参議院議員選挙が22日公示されます。公示日前日、この機会にそもそも参院選とはどういう選挙なのか改めておさらいしていきましょう。まずはこちらをご覧ください。

みなさん、ご存知だとは思いますが日本の立法機関「国会」は二院制で衆議院と参議院、それぞれ国民から選ばれた国会議員が国民の意見や時代の変化に対応して法律を制定しています。このうち今回行われるのは参議院の選挙です。公示日が22日、投開票が来月7月10日です。

参議院議員の任期は6年で衆議院のように任期途中の解散はなく長期的、専門的な視点から法案や政策を議論する役割が期待されています。参議院では継続性や国会の空白期間を作らないように3年ごとに半分の議員の選挙を行っています。今回は125の議席を巡り全国で530人以上が立候補するとみられます。

「国民から選ばれる国会議員」と言いましたが選挙というのは我々国民の意見を国に伝える手段のひとつです。しかし、毎回問題となるのが「投票率の低さ」です。栃木県内の状況について栃木県選挙管理委員会の大根田起司さんに話を聞きました。

大根田起司さん:「近年、投票率は下がってきていて国政選挙、衆議院参議院においても50%前後という投票率になっている。50%前後というと2人に1人は棄権しているということで我々としては危機感を持っている。有権者にとって政治や選挙が遠い存在になっているのが背景としてある。選挙は国民の意思を示すものなので投票率が低いということは国民の意思が反映されないという恐れがあると思う」

Q.年代別では違いがあるのでしょうか

大根田起司さん:「いわゆる若年層18歳から34歳くらいまでの年齢層が特に投票率が低いという傾向があります。若い世代とくに20代前半がとても低いという状況にあります」

若者、特に20代前半の投票率が低いということでしたが街の人はどう感じているのか聞いてきました。

20代:「そもそも選挙だって知らなかった。私も選挙のことわかってないのでわかってないんだろうなって私と一緒って思います」

50代:「意外ですね。うちの子から18から投票できるようになった年代なんで、もう少し逆に関心あるのかなって思ってました」

70代:「なかなか一票入れても変わらないし、なんて若い人の声も聞かれてますけどね。若い人も行ってほしいです」

40代:「飲食店で働いているんですけど大人の方は多少なりともそういった 話題はでてくるんですけど若い人はまあ愚痴はでてきても、じゃどうするって話はほとんどでてこないのでもうちょっと考えてほしい」

大根田起司さん:「30代40代になると家庭を持ったり子どもできたり親が介護必要になったりとか自分の生活に直結してくるのでやっぱり世の中のことに関心、選挙とか関心持ってくるのかな。20代っていうのは意外とそういう点が直結しないので自分の生活に。関心ないのかなというところは思います。実感としてわかないと思うんですよ。政治が自分の生活にどれだけ結びついているかっていうのが。自分事として捉えてもらいたいです」

実は私はというと20代のころは生活とは離れていると思っていました。しかし、私も40代になり結婚や引っ越し転職や急な病気などライフイベントが重なってくるとやはり直結しているように感じられるようになりました。そこでまずは選挙に関心を持ってもらおうと企業もいろいろな取り組みを行っています。

みどりや 田代泰彦社長:「選挙割をしたいと思っております。選挙に関するものを選挙ポスターですとか選挙事務所、候補者さんでもいいですし携帯で画像撮っていただいて、その画像をスタッフに見せていただければ、お化粧品のお試しサンプル差し上げるという形にしております」

宇都宮市の化粧品店みどりやでは2019年の参議院議員選挙から市内にある3つの店舗で選挙割の活動を始めました。選挙割を始めた理由を聞きました。

みどりや 田代泰彦社長:「投票率を上げたいのと選挙に興味がない人が少しでも興味が出るように思いまして。まだ18歳以下の女性とか学生さんでも興味持ってほしいなと。投票日の翌日7月11日までの予定でなっております。選挙にいって化粧品も使って綺麗になってください」

このほか、2016年に選挙権が18歳まで引き下げられたことから学校内に期日前投票所を設ける高校もあります。

大根田 起司さん:「県内では烏山高校に期日前投票所を設置していましたが今回の参院選から日光市内においても市内4カ所の高校で期日前投票所を設置することが決まっている」

しかし、高校を卒業すると投票しなくなるという問題に直面しています。

大根田 起司さん:「18歳は良いんですけど19歳になると家を出て進学とか就職でひとり暮らしになったり高校卒業してしまうと学校とか家庭のつながりがなくなってくるので19歳になると18歳に比べ投票率が下がる傾向があります。最近、商業施設に期日前投票所設置するのが増えておりますので選挙人の方の利便性の向上の点ではどんどん広がっていけばいいなと思っております。ここ最近ですと投票した方、全体の30%以上の方が期日前投票を利用されているという結果が出ております。どうしても都合悪い当日都合悪い方いらっしゃいますので期日前投票所も利用してほしい。選挙管理委員会としては常に投票率100%を目指しておりますのでぜひ皆さんに投票に行っていただきたいと思います」

大根田さんも話している通り理想は投票率100%ですが、有権者に生活に直結していると実感してもらえていない側面もあります。しかし、よく考えてください。コロナ禍や物価高への対応など選挙の争点となる事柄には自分の生活との関わりがたくさん見えてきます。街頭演説や政見放送、それに選挙公報などを活用して立候補者の公約を比較検討して国民が政治に参加する大切な権利を放棄しないでほしいと思います。