10年前の7月3日、栃木や群馬など4つの県にまたがる渡良瀬遊水地が国際的に貴重な生態系を守るためラムサール条約の湿地に登録されました。

その10年の歩みを記念して小山市でシンポジウムが開かれました。

栃木市や小山市など4つの県の6つの市と町に広がり3300ヘクタールと広大な面積を持つ渡良瀬遊水地。

本州最大のヨシ原を始めとした植物や動物が生息する豊かな自然環境に加え、大雨などの際には治水の役割も担っています。

湿原の保全などを目的とする国際条約・ラムサール条約の湿地に登録されてから、ちょうど10年となった3日、小山市立文化センターではシンポジウムが開かれました。

シンポジウムには渡良瀬遊水地保全・利活用協議会を構成する自治体や団体の関係者などが出席しました。

このうち、NPO法人のわたらせ未来基金の青木章彦理事長はこれまでの保全活動などを報告しました。

2年前に、東日本で初めて成功した国の特別天然記念物コウノトリの自然下での繁殖は当初の目標より20年も早かったといい、今後は、トキの野生復帰も目指していくということです。

このほか、エコツーリズムや環境保全などについての取り組み事例も紹介され、自然の宝庫と言われる渡良瀬遊水地をどう次の世代に引き継いでいくか議論を深めました。