止の命綱を着けるのを忘れ、この２人の過失から高さ約５メートルの所につり下げられたポールに飛びつく遊具に抱き着けなかった男性客を転落死させたとして、業務上過失致死罪に問われていました。

　

４日の裁判で楠真由子裁判官は「勤務して間もない習熟していないアルバイト従業員に漫然と単独で従事させ、安全装置を付けなかった過失は大きい」と指摘し、「目の前で家族を失った悲しみや苦しみは察するにあまりある」と述べました。

　

一方で、２人について「責任を認め謝罪している。前科もなく直ちに刑事施設への収容は酷」として、検察側の禁錮１年の求刑に対し禁錮１年、執行猶予３年を言い渡しました。